日本では先日の東日本大地震による深刻な被害が、今尚爪跡を残しています。他方、当地コロンビアでも首都ボゴタ近郊のクンディナマルカ県をはじめ、国内各所での大雨・洪水・河川の氾濫等による甚大な被害は史上最悪とも報じられています。今の日本は大震災の復興活動に手一杯で、コロンビアの惨状に気を遣う事は難しいと思います。とはいえ、当地における洪水被害の現状を知って頂ければと思います。実際現地に立って、その深刻さに呆然としました。
各画像をクリックすると拡大します。ここは首都ボゴタから車でおよそ20分の距離にある"Chia(チア)"の町外れです。左画像がボゴタ川(Rio Bogota)です。普段はこんな水かさではありません。あまりの水量の多さに唖然としました。そして右画像は一見すると「湖」に見えますが、違います。画像を横切る「堤防」が決壊してしまったのです。ちなみに普段この場所は広大な「農地」です。
この場所に立つと、悪臭漂うボゴタ川が大洪水をおこしてしまった事によるドブ川そのものの匂いに吐き気をもよおしました。この大冠水地帯を湖に例えれば「悪臭漂う死の湖」です。
この画像、首都ボゴタにお住まいの方でChiaとの往来を経験された方なら見覚えがあり、唖然とされる筈です。この道はChiaから首都ボゴタへ向かう三車線一方通行の「大動脈道」です。左側が完全に水没してしまいました。
右画像奥に緑の"分岐点標識"があり、右に行くと首都ボゴタへ続くAutopista Norte、そして左に行くとトゥンハなどへ向かうパンアメリカンハイウェイです。ここまで来て幹線道路が冠水してしまっています。よってこの道は「通行止め」です。
何のつもりか「水際」まで歩く母娘と、無謀にも冠水した道路を突っ走った救急車です。特に救急車ですが、ものすごい水しぶきをあげて走り去って行きました。しかしながら浸かった水は「汚水」です。後で車体からものすごい異臭が漂う事でしょう。とにかくこの一帯に立つと、すさまじい異臭でした。ここまで冠水してしまっては、道路沿いの田園だった場所は水が引いても使い物にならないでしょう。
左画像は元々田園地帯の中にポツンとあった牛飼い農家?の家です。完全に水没してしまっています。何と言ったらよいのか分からないほど、呆然としてしまいました。繰り返しますが、これは湖ではありません。「水害地帯」です。
そして右画像は堤防を挟んでボゴタ川、そして右が冠水した田園です。ボゴタ川の水位が堤防と同じ高さまで達してしまっています。そして私がいた場所は前述の三車線大動脈道です。
左画像ですが、この道は首都ボゴタから北高速道を経てChia、Cajica(カヒカ)、そして岩塩坑道で有名なシパキラやネモコンへ向かう最短ルートの道路です。元々は画像右から左へ向かう一方通行なのですが、前述のボゴタ方面へ向かう道が冠水してしまった為、強引に相互通行にしてしまいました。しかも片側一車線しかない相互通行になっている為、朝夕は大渋滞と化すのが必至です。
しかも見て下さい、橋の上部すれすれに達しているボゴタ川の水位!この水かさが更に上回ればこの道路も通行止めとなり、Chia・Cajica・シパキラ・ネモコンへ行く最短ルートが断たれる事になります。かなり危機迫る状況です。
右画像ですが、本来であれば向こうの橋から下ってそのまま直進し、前述の冠水してしまった道路を経由して首都ボゴタへと向かうルートです。通行止めの為に迂回措置が取られています。
当社ANDES TOURS催行の「シパキラ」「ネモコン」各岩塩坑道への観光ツアーご利用の際には、今後スケジュールの変更は必至となります。例えば午前中にボゴタ市内観光、そして午後岩塩坑道観光の後にボゴタ帰着という現行スケジュールでは、帰路大渋滞に巻き込まれる事は間違いありません。この一帯の水害状況についてニュースで報じられた事からツアールートの視察目的で訪れましたが、まさに呆然とした次第です。
次回は更に深刻な水害の惨状をご報告します。
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