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2023年6月

2023年6月・ボゴタ市内観光ツアー他記録

今月は日本や同じ南米大陸の国・チリなどから観光・視察・国際会議等で立て続けにお客様をお迎えしました。円安の現状では海外旅行もなかなか厳しいものがあるかもしれません。その中で日本人の方々をお迎えする機会を頂いたのは有難い事です。
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まずは首都ボゴタで開催された「国際歯科研究学会(IADR)」で来訪されたお客様向けボゴタ市内観光ツアーの様子です。金博物館やエメラルド博物館をご案内した他、旧市街地区を徒歩で散策しました。旧市街地区では外国人グループの姿が至る所で見られました。
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昼食はコロンビア料理・ポテトシチューの「アヒアコ」とトウモロコシ粉を蒸したものでほのかに甘い「エンブエルト」をご案内しました。アヒアコ自体は10年以上のガイド業務で一体何度食べたのか記憶にないほどですが、この日のアヒアコは格別の味でした。
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この日昼食を取ったレストランは1816年創業・首都ボゴタで最も歴史があり且つ人気の所でした。この店は普段コロンビア人・外国人観光客問わず行列が絶えない人気店で特に昼時ともなればかなりの列に並ぶ事は必至の為、お客様を伴うツアーの場合昼食を取るのに列を作ってまでお待ちする事は何としても避けなければならないという事情から、実は今まで一度もこの店に入った事がありませんでした。ガイドの仕事を始めてから10年以上になりますが自分自身ついに初めてこの店でアヒアコを食べる事が出来ました。
実際食べてみるとさすが行列が出来る店+首都ボゴタで最も歴史あるレストラン、今まで食べたアヒアコの中でトップ5に入る美味しさに感動しました。
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ボゴタ市内最古の市場(現在は民芸品市場に特化)ではコロンビアの手工芸品では代表格の「ワユーバッグ」をご案内・買い求められました。先住民族・ワユーの女性手編みのこの肩掛けバッグ、昨今日本でも女性に人気の品です。この店では肩掛け部分のみも単品で販売していました。かなり珍しいです。
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そして先方のたってのご希望で日本でも「カカオハンターズ」の名で販売されているコロンビア産良質カカオ豆を使用したチョコレートを販売しているスーパーマーケットにご案内、ごっそり購入されました。コロンビアのお土産と言えばコーヒー豆が代表的ですが、昨今ではカカオ・チョコレート製品をお土産としてお持ち帰りされるお客様もかなり増えてきました。
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そしてこちらは同じ南米大陸でも現在真冬の「チリ」から観光で御来訪されたお客様です。お客様は現在チリに駐在中で南米にもお勤め先の支社があるとの事で、地続きのコロンビアは僅かながら赤道より北の「北半球」に位置していますのでこれから夏を迎え旅行シーズンとなる中での御来訪でした。御宿泊ホテルは旧市街地区のまさに中心にある歴史と趣があるこちらのホテルをご案内しました。
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こちらのお客様にはボゴタ郊外にある有名な観光スポット「シパキラ岩塩坑道」をご案内しました。有名な「塩の大聖堂」の他、中画像の場所をご案内しました。この中に貯まっている水、実は真水ではなく「塩水」です。この場所は観光客が訪れる事は全くない「超穴場」です。なぜここに塩水が貯められているか、それはこの場ではお答え出来ません。私がご案内するツアーでのみ知る事が出来ます。
そして歴史あるシパキラの旧市街地を見下ろす事が出来る展望スポットもご案内しました。この場所もシパキラ岩塩坑道を訪れる観光客の99.9%は立ち寄らないという穴場です。
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この日の昼食もまたアヒアコにしました(自分にとっては2日連続)実はこの店、前述のボゴタにある最古のレストランの「支店」なのです。今年このシパキラにオープンしたもので、こちらの店のアヒアコもまた本店に劣らない素晴らしい味です。つまり自分の個人的評価トップ5のうち2つはボゴタとシパキラの店のアヒアコなのです。とにかくこの店のアヒアコは何度食べても味がブレず(今のところ)とにかく美味しく、しかも他店よりも安いので昨今ではもっぱらこの店で昼食を取るようにしています。また、右画像にある「タマル(鶏肉が中に入っている、とうもろこし粉をバナナの葉で包んで蒸したもの)」も他店と比べてもかなり大きいサイズでしかも美味しいときています。

来月7月も日本その他から複数のお客様方をお迎えします。コロナ禍から3年、ようやく元の忙しさが戻ってきた感があります。これまで失った分を取り戻すべく仕事にまい進したいと思います。

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ナトリウム規制法(減塩法)によりコロンビアからレギュラー醤油が消滅

日本人にとってまず絶対的に欠かせない伝統調味料と言えば発酵食品である「醤油(しょうゆ)」「味噌」などが挙げられるでしょう。これらの品々のうち、醤油は日本に住んでいる方々であれば欠品の心配など考えた事もなく、まして家庭でご利用する分には大量に買い溜めをされた方などほぼ皆無に近いのではないかと思います。また、世界的にも醤油はSoy Sauce(スペイン語ではSalsa Soya)として広く認知されており、大抵の国では見かける品々です(味噌はなかなか難しいですが)しかしながらコロンビアではこの醤油(正確には塩分が多いレギュラー醤油)が市場から姿を消してしまい、当地において醤油を手に入れる事が不可能となりました。
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コロナ禍最中の2020年に国民の塩分摂取量低減を目的として決議された「ナトリウム規制法」いわゆる「減塩法」が2年の猶予期間を経て2022年11月から施行され、塩分が高いレギュラー醤油やオイスターソースなどの調味料の輸入・製造・販売が禁止、それに伴いスーパーなどの店頭から消滅しました。ボゴタ在留日本人の間でも昨年中盤から徐々に「日本の醤油を見かけなくなった」と噂されていましたが、この減塩法自体国民の間で広く公示されていた訳ではなく、レストランなど醤油が必需である関係者だけが知っていました。
減塩法は二段階あり、ナトリウム含有量により今回の第一段階で販売が禁止されたのがレギュラー醤油の他、オイスターソースや風味調味料(いわゆるだしの素)などの高塩分含有調味料です。第二段階では含有量の規制が更に厳しくなり、いわゆる「減塩醤油」も規制をクリア出来る基準を超えてしまう為、2024年にはコロンビアにおいて醤油が消滅・入手不可能となります。
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まるで私が「醤油コレクター」「醤油マニア」のように思われるかもしれませんが、実情はかなり深刻です。コロンビアにおいて今やこれらのレギュラー醤油を入手する方法はありません。ごく一部の店舗の棚にひっそりと残っている・それを探し当てるしか方法がありません。私自身は現在一人暮らしですのでこれらの量で当面の生活は維持できますが、ご家族の方々などはかなりひっ迫した状況下にあります。
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こちらは減塩法施行前に慌てて調達した中国製醤油です。日本の醤油と明らかに異なるのは、これらの中国醤油は人工甘味料を添加している為、醤油本来の味に加えてかなり甘みが強くなっています。日本で言えば九州の「たまり醤油」にかなり似ています。中国醤油はそのまま食味すると甘醤油らしいかなり強い味ですが、煮物に使う分には砂糖入らずの為かなり重宝しています。この中国醤油も今年3月位までは店頭に相当数並んでいたように記憶していますが、いつの間にか完全に消えてしまいました。日本のレギュラー醤油より消滅が遅かったのはナトリウム分(塩分)が少ない為第一段階での販売規制から逃れたのではないかと思っていたのですが、あっという間に市場から消えました。これにより現在コロンビア国内で中国製の醤油を入手する事も不可能となりました。
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意外と思われるかもしれませんが、コロンビア国民は実は中南米諸国ではトップレベルの「米食国民」です。メキシコを含む中米北部諸国では米よりもトウモロコシ粉を使ったいわゆる"粉もん"系の「タコス」などが主食ですが、コロンビア国民は地域によって同じトウモロコシ粉を使った「アレパ」を主食とする地域もありますが基本的にはとにかくご飯が大好きです。地域によっては朝から米食であり、白米に目玉焼きを乗せて食べるコロンビア人もいて、日本の卵かけご飯を食べるような感覚です。
その中でも特にコメの需要が多いのが実はコスタ(海岸)地域で、ここでは「ココナッツライス」が好まれています。海岸地域で米の需要が多いのは暑く湿気が多い土地柄、小麦粉やトウモロコシ粉は日持ちがしない為乾燥保存が容易な米が好まれているのではと思います。

ここで特筆すべき事は、コロンビア人はご飯を炊く際にはまず生米に塩と刻みネギなどを加えて油で軽く炒めた後、水を加えて炊き上げる点です。これにより同じ白米でも日本のご飯とは異なり塩気を感じる味になります。その他にもご飯に合わせたおかず類の大半は塩・若しくはブイヨンを多用する為、かなり塩気が強いのが特徴です。その為高血圧などの成人病が問題視され、それを改善させるための減塩法施行ですが、まず真っ先に市場から撤退させられたのがコロンビア人にとっては必ずしも生活必需品ではなく施行による混乱が少ない醤油・ソース類・風味調味料等です。私はコロンビアに住んでいますが外国人ですので政府の政策に対して反対と意思表明をする事は出来ません。ただ法律に従うのみです。

これはある方から聞いた興味深い話です。日本人は食後に甘いもの・デザート類を食べる習慣がなく、対してコロンビア人は食後に男女問わず飴を舐めたり大量のアイスクリームやケーキを食べたりするなどの習慣がありますが、この違いは「調理法の違い」です。
日本の普段の料理は醤油・味噌などの塩分が強めの発酵食品を「少量」使用する事で塩そのものの使用量は実は意外と少なくしているのです。この他にも実は意外にも「砂糖」を使います。例えば「煮物」に砂糖を使用しますし、豆類なども甘く煮付けたりだし巻き玉子のように砂糖を加えるものや日本伝統の「蕎麦」のつゆ、あんかけの甘酢など砂糖を使用する品目が多く、それを知った外国人は「日本人はこんなに砂糖を使うのか」と驚くそうです。料理に既に砂糖が加えられるので日本人はそれ以上甘いものを欲しないという理屈です。

対してコロンビア料理もそうですが諸外国の料理で砂糖を使うものは実はあまり多くありません。大抵は塩・ブイヨンなどを多用します。豆は「塩茹で」が当たり前のコロンビア人にとって甘く煮た豆・例えば「あんこ」など「もっての外」吐き出す人もいる程です。とにかくあらゆる品に塩を直接投入する為塩分が強い味になる、なので食後に体内を中和させる為あれだけ甘いものを欲してしまうのだという事です。

長くなりましたが、結論としましてこれからコロンビアに駐在等長期赴任される方々、コロンビアでは法律によりレギュラー醤油・だしの素などを入手する事は不可能ですので覚悟してご着任下さい。今後についてはまだ分かりませんが現在流通している「味噌」もいずれコロンビアから消える運命にあるかもしれません。

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