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日本有数の建築家・隈研吾氏が講演でコロンビアを訪問

那珂川町馬頭広重美術館根津美術館の設計など日本を始めアジア・ヨーロッパなどで個性的な建築物を手掛ける隈研吾氏が、コロンビアで一番とされるLos Andes大学での講演の為に首都ボゴタを訪れました。

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二階席まである学内講堂は開始時間には満席となりました。隈氏が手掛ける建築物の特徴は、木や自然構築物などを多用しています。この中で隈氏が先年から着目しているのが、実は南米コロンビアの竹・グアドゥアです。

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こちらが隈研吾氏です。実は私は先年、隈氏の要請で当地コロンビアから極太の竹・グアドゥアを初めて日本向けに輸出しました。私が「グアドゥア輸出商人」である事は、とある経済団体の定例会の場で打ち明けた事があるのですが、その相手が実はこの隈研吾氏でした。

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こちらが先年、隈氏の名を世に知らしめた中国・北京郊外にある建築物「光と竹の家」です。これはシャープのCMで一躍有名になりました。

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これらの建築物をご覧になられた方もいらっしゃる事と思います。隈氏のポリシー「負ける建築」に沿った、木材を多用した個性的な造りです。

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左はスターバックス太宰府天満宮表参道店、中画像は表参道にあるサニーヒルズ、右画像は浅草にあるカルチャーツーリストインフォメーションセンターです。この他、アジア・ヨーロッパなど各地で個性的な建築物を手掛けました。

隈氏より発注を受け当方がコロンビアから出荷し、日本に初めて上陸したコロンビア産の極太の竹・グアドゥアは現在、熊本市にある老舗の「濱田醤油」様の敷地内→「竹の広場」(こちら)に設置されています。濱田醤油様では現在、このグアドゥアを使った次のプロジェクトが進行中です。

コロンビアではレンガを使用した建築物が圧倒的で、しかもまだ既存の概念を打ち破る斬新な建築物が殆どありません。今回の隈氏の講演を拝見して、建築家という方はそもそも思考そのものが私のような者とは全く異なり、どこからこのような発想が出てくるのかと打ちのめされました。Los Andes大学の学生達が彼の作品・建築物を見てどのように活かしていくのか楽しみです。

私もまた、構築物の材料の一つとなり得るコロンビアの竹・グアドゥアを日本の皆さんにどんどん知って頂きたいと思っています。

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南米コロンビアの竹・グアドゥアを使ったアトリエオープン!

私が今からおよそ3年前に初めて対日輸出を果たした「コロンビアの竹・グアドゥア(Guadua)」を使用した、熊本市の「濱田醤油」様のアトリエがついにプレオープンします。詳しくは濱田社長様のブログ「こしぬけ」をご覧下さい。熊本及び近郊にお住まいの方々、是非ともコロンビアから遥々海を渡ってやって来たグアドゥアをご覧下さい。勿論、濱田醤油様の手の込んだ商品の数々もお買い求め下さいね。濱田様、アトリエの完成を心からお祝い申し上げます。

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日本を代表する建築家の一人・隈研吾様から、濱田醤油様向けに正式にオーダーを頂いたのがこのグアドゥア400本でした。一本の長さは10m、太さは最高で20cmに達するものでした。その後特殊処理を施して強度を高め、乾燥処理に入りましたが、それが3年前のちょうど今頃、つまり雨期の最中でなかなか乾燥が進まず、いつになったら出荷できるのかとやきもきしたのも懐かしい思い出です。

輸出の際には、日本側からグアドゥアへの虫害対策の為に使用した殺虫剤の成分表やら何やら色々な書類の提出を求められ、全てが初めての事だった為とても苦労しました。サンプルとして1m程度のグアドゥアを空輸する際にも当地税関からストップがかかり、結局3ヵ月を要した事もありました。東京・青山の隈事務所にて打ち合わせをした際、当地ではこのグアドゥアは家屋の柱や建築資材として一本丸々使用するのに対し、「半分に割って使用するつもり」と伺って度肝を抜かされました。一体どのような結果になるのか全く理解できないまま事務所を後にしましたが、それから2年半近い歳月を経て、ついにコロンビアの竹・グアドゥアが日本で陽の目を見る事になり、とても嬉しく思います。

以前から申し上げている通り、コロンビアの竹は日本の孟宗竹とは繊維質が異なり、当地では巨大な建築物にも使用される程の強度を持っています。相当数のグアドゥアを組み合わせれば数十トンから100トン以上の建築物が作れます。また、今回輸出したグアドゥアは特殊措置を施す事により耐久性と防虫対策を備えており、建築資材としてはおよそ30年以上耐えうるものです。

日本の建築基準法上、建築資材に竹を使用する事が許可されているのか分かりませんが、今回の濱田醤油様への納入により対日輸出の実績は出来ています。また、コロンビア政府系輸出振興機関、そして東京の某在外公館などの支援などは一切得ずコロンビアの特産品を日本へ輸出した事は、私にとって一生に残る大きな思い出の一つです。

昨今は「本業」の旅行業の仕事でとても忙しくさせて頂いていますので、このグアドゥアの対日輸出事業に本腰を入れる事は難しいですが、木材と違って切っても切ってもすぐに成長し、環境にも優しく見た目にも美しい「コロンビア産極太の竹・グアドゥア」を建築資材としてお考えの方、是非ともご連絡下さい。

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コロンビアの旧家

最近は何だか「週末ブロガー」になってしまっています ずっと前から平日は忙しくて、土曜日も勤務ですから、落ち着いてブログを書けるのは週末の夜くらいです。

20080926_img_0830 先日、日本からのグループに同行した際、訪問先のグループオーナーが所有する「築250年」という旧家に案内されました。首都ボゴタの郊外でこれだけの立派な旧家を持っているという事は、かなりの資産家なのでしょう。庭の広さもサッカーが出来るほどでした。ボゴタ市内でもついこの間まではこの種の旧家がまだあちこちにありましたが、昨今の土地バブルにより伝統家屋が壊され、無機質なアパート群に変わっていくのが寂しい現状では、旧家は後に貴重な存在となる筈です。

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中に入れば重厚感溢れる柱と、内部の調度品の古さに唖然としました。それはまるでどこかの博物館に入ったようでした。内部の調度品も殆どが前世紀始めのものでしょう。オーナー氏の財力を見せつけられた感がありましたが、それとは別にこのような歴史的建築物の中にいると、現代建築とは全く異なる雰囲気に圧倒されます。この種の建物はコロンビア国内の至る所に未だ現存しています。ボゴタ及び近郊について言えば、築200年を超えるこの歴史的建築物が現存できる理由が、「大地震がない」「厳しい気候の変化がない」といった良い条件に恵まれているからかもしれません。

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この建物、気のせいか日本の旧家に似ているような、似ていないような・・・ちなみにこの「別荘」の中には確か5,6室の「ゲストルーム」があり、相当数のベッドがありました。週末にはここでパーティーなども行うようですが、宿泊施設として一般に開放してもやっていけそうな広さでした。

日本人の私から見ると、やはり土地のないアパートに住むよりはこのような庭付きの家に住みたいと思います。。。とはいえ昨今の首都ボゴタでは土地も高騰している事、それ以上に治安の問題もあり、土地付き一戸建てはかなり難しくなっています。日本へ帰ってホッとするのは、里帰りという事の他に土の上に家があるという「地に足が付く」安心感からかもしれません。

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庭先には「木のトマト」と称される"Tomate de arbol"が実っていました。黄色く熟すものと、赤く熟すタイプがあるようです。いずれも食用としてではなく、ミキサーにかけて「ジュース」にして味わいます。トマトと言っても皆さんがご存知の野菜系のトマトとは全く異なり、ジュースにした時の味は「オレンジジュース」に近いようなフルーツの味です。

やはり土地付きの家って良いですよね。私も日本へ帰ったら今年も裏庭で既に実っているであろう柿・キウイ・みかんなどを「収穫」したいと思います。東京・大手町から電車で40分くらいの所ですが・・・

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