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2024年7月

安倍首相コロンビア公式訪問から10年

2014年7月28日、安倍晋三氏が日本の首相として史上初めてコロンビア公式訪問の為首都ボゴタに降り立ってから10年が経ちました。安倍首相の3日間のコロンビア公式訪問は私にとり生涯忘れる事はない出来事です。
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この時私は安倍首相に随行した経団連会長の他企業使節団一行の受け入れ手配を一手に引き受けました。日本の政府専用機がコロンビアに降り立つ事自体が史上初めてであり当然前例というものがない中での受け入れ手配は相当のプレッシャーを感じ、失敗・失態は絶対許されないものでした。10年経った今でもよくあれだけの膨大な手配をこなしたものだと思っています。同じ事を次に出来るかと聞かれたら精神的・体力的にもう不可能だと思います。それほどまでに過酷を極めたものでした。

安倍首相が日本の首相として史上初めてコロンビアを公式訪問された詳しい経緯は存じ上げません。ただその数ヶ月前に中国国家主席が中南米各国・主に当時台頭を始めていた左派政権の国々を歴訪された事もあり、当時から親日国・中道政治を維持していたコロンビアを訪問する事の重要性を感じられていたのかもしれません。
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安倍首相のコロンビア公式訪問は大手新聞紙の一面を飾りました。当時親米国でもあったコロンビアにおいてアメリカ大統領の公式訪問以外で国の政治的トップの訪問が大手紙一面で取り上げられたのは異例であり、日本への関心の高さを感じました。また当時の安倍首相は既に世界のリーダーの一員としてコロンビアでも日本の首相と言えば「ABE」という名が知られていた事もあるでしょう。
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公式訪問2日目には日本・コロンビア首脳会談が開催され、両国間の友好・経済協力関係、特にEPA(経済連携協定)の早期締結を促す確認がされました。また分刻みのスケジュールの中で日本・コロンビア経済合同委員会も開催され、安倍首相コロンビア到着前から当地入りした相当数の日本企業各社のトップや幹部なども含め相当な数の方々が首都ボゴタに集まられました。現時点では後にも先にもこれだけの日本企業関係者の方々がコロンビアに集結された事はこの時の安倍首相公式訪問時以外なく、安倍氏の影響力の高さを改めて感じました。

あれから10年。現在の日本とコロンビアの関係は可もなく不可もなくと言った所でしょうか。現在のコロンビアは独立以来初のかなり極端な左派政権であり、ペトロ大統領は国家の経済的発展にはあまり関心がないように思われます。日本との関係も前政権以前の親密さは感じられないように思います。それはペトロ大統領就任から2年が経過した現在も日本へ大使を派遣していない事に表れており、現在は臨時代理大使がその任を2年続けられています。誤解のないよう申し上げますと私はその事について良い・悪いと評価するつもりは全くなく客観的事実のみ申し上げます。
また、安倍首相があの時早期締結を促したEPAについてその後交渉は途中で止まっていると認識しています。無関係の私はこの件について全く事情を把握していませんので、交渉はいずれ再開するのではと楽観的に思っています。
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日本・そして世界のリーダーとして日本の国益を真に考えられていた安倍首相のコロンビア公式訪問。3日間という期間でしたが前述の通り企業使節団の皆様の受け入れ手配に関して失敗・失態は絶対許されない極度のプレッシャーで精神的に潰れそうになりましたが何とか大任を務める事が出来ました。
こちらは27年のコロンビア生活の中で自分の行いが褒められた唯一の結果が当時の駐日コロンビア大使から頂いた感謝のレターです。
あとどれだけこの国にいるか、そんなに長くはないと思いますが頂いたこのレターを見るたびに不眠不休で臨んだあの3日間を思い出します。
間近で見た安倍首相の御姿、そして史上初めてコロンビアに飛来しコックピット上に日本・コロンビア両国旗を掲げた2機の政府専用機の姿は生涯決して忘れる事はありません。

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COP16(生物多様性条約締約国会議)開催地カリ調査出張

10月20日から11月1日までコロンビア・カリ市で開催されるCOP16(生物多様性条約締約国会議)関連調査の為出張しました。この情報がCOP16に参加される方々にとり少しでもお役に立てれば光栄です。
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カリ国際空港はカリ市内から車で約40-50分の場所にあります。日中着陸する際には視界一杯にサトウキビ畑が広がります。この辺りは昔から肥沃な土地でこれらのサトウキビは昔は砂糖・スピリッツ(アグアルディエンテ)やラム酒の原料、現在はバイオエタノールの原料として脚光を浴びています。カリ空港付近にはバイオエタノールの製造工場が複数あり、刈り取ったサトウキビを満載したトラックが街道を走る姿が時折見られます。
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カリ空港は国際空港とはいえ規模はそれほど大きくはなく、国外との路線はアメリカ・中米・南米ではペルー・そしてスペインとの間にある程度、発着便の大部分は国内線です。
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国際線で到着時の両替所は一階(国際線到着時間帯のみ営業)・そして二階にあります。空港から市内へタクシーを利用する際にはチケットカウンターにて行先を告げると金額を記載したチケットを発行してくれます。カリ空港からカリ市内まではおよそ70,000コロンビアペソ(2,800円)前後です(カリ市内の行先により料金は異なります)
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COP16開催場所となるコンベンションセンターはカリ市内ではなく隣のYumbo(ユンボ)市にあり、カリ市内からは車で20-30分ほどの距離です。カリ市ではスポーツの国際試合は多々行われるものの大規模国際会議を行う場所はカリ市内にはない為、隣町にあるコンベンションセンターでの開催となります。この地での大規模国際会議は過去に前例がなく、果たしてこの規模で世界200ヵ国近くから来る20,000人近くに及ぶ代表団を収容し切れるのか、正直なところ若干疑問な点はあります。とは言え既に決定している話ですからそれは主催者側に任せる他ありません。
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Yumbo市は「製造業の町」として国内では知られている所で街道沿いには多くの工場や倉庫が建ち並んでいます。COP16が開催されるコンベンションセンター付近にはホテルやレストラン等一切ありません。その為開催期間中はカリ市内のホテルと会場との単純往復だけとなります。期間中専用車を確保していないのであればタクシー等の公共交通機関に頼る他ありませんがドライバーは英語を全くと言えるほど理解出来ないので会場との移動手段確保は重要です。ちなみに専用車の確保は当社ANDES TOURSではある方法により可能です、
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COP16が開催されるコロンビア第三の都市カリ市の市庁舎と隣接するシモン・ボリーバル公園です。期間中ここでパブリックイベントが開催される予定です(詳細未定)ここは市内の中心部に位置しています。COP16期間中は警備要員を多数配置する事が予想されますが、市庁舎とシモン・ボリーバル公園がある場所の反対側は治安面で若干の不安要素がありますので注意が必要です。
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前述のカリ市庁舎+シモン・ボリーバル公園から近い所にあるのがカリ市内有数のグルメゾーン・Granada(グラナダ)地区です。周囲はカリ・マリオットホテルを筆頭に多数のホテルが並び、レストランも高級イタリアン・シーフード・肉料理や地元バジェ料理その他多数ありスターバックスなどのカフェも多数あるお洒落な一角です。COP16期間中美味しいものが食べたくなったらこのグラナダ地区に行くと良いでしょう。
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そのグラナダ地区には日本人経営で日本食レストランでは断然No.1の「雅(MIYABI)」もあります。日中暑くなるカリで長期滞在期間中に日本食が恋しくなったら是非とも訪れてみて下さい
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メニューも寿司の他、カツ丼や麺類その他多数あり、味は日本そのものです。これなら長い現地滞在も乗り切る事が出来るでしょう(笑)尚、席数自体はそんなに多くありませんので期間中は満席になる場合もあります
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COP16が開催されるカリ市と周辺は日本からの移住者の方々が肥沃な大地を開拓し豆類や野菜などの生産を手掛け日本・コロンビア両国の友好に多大な貢献をされた重要な地です。市内には日系人会館や日系人の方々が運営している日本・アジア食材店もあります。先人に敬意を表し訪れてみて下さい。
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YASAI店内には調味料や日本・アジア系食材が所狭しと並んでいます。画像のインスタント麺や納豆(表記はハングルですが味は日本のパック納豆そのもの)、キムチなどもあります。長期滞在中キッチンがある施設に宿泊される方々はこれらを手に入れると長期滞在の疲れが少し解消されるかもしれませんね。
10月のCOP16会議会場のカリ市にてお待ちします。

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