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カリ出張記-2-

先日の事になりますがコロンビア第三の都市カリ市に出張しました。昨年12月にも出張したのですが今回は日本から来訪されたお客様をご案内しての「本番出張」でした。前回の出張で下準備を整えた事もありとても良い結果を残す事が出来、お客様もとてもご満足されました。
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前回出張時に事前視察先として訪れた「カリ動物園」ここがお客様の訪問希望先でした。今回の訪問にあたり先方のご希望でカリ市動物園側に対し希少動物達の保護目的で多額の寄付をされた事が特筆されます(先方が希望されていませんのでお名前等は非公表とさせて頂きます)カリ動物園側から園長直々にお礼の言葉を頂きました。
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今回ご来訪されたお客様が見学を強く希望されたいたのが「Pacaranas(若しくはGuagua・大型ネズミの一種)」と「Mapache(カニクイアライグマ)」です。いずれも南米大陸固有種の動物らしく、近年その数がどんどん減ってきています。世界中の動物園を訪れ希少動物達を見学させている先方のコロンビア・カリ市訪問はまさにこの二つの動物を見る為だけのようなものでした。いずれも夜行性動物で日中は熟睡している事が殆どです。今回の訪問時も例外なくそうでした。
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カリ動物園側からは事前に「特別の案内は出来ない」と言われていたのですが、先方が高額の寄付をされた事もあり結果としては係員二人を専属ガイドとして充て、一般入場者は決して立ち入る事が出来ない「バックヤード」と呼ばれる非公開エリアまで案内してくれました。全く期待していなかった分、先方もとても喜ばれていました。こちらではペアのPacaranaを至近距離で見学する事が出来ました。このバックヤードは普段は真っ暗にしているのでたまたま起きていた所を訪問する事が出来ました。
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カリ動物園にはこのPacaranaが三匹保護されていて、もう一匹は単独で誰でも見られるエリアにいました。日中はやはり爆睡していて全く動かず夕方まで全く起きる気配がなく、閉園時間が迫る中で先方も「もう諦めましょう」と仰ったのですが私には何か感じるものがありもう少し待ちましょうと粘った結果、何と目を覚ましました。この偶然には我々もビックリでした。そして係員が置いた餌の香りを感じてのそのそと動き出したのです。これには先方もとても歓喜されていました。諦めて帰らなくて良かったです。
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カニクイアライグマの方は凶暴性があるという理由から、こちらは専属としてついてくれた係員も含めさすがに至近距離まで近づく事は出来ませんでした。こちらもやはり閉園時間ぎりぎりまで起きる気配がなく諦めようとしたのですが、こちらも私が何となく気掛かりですと待って頂いたところ、何と二匹共に奇跡的に目を覚まし、ついに動き出してくれました。これには正直驚きました。先方は今日は無理でしょうと諦めた所を引き留めた甲斐がありました。
結果として先方が強く見学を希望されていた二種類の夜行性希少動物の動く姿を捉える事が出来、とても感謝されたのは光栄でした。
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今回訪問したカリ動物園にはこの他、コロンビアの国鳥であるアンデスコンドルやジャガーその他、今やコロンビア国内では絶滅危惧種に指定されている希少動物が多数保護されている他、小さいながら水族館もあります。コロンビア国内では最も整備された動物園と言えようかと思います。
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カリでは先方のご希望もあり、ちょっと変わった「コロンビア料理」もご案内しました。こちらはその一つ「Calentao」と呼ばれているものです。ライス・豆・豚肉・ソーセージなどが入っています。調べた所これはご飯と残り物のおかずを混ぜ合わせた「残り物飯」が起源のようです。スペイン語でCalentarは温めるという意味合いがありますのでまさに残り物飯を温め直したという感じそのものです。目玉焼きやアレパと呼ばれるトウモロコシ粉を使ったおやきが上に載っています。このCalentao、美味しいかと聞かれたら「うーん」と戸惑ってしまう味でした(汗)ちなみにこのCalentaoは通常「朝食」として食べるそうです。朝からなかなかすごいボリュームです。
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こちらは先日NHK WORLDの番組「BENTO EXPO」でも紹介した「コロンビアのお弁当」であるFiambreです。この店では何とボコボコ状態のアルミ製の弁当箱(当地ではこれは本当に使用されています)で提供されました。カリでもFiambreは知られたお弁当スタイルですが、これはリアルでした(苦笑)中の具は様々ですが、今まで何度か食べたFiambreの中でこの店のものが一番味付けが濃かったです。
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カリを訪れる機会があり懐具合と時間に余裕があれば是非とも入って頂きたいのがこちらのレストラン・Hacienda del Bosqueです。門をくぐった途端別世界で100年以上前に戻ったような錯覚に襲われました。それほど全く異なる空間でした。ここはカリ動物園に隣接していて、川をまたいで隣はまさに動物園の敷地でした。
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平日のメニューはインターナショナル風のものでした。とても洗練された味で美味しく、何より昔の富豪の屋敷を改装したものと思われる建物と敷地内が素晴らしかったです。カリ市内のレストランでは総合No.1と言えます。
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4日間のカリ市滞在を終えて離陸した直後の風景です。カリ市郊外にはこのような広大な平野が広がっています。肥沃な土地として知られているこの地に日系移民の方々が多いのも納得出来る素晴らしい風景です。私自身はこのカリに着くと何となくホッとします。長らくその理由が分かりませんでしたがようやく納得出来ました。広大な平野と周囲の山々の風景が「日本」に似ているのです。
今回の出張、二種類の動物を見たい・その為に日本から遙々来訪された先方の願いを叶える事が出来、私自身も肩の荷が下りました。

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コロンビア旅行博覧会2023開催

業界関係者にとっては年に一度のお祭りであるコロンビア旅行博覧会が今年も開催されました。毎年2月最終週に開催される旅行博は国内外から多くの旅行業界関係者が集結する一大イベントです。
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今年のコロンビア旅行博はコロナ禍の影響はもはや片隅にもないという程のすごい熱気に包まれていました。会場内は歩くのも困難な程の入場者で賑わい、活況を呈していました。私は長年コロンビア国内において常勤している唯一の日本人旅行業者という事もあり、一体どれだけの入場者数か分からないほどごった返していた中においても会場内にいた唯一の日本人(含むアジア系)でした。

近年コロンビアを訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、新しいデスティネーションとして注目されています。日本人の方々のコロンビアに対するイメージは未だに「麻薬組織・テロ・ゲリラ」と言ったネガティブな印象が根強く残っているようですが、欧米や南北アメリカ大陸各国の人々にとってそれはもはや昔の話として認識されており、事実国内の主要観光地では非常に多くの外国人観光客の姿を見かけます。
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コロンビア国内の観光事情は昨年来インフレ率の高さ(ベネズエラ・アルゼンチンに次いで中南米では三番目の高率)と通貨安・移動費用(航空券やバスなどの運賃)高騰などでなかなか厳しい状況下にありますが、国外から来訪される方々にとって特に通貨安は逆にコロンビアを旅行するのに割安になっています。その事もあってか昨今では国外からの観光客誘致に更に力を入れています。私もそれは同様であり、コロンビア国内唯一の日本人旅行業関係者として近隣諸国・そして日本から来訪される方々の為に日々コロンビアの見どころなどを情報発信しています。
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コロンビアの観光的魅力は何と言っても変化に富んだ地形・地域でしょう。カリブ海から標高5,000m級の雪山まであり、砂漠地帯もあればアマゾンジャングルもあり、世界遺産・コーヒー地帯や五色の川あり、先住民の人々に容易に接する事も出来る。コロンビアに全てがあるという事ではないですが他の国々にはこれはあってもこれはない、それがコロンビアはかなり多く「凝縮」されているように思います。
赤道に近い為一年を通じて気候が安定していて四季がない(雨季と乾季の違いのみ)ので一年を通じて旅行し易い環境にもあります。
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コロンビア国内では地域によって異なる多くの民族舞踊・音楽・お祭りなどが盛んなのも特筆されます。気候帯により伝統音楽のテンポが違い民族衣装も全く異なる、その違いを知ってみるのも良いでしょう。コロンビアの伝統音楽・舞踊などは日本の方々には全くと言えるほど知られていないのが現状だと思います。
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花や鳥・蝶などに興味がある方にとってもコロンビアは魅力的な国です。鳥や蝶類の種類では世界屈指の数を誇るコロンビア。バードウオッチングツアーなども盛んです。日本から来訪されたお客様と共に先日訪れたカリ市内の動物園内にはとても多くの蝶が舞うエリアがあり、日本でもよく知られているモルフォ蝶他多くの蝶達がまさに乱舞していました。

ほかにも国内東部・メタ川流域ではスポーツフィッシングも盛んで世界中からマニアが訪れるフィッシングスポットです。現地は国立公園・且つ厳密に管理されていて認定業者による事前立ち入り許可申請が条件とされている事、個人の単独行動は一切禁止されている事などもあり、スポーツフィッシングの場としては整備されています。それもあってか大型の魚・怪魚(ピラニアでは今や個体数が激減している赤い目が不気味な"レッドアイ"など)等、様々な種類を釣り上げる事が出来るようです(スポーツフィッシングですから勿論その場ですぐリリース)
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コロンビアは時間的・距離的に日本から最も近い「南米大陸の国」です。アマゾンエリアにも空路移動では最短時間でたどり着く事が出来ます。コロンビアアマゾンはブラジル・ペルーと国境を接する三国国境地帯という珍しい地域でもあり、且つ普通に暮らしている先住民の人々に接する事も出来ます。コロンビアアマゾンエリアは開発の手が殆ど及んでおらず、自然のままの状態が未だ多く残っています。

前述の通り私はコロンビア国内唯一の日本人旅行業関係者という存在ですが、コロンビア政府から何かの支援・協力を頂いた事などは一度もなく、全て個人で長年コロンビアの魅力を発信し続けています。勿論支援や協力があればもっと力を入れる事も可能かと思いますが、それがない現状、個人単位で出来る事は資金面的にも限られています。その中で少しでも日本人の方々にコロンビアという国を観光地的魅力の点から知って頂ければと常々思っています。

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日本(人)の方々に史上初めて紹介・クンディナマルカ県グアドゥアス(Guaduas)

2023年初めての投稿となります。今回は首都ボゴタから西へ車で約3時間ほどの場所にあるクンディナマルカ県グアドゥアス(Guaduas)村を日本(人)の方々に史上初めて紹介します。グアドゥアス村は色々な検索サイトで調べても過去に日本人旅行者の滞在記などが一切ない「超穴場的観光地」です。
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グアドゥアス村の歴史は古く、スペイン植民地時代から首都ボゴタと西に位置する大河マグダレナ川とを結ぶ街道の途中の宿場地として栄えていた場所です。現在もそれは変わりなく、村内を貫く街道は中長距離ルートの大型バスやトラックなどがひっきりなしに行き交う大動脈となっています。そのような主要道路から外れて村の中心部に入るとまさに一変・別世界が広がります。これは街道からでは全く分からない為大多数の人々はこのグアドゥアス村を素通りしてしまいます。
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グアドゥアス村中心部の建物群はどれも歴史を感じるもので白壁で統一されています。驚愕・絶賛に値するのは中心部を散策しているとどの建物にも落書きの類が一切全くありません。驚異的とも言えます。これはこの村の旧市街地区が国の歴史的文化財として重要な中心部国内13選の一つになってる事が挙げられるかと思います。強い日差しを受ける白壁の建物はそれはもう素晴らしいの一言に尽きます。
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また石畳が基礎となっている小道も風情を感じるもので、ここまでよく整備された旧市街地区は国内でも今や数少ないのではないかと思われます。昨今コロンビア国内で寂れた村の村おこしが進んでいますが、それは建物を派手に塗装・装飾しているのが主流です。その流れに完全に逆らうようにこのグアドゥアス村中心部はあくまでも白壁で統一されています。
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1800年代初頭に完成したサンミゲル・アルカンヘル大聖堂と目の前に広がる石畳を基礎にした大きな広場も特筆に値します。白の大聖堂も強い日差しを浴びるとそれは美しく映えます。また、大聖堂から広場を見るとその先には山々が広がっています。グアドゥアス村周辺を含むクンディナマルカ県一帯もコロンビアコーヒーの生産地であり、街道沿いの山々の斜面にはコーヒーの木々を多数見る事が出来ます。
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グアドゥアス村中心部は国の重要文化財的地区になっている事もあるのでしょう。建物群は昔ながらの景観を保ち、その景観を乱すデザインの新しい建築物は全くと言って良いほど見当たりません。その中にあって一部は博物館になっていて内部を見学する事が出来ます。
ここは1700年代に造られた、内部に昔の調度品その他が沢山並べられている博物館(Museo Artes y Tradiciones Patio del Moro)です。ただでさえ古い町並みの中、内部に入るとタイムスリップしたような独特の空間が広がります。
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博物館内部はレストランにもなっていて朝10時から食事を取る事も出来ます。とてもお洒落な造りになっていて歴史を感じるのは言うまでもありません。素晴らしいと感じました。
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このレストランの名物料理が画像の「フィアンブレ」と呼ばれている一品です。大きなバナナの葉に包まれてテーブルに届き、縛っているタコ糸をほどくと中にはライス・チキン・ポーク・大ぶりのじゃがいも・揚げバナナ・煮込んだキャッサバなどが入っていてボリュームタップです。これにスープ・生ジュース、画像にはありませんがデザートにコーヒーまで付いて何と18,000コロンビアペソ(約500円・2023年1月現在)という破格の料金でした。
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コロニアル時代から街道沿いの宿場地として栄えているグアドゥアス村中心部には複数の宿泊施設があります。バックパッカー向けの安宿から画像のお洒落なブティックホテルまで選択肢は幅広く、決して大きくはないこの規模の村でこれだけ宿泊施設が多く、しかも建物の基礎は変えないまま内部に大改修を施してお洒落なホテルに仕立て上げている所も複数あります。このホテル、画像では見えませんが奥には綺麗な屋外プールもあります。このレベルなら文句なしでしょうね。
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更に驚くべきは、このグアドゥアス村中心部には実に多くのカフェがあります。中心部の広場を囲むように席を設置しているカフェもあれば、石畳の路地に同じく席を設けているカフェもあり、数の多さだけではなくお洒落で且つ良心的な料金が特徴です。
画像の大きめのカップに注がれたコーヒーと焼きプリンでたったの7,000コロンビアペソ(約200円・2023年1月現在)という安さです。前述のレストランもそうなのですが、ここグアドゥアス村は複数あるレストランのメニュー価格が観光地料金として跳ね上げている訳ではなくどこもとても良心的で、且つ美味しいというこの上ない所です。加えてカフェもこの内容です。コーヒーは付近の畑で収穫・焙煎した豆を使用している所もありました。
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グアドゥアス村の魅力は日中映える白壁の建物と石畳の小道だけではありません。夜の中心部、これもまた素晴らしいものです。ライトアップされた白壁の建物がこれまた実によく映え、前述のカフェの席はどこも観光客で一杯でした。こんな小さな村にどこからどうやってこんなに大勢の人々が集まって来たのかと驚くほどです。
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夜の石畳の小道を散策しました。人の行き来が多い事もあり危険を感じた事は微塵もありませんでした。むしろ歴史ある白壁の建物が淡くライトアップされていて幻想的な一時を感じました。道路が石畳で出来ている事もあり、たまに通り過ぎる車は速度をゆっくりと落としながら走行する為、騒音というものも感じませんでした。昼も夜も魅力的な旧市街の小道、素晴らしいの一言に尽きました。
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こちらは夕食を取ったCasa Realという名のレストランです。博物館内のレストランで昼食を取った為ここには夕食の為入りました。日中のCasa Realの内部も観光名所として有名です。にしても夜の内部もまた違った良さがあり、1700年代に建てられた建物がとても幻想的でした。このレストランのメニューも個性的です。昼食に前述の料理を取ったのでここでは一品とビールを注文し20,000コロンビアペソ(約550円)とこれまたとても良心的でした。築約300年の建物がごく当たり前のように現存しているという事に深い感慨を覚えました。
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村の中心部外れにある市場は早朝から日が暮れるまで開場していて歩いて内部を巡るだけでも楽しめました。画像の"プラタノ(調理用バナナ)"は朝方に付近で無数にみられる木々から刈り取ってきましたよと言いたげに沢山並べられていました。コロンビアのコーヒー地帯の農園にはコーヒーの木々を直射日光から守る為日陰を作る為にこのプラタノの木を畑に植えている所が沢山あります。すなわちコーヒー生産の副産物とも言えます。

今回僅か一泊二日の小旅行で訪れたグアドゥアス村ですが過去の日本人旅行者の滞在記など全くなく、しかしながら白壁の建物と石畳の小道が実に素晴らしく、且つお洒落なホテル・レストラン・カフェが沢山あってしかも料金がとても良心的というまさに「超穴場」の観光地です。今までコロンビア国内の色々な観光地を訪れていますが、このグアドゥアス村はその中でも総合点で間違いなくお勧めに値するという自己評価です。25年ここコロンビアに住んでいながらその存在をつい最近まで知らなかったという点でお宝もの的場所を発見した思いです。

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バナナの木々に覆われたコロンビアコーヒー農園にて

先日の事ですが当社社長家所有のコーヒー農園にてロケを行いました。コロナ禍+経費高騰という事もあってか日本から撮影スタッフは来ず全てカメラ+カメラマンは当地にて手配・素人の私がコーディネーター+にわかディレクターとして全て仕切る事になり、色々ありましたが何とか撮影を終えました。
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別荘へ向かう途中、現地を一望出来る場所にて撮影したものです。コロンビアコーヒー地帯は世界文化遺産に登録されていますが、ここはそのエリアではありません。しかしながらここもれっきとしたコーヒー生産地の一つです。
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コロンビアのコーヒー地帯全てではありませんが、当地のコーヒー地帯の特徴の一つとしてコーヒーの木々を覆うように背の高いバナナの木があり、バナナの葉で日陰を作りコーヒーの木々を直射日光から守っています。昔から続くコーヒー農園ではよく見られる光景です。コーヒー豆には様々な種類があり、従来種の苗木は直射日光に弱い事からバナナ・オレンジ等の木々もコーヒー農園には欠かせない存在でした。
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現時点でテレビ局名・番組名・放送内容等をこの場で明かす事は出来ませんがいずれ陽の目を見る事になりましたらご紹介します。題材の一つは日本の皆さんには史上初めてご紹介するものです。在外コロンビア人もそれを見たら驚く事でしょう。そのコロンビア人でさえ滅多に見る機会がない場面も放映されるかもしれません。お楽しみに。

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カリ出張記

先日コロンビア第三の都市・カリに出張しました。この地を訪れたのは実に久しぶりです。記憶では前回のカリ滞在は2013年7月に開催された"第二のオリンピック"とも称される「ワールドゲームズ」で約二週間、協会役員の方々のアテンドで滞在して以来です。
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今回の出張は12月初旬という事もあり、25日から開催されるコロンビア国内五大祭りの一つ「Feria de Cali」を控えてカリ空港内はお祭りモードになっていました。カリと言えば激しいテンポとステップが特徴の「サルサ」の世界首都と称する人もいます。そんな町でのお祭りですから大いに盛り上がる事でしょう(自分はこのお祭りを体験した事がありません)
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逆光だった為画像には残せませんでした。日中空路でカリに行く場合、着陸が近づくと視界一杯に平野が広がります。カリ近郊の平野部が肥沃な大地である事を察する事が出来ます。詳しい事は分かりませんがコロンビア国内有数の農業地帯なのかもしれません。空港はカリ市内ではなく近郊のパルミラに近い場所にあります。
カリ空港からカリ市へ向かう街道沿いを日中走行すると左右には広大なサトウキビ畑が広がり、遠くには山々の姿も見えます。また、「この木なんの木気になる木」と歌いたくなるような横に広がっている不思議な木々や、首都ボゴタでは標高が高過ぎて見る事が出来ない背中にコブを持つ肉牛達の姿も見られます。空港から市内への風景の美しさとしてはコロンビア国内でもトップ3に入るのではと個人的には思います。
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カリ市内を写した画像はなぜかこの一枚しかありません。市内に入ると所々で目に付くのが背の高いヤシの木です。私のイメージでは昔からカリ市=ヤシの木です。なぜカリ市内にヤシの木が所々見られるのかは分かりません。
そして朝食は先日紹介したコロンビアの伝統的飲物「チョコラテ(ホットチョコレート)」とパンです。全ての店がそうという訳ではありませんが、コロンビアではホットチョコレートを注文すると画像の「お茶碗」で出てきます。取っ手部分がないので必然的に両手を使って飲む事になります。
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今回のカリ出張の目的については割愛しますが、訪問先は先日のメデジンに続きまたしても「動物園」でした。カリ動物園は閑静な高級住宅街エリアにあり、敷地はメデジンと比較してとても広いと感じました。また、敷地内を貫くように流れる「カリ川」の岸辺には竹林が広がり、何となく日本っぽい雰囲気を感じました。個人的にはカリ動物園の方がメデジンよりも気に入りました。
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園内には約150種類の動物がいるらしく、絶滅危惧種のコンドルやバク・サル類など多くの動物の姿に接しました。前回のメデジンでも保護公園内にはラテンアメリカ固有種の動物が数多くいましたが、カリでもそれらの動物達を引き取っています。
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標高約1,000mのカリはメデジンと比較すると暑さを感じますが朝晩は程良い気温に下がります。標高の関係もあるのか、動物園内ではバナナの木々・そしてバナナの花、竹林なども見る事が出来ました。私は動物視察の為に出張しましたが思いがけずバナナの木々などを見る事が出来たのは良かったです。
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この場で詳しい訪問目的を述べる事は出来ませんが、カリ動物園はとても良い場所でした。カリ市内には観光スポットと呼べるような場所が殆どないので、このカリ動物園が観光地として重要な場所かと思います。

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雨期のボゴタ市内観光とChocoShow見学

11月のボゴタは例年雨期真っただ中、その中での市内観光ご案内は雨に配慮する必要がありなかなか難しいのが常です。少しの雨ならまだしも大雨の中で徒歩による観光は気持ちが萎えてしまう事もあります。
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この日もすっきりしない天気でしたが辛うじて展望スポットから画像の光景をご覧頂く事が出来ました。ここはボゴタ市内を360度一望出来る知る人ぞ知る穴場的観光スポットです。ここから見学出来るのは週末に限定されています。ちょうど土曜日だった事もあり、また運良く雨が全く降らなかった為見学が可能になりました。
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そしてこの日は偶然開催されていた年に一度のチョコレート関連の大きなイベント"ChocoShow"をご案内しました。チョコレートというと板チョコなどの「食べるチョコレート」を思い浮かべると思います。ここコロンビアではコーヒーは勿論よく飲まれますが、そのコーヒーよりも歴史があり広く飲まれているのが「ホットチョコレート」です。コロンビアはコーヒー豆の産地であると共に、良質のカカオ豆の産地でもあります。
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基本的な話になります(と言っても自分はカカオ業界関係者ではなく調べた情報に基づきます)チョコレート製品は固形系と飲料系があり、カカオの含有率により甘さが異なる褐色の固形チョコレート、そしてカカオ豆から抽出したカカオバターを元に作られるのがホワイトチョコレートのようです。そして飲料系はカカオバターを含むのが濃厚な味になるホットチョコレート、そしてカカオ豆からカカオバターを抽出して加工したのが「ココア」になります。コロンビア国内で広く一般的に飲まれているのはココアではなくカカオバター入りのホットチョコレート(当地ではチョコラテの名)です。コロンビアでチョコレートと言えば通常固形の方ではなくホットチョコレートを指します。
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ツアーを御利用頂いたお客様は職場へのお土産用として板チョコやインスタントホットチョコレートなどをどっさりとお求めになられました。前述の通りコロンビアのお土産と言えばコーヒー豆が浮かびますが、実はチョコレート製品もお勧めです。是非ともコロンビアの良質のカカオ豆を使用したチョコレート(固形)を食べ、濃厚な味のホットチョコレートも飲んでみて下さい。


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メデジン出張

先日コロンビア第二の都市メデジンに出張しました。前回いつメデジンに行ったのか覚えていない程久しぶりでした。2日間の滞在記録を記したいと思います。
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早朝首都ボゴタを発ち空路でメデジンに向かいました。途中「富士山」にそっくり・まさに「コロンビア富士」とも言える標高5,215mの「トリマ山(Nevado del Tolima)」や、噴煙と万年雪が同時に見られる標高5,321mの活火山「ルイス山(Nevado del Ruiz)」の姿が機内からはっきりと見えました。
今まで機内からは何度かルイス山は見た事がありますが、トリマ山を間近に見たのは初めて・しかもルイス山と両方見たのも勿論初めてでした。この日のフライトは車よりも揺れが少なくまるで宙に浮いているような巡航飛行だった事もありカメラのピントがバッチリ合い、とても幻想的な光景でした。飛行ルートによる為保証は出来ませんが、早朝にボゴタを発ちメデジンに向かうフライトでは左窓側に席を取るとこれらの姿を見る事が出来るかもしれません。
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今回のメデジン訪問目的の詳細理由は割愛します。主たる訪問先は「動物園」でした。メデジン空港から市内へは長いトンネルが開通し、以前は山道をくねくねと曲がりながら市内へ向かっていましたが、現在はトンネルの開通により時間が短縮されルートも快適なものになりました。
そして訪問したのは2020年までは「サンタフェ動物園(Zoologico Santafe)」の名前で現在はParque de la Conservacion(直訳すると保護公園)です。
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園内敷地の約半分はコロンビア国内に生息している希少種や絶滅危惧種の動物達が暮らしているエリアです。ここでは怪我を負ったり絶滅の危機にある動物達を保護し、且つ一般公開しています。正確な根拠はないのですが係員曰く保護を主目的とした動物園は世界でもここメデジンともう一つしかないとの事です。なるほど確かに園内をくまなく歩くと日本ではまず見かけない動物達の姿に接します。
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保護されている各動物達は説明版(スペイン語表記)により詳しく知る事が出来、希少種は黄色・絶滅危惧種は赤のマークでそれぞれ案内されています。南米大陸・そしてコロンビアには固有種も含め数多くの動物達が生息し、コロンビアは鳥類及び蝶の生息数ではそれぞれ世界トップレベルですが、他方絶滅が危惧される動物達もいる事をここで知らされます。
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肌の一部が赤いこのミニ猿はパナマ及びコロンビアの太平洋岸部にのみ生息している絶滅危惧種の動物です。この保護公園では多くのサル達が生活していますが一部は絶滅危惧種に指定されていて、自然破壊の現実を感じました。
この自然公園ではここではご紹介出来ない別の動物の姿を見る為にボゴタから出張しました。それについても割愛させて頂きます。
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メデジンで特筆すべき事の一つに「食生活」があります。首都ボゴタは標高が高い土地柄の為スープなど体を温める料理が多く、全粒の米をよく食べます。これに対してメデジンは米も食べますがそれ以上にトウモロコシ粉を使った「アレパ(画像の白く平べったいもの)」が好んで食べられます。パイサ(メデジンを含むアンティオキア地方の別称)」の生活にアレパは欠かせないもののようです。
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左画像はアレパと当地ではチョコラテと呼んでいるホットチョコレートです。パイサは揚げエンパナーダ(餃子に形が似ています)・チョリソ・豚の皮部分を揚げた「チチャロン」などとにかく粉もの系や油をたっぷり使ったものが大好きです。チキンにしてもボゴタは炭火などで焼く「ローストチキン」が主流なのに対し、メデジンではたっぷりの衣を使って揚げる「フライドチキン」が主流で実に多くのフライドチキンの店を見かけます。多くの店は一ピースから販売していて道を歩けばフライドチキンの姿ばかりを見かけるような一角さえあります。ボゴタではここまで油系・粉もの系は食べません。
自分の個人的感想ですが、高たんぱく・高脂肪・高カロリー+油・塩分の高いものが伝統食であるメデジンはコロンビア第二の都市ながら食生活に関してはコロンビア国内きっての「不健康都市」だと思います。それが証拠にという事でもないと思いますが、メデジンの人々はボゴタの人々と比較して明らかに肥満体質が多く、男性は腹・女性は腰から尻周りに顕著に表れています。

今回のメデジン出張で感じた事ですが、かの地はコロンビア国内で唯一鉄道が市民の足になっていて近代的都市としてもてはやされている一方、市内を走るバスは旧式のものが多く排ガス規制などに考慮しているのか疑問、且つタクシーやUBERなどの利用料金が走行距離と金額との比較では首都ボゴタと比較してかなり割高に感じました。
ホテル宿泊料金も以前はとても割安感を感じたのですが今はその逆で、このレベルでこの金額かという程首都ボゴタと比較して相当割高に思います。メデジンには昨今ヨーロッパなどから多くの観光客が来訪していてその数はボゴタよりも多いのではと錯覚したほどです。それもあるのか、或いは別の理由があるのか分かりませんが日本の一部のバックパッカーの間でメデジンは「聖地」とさえ称する人もいるようですが、私には宿泊料金が安くなく、移動コストも鉄道以外は総じて割高・伝統食も不健康なものが多いのに快適なのかと疑問にさえ思います。

また、パイサは昔はコロンビア国内では最も優しい性格としてつとに有名でしたが、少なくとも私が滞在した2日間では昔の印象が完全に崩れ去りました。一度や二度なら偶然でしたが、ホテルやレストラン、スーパーなどかなり多くの場面で不愛想・ぶっきらぼうな対応を受け、挙句の果てにはアポイントメントを取っていたにもかかわらず当日完全にすっぽかされ電話やメッセージにも全く応答せず、とんでもない目に遭いました。昔のパイサは堅実・勤勉な性格でしたが印象総崩れです。誤解のないよう申し上げますと、パイサの全てがそうだった訳ではありません。首都ボゴタの人々はドライですがスペイン語を話す外国人に対して「普通」に接します。今回接した複数のパイサ達に普通・良い印象がなかった割合が多かったという事です。

今回のメデジン出張では色々ありましたが、ともあれ目的自体は遂行しました。次回メデジンに出張する際にはまた好印象を残してくれる事を願っています。その前に絶食してから現地に行かないとメタボ一直線になってしまいそうな気がします(笑)


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ボゴタ在留邦人向け・地ビール醸造所と別荘+コーヒー農園ツアー催行

先日告知通り、先日首都ボゴタにお住まいの日本人の方々向けに企画した「地ビール醸造所と別荘+コーヒー農園ツアー」、約30名様のお申し込みにより好天の中無事催行出来ました。自画自賛ですが美味しい地ビール各種を試飲して頂きコーヒー農園では赤い実の収穫体験、一日でこれだけ楽しめるツアーはコロンビアではおそらく史上初ではないかと思います。
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今回のツアーは首都ボゴタの隣・FUNZAにあるLINO Brewing様と共同企画により催行しました。韓国人の御主人と日本人の奥様の御夫妻が経営するこちらのLINOさん醸造所内見学からツアーはスタートしました。
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ビール醸造所内部の見学自体普段あまり出来る事ではなく、その意味でも今回のツアーは参加された方々・そして自分にとっても有意義なものでした(ご参加頂きました方々からお顔を出す許可を頂いていませんので、プライバシー配慮の点から画像を加工しました)
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LINO Brewing様では様々なタイプのビール・及びウイスキー等の製造をされています。ビール製造過程・そしてウイスキー醸造用の樽など、色々とご説明頂きました。
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醸造所内見学の後はLINOさんで作られている様々なタイプのビール・そして同じモルトを使ったウイスキーなどを味わって頂きました。お酒が飲めた方には楽しい一時だった事と思います。
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LINOさんの醸造所見学終了後、一団となって次の目的地である弊社ANDES TOURS社長家所有の別荘に向かいました。LINOさんからは一本道で約一時間少々、その間に標高約2,600mから一気に1,000m近く下がり心地良い気候に変わりました。
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別荘があるクンディナマルカ県ササイマは標高約1,500m、ここまで下がると程良い暑さが心地良く、空気もボゴタより濃くなります。ボゴタは雨期の関係で肌寒く凍える事もあったのでとても快適でした。
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昼食をお取り頂いた後、別荘内にあるコーヒー農園ツアーを行いました。敷地内には約1,700本のコーヒーの木々があり、これから収穫期を迎えコーヒーの実が色付いてきました。コーヒー農園の規模としては中規模・ツアーを行う条件は全て整っています。
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ツアーではコーヒーの苗木その他色々な場所をご案内し、最後には赤い実を手摘みで収穫して頂く体験もして頂きました。ボゴタから車で約2時間の距離で実現出来るコーヒーの実収穫、ご参加頂いた方々も喜ばれた事と思います。
今回のツアー、実現出来るか当初は不安でしたがあっという間に定数上限に達し、成功裏に催行出来た事をとても喜ばしく思います。

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コロンビアが世界に誇る竹建築

先日、建築デザイン関係の国際学会が首都ボゴタで開催され、日本からプレゼンターとしてお客様が来訪されました。スペイン植民地時代から南米大陸きっての文化都市として名高かったボゴタは今でも各種学会が数多く行われる都市です。
学会セッションの間でボゴタ近郊などをご案内した中で、通常の観光ツアーでは滅多にご案内する事はない場所もご紹介しました。
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こちらはボゴタの西端にある一見すると何気ない橋です。実はこの橋、約3,000本の「竹」を使用しています。竹と言っても日本で多くみられる孟宗竹ではなく、太いものでは直径30cm前後にもなる肉厚の「グアドゥア(Guadua)」と呼ばれる極太の竹を組み合わせたものです。
橋の長さは約45m・総重量は約130トンにも達するこの橋は竹を使用した橋としては世界最大級のもので、歩行者・自転車専用橋として使用されています。
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2003年に完成したこの竹製の橋を設計したのは竹建築では世界的権威・コロンビア人建築家シモン・ベレス(Simon Velez)が手掛けたものです。彼は天才肌の建築家で、全て頭の中でイメージして設計図を一切作らないとの事です。コロンビア国内にはこのベレスが手掛けた巨大な竹建築物があちこちに点在しています。その中で首都ボゴタではこの竹の橋が彼の代表的建築物です。橋に近づくとそのスケールの大きさに圧倒される事は間違いありません。
ベレスが手掛ける竹建築物は殆ど全てが極太のグアドゥアを決して地面に対して垂直に立てるのではなく、傾斜や曲線を付ける事でお互いに引っ張り合って強度を保たせるという、これまた天才的な感性を持っています。画像をご覧頂くとお分かりになりますが、橋全体が若干湾曲しているのは、竹自体は何本も束ねていますがこれを地面に対して水平にしてしまうと強度が弱く橋が途中から折れてしまう為、あえて山のように湾曲させているのがベレスの設計する建築物の特徴です。実際、彼以外の者が同じように竹で橋を作ったものの、傾斜・湾曲の技術を用いなかった為崩落してしまったようです。
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実際橋を渡り内部に立てば世界でも唯一無二の天才的竹建築家・シモン・ベレスの天才的感性を間近に感じる事が出来ます。極太の竹・グアドゥアは何本も束ねる事で強度的には鉄骨に相当する程らしいのですが、その竹を直角ではなく斜めに組み合わせ、更に土台の部分を微妙に湾曲させる手法、これはもう単なる建築物の域を超える「芸術作品」と言えます。実際には鉄筋を咬ませて強度は保っているものの、約130トンにも及ぶ重さで竹を使用した橋が完成から20年経っても崩落していないのですから驚異的です。
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新国立競技場その他、日本における木を多用した建築物の設計では現在第一人者である隈研吾氏は建築資材としてのコロンビアの竹・グアドゥアの魅力を早くからご存知だった方です。その隈氏から「コロンビアの竹を使いたい」とのお申し出があり当地から約400本を日本へ初めて輸出したのが2006年でした。日本へ初上陸したグアドゥアは熊本市にある老舗醤油蔵・濱田醤油様に届けられ現在に至ります。当時の記事がこちらです。http://jpn-col.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-148d.html
その後2014年に講演の為当地ボゴタを訪問された隈氏とこの地で再会する事が出来ました。
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コロンビアを含めGuadua竹は中米から南米にかけて見られる竹の種類です。コロンビアのGuaduaはコーヒー生産地帯と同じ標高帯・約1,300m前後の地で多く見かけます。現地コーヒー地帯では建築資材として多用される事が多く、その中に前述のシモン・ベレスが手掛けた巨大・且つ芸術的価値のある巨大な建築物も多数現存しています。日本では建築基準法の関係からか竹を建築資材として使用する事は出来ないようですが、コロンビア国内・特にコーヒー地帯は地震多発地帯でもある為数十年に一度大地震により被害を受ける事から、容易に手に入るグアドゥアを使った建築物が多いのはその為でもあります。

建築・設計の分野に従事されている方々には是非ともコロンビアが世界に誇る竹建築物の数々をご覧頂きたいです。竹建築物は世界中に数多く存在しますが、その中でも特に前述の天才的竹建築家シモン・ベレス設計の大規模建築物は日本から時間とお金をかけても見る価値がある、それはもう素晴らしいものです。

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コロンビア・カルタヘナのホテルSofitel Santa Claraが世界で2番目に優れたホテルに選出

Readers' Choice Awardsにおいて世界遺産の古都カルタヘナにある最高級ホテルSofitel Legend Santa ClaraがThe Best Hotels in the World:2022部門で「世界第二位の優れたホテル」に選出されました。
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国際観光都市であるカルタヘナには近年様々なホテルがオープン・林立しています。その中でも1621年にサンタクララ修道院として建設された建物をそのまま活かした造りのSofitel Santa Clraは別格です。一歩ホテル内部に入ればそこはまさに「別世界」です。
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世界第二位の優れたホテルに選出されたSofitel Santa Clara、数ある客室の中でも最高級の部屋ががたった一室の"Suite Botero"です。この客室は現在に至るまで一度だけ、日本から専用機で来訪されたご夫妻に御利用頂いた事があります。それが故にこの客室内部の画像を撮影する事が出来ました。ある種貴重な画像です。
コロンビアを代表する芸術家フェルナンド・ボテロの名を冠したこの最高級スイートルームには氏の作品が壁に掛けられています。中に入るとまず広がるのが大広間です。ここだけで既に一般客室を上回る広さです。
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その奥に小広間・更に奥がベッドルームという造りです。ベッドルームの奥には「バスタブエリア」「シャワーエリア」「トイレエリア」があり、その広さだけでも一般客室の二倍ありそうな広さです。バスルームに置かれている石鹸はこのサイズです。複数種ありお好みのものをカットしてくれるという何とも贅沢なサービスです。
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サンタクララ修道院が完成した1621年をそのまま店名にしたホテル内レストランの評価も高く、このレストランで食事をするだけでも価値があります。お客様御夫妻曰く料理の味も含めて良かったとの事でした。
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SPA・マッサージルームも最高級ホテルにふさわしい造りとサービスです。こちらは奥様のご希望により事前予約をして御利用頂き、世界中の名だたるホテルで御利用頂いている奥様にとって評価は高かったようです。
世界遺産の旧市街地区にある最高級ホテルSofitel Santa Claraはコロンビア国内・中南米域内では勿論トップ、もはや世界第二位の評価を得ました。カルタヘナへお越しの際御利用を希望されるお客様、お待ちします。

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