« 2022年7月 | トップページ | 2022年9月 »

2022年8月

長引くインフレ、購買層の二極化が進むコロンビア

当地コロンビアも例外なく物価高の波に襲われています。8月の時点での年間インフレ率は年率換算で約8%程となっていて、ここ数年と比較すると2倍以上の数値です。実感としては食料品・日用品等は日々とは言いませんが買物をする度に微妙に値上がりが続いていて、特に輸入品の値上がり率が半端ではありません。品目によっては価格が日本で買う以上のものもあります。
当地通貨コロンビアペソも過去最安値を記録しており、このような状況下で消費・購買動向の二極化がはっきりしてきています。富裕層・高額所得者・国外に資産を持つ人達などはインフレに影響されない生活が持続出来ていますが、国外に資産を持たない中産~下層階級は高いインフレ率により日々の生活が厳しさを増す一方です。そんな中、購買層がはっきりしている「スーパーマーケット」を例に、国内展開している5つのチェーン形式スーパーをご紹介します。
Img_7503 Img_9204
(Tiendas D1 / ターゲット購買層・下~中)
コロナ禍以降急速に店舗数拡大を続け2022年に国内全土で2,000店出店を達成したディスカウントストアです。陳列・販売している食品・日用品等全商品の90%以上が他のスーパーでは販売していない独自ブランド・事実上のプライベートブランド(以降PBと表示)という驚異的な品揃えです。PB商品ばかりを販売している事で同じような品物でも国内に流通させているメーカー品と比較して数十パーセントから半額近い安さが特筆されます。それが故、特に低所得~中産階級の購買層には圧倒的支持を得ています。
私自身、最初は見た事もないPB品ばかりで「安かろう悪かろう」という先入観があったのですが、実際買ってみるとパスタはイタリア産の低グレード品と変わらず国内製造のパスタよりははるかに味が良く、ハム・パン・ケチャップその他多くの食品なども有名メーカーの品と比較してそん色ないか、品目によってはPB品にも関わらず質が良いものもあります。その為、私の昨今の買物の殆どはこのD1で行っています。
Img_9208 Img_9207
(Tiendas ara / ターゲット購買層・下~中)
店舗数は前述のD1ほど多くありませんが、やはりコロンビア国内全土に店舗を展開させているディスカウントストアです。販売商品は約80%程度がやはり他のスーパーでは見かけないPB品(D1にも卸していません)で、若干ながら国内メーカーの品々も販売しています。品揃え的にはD1とほぼ似たような感じで、店内でローストチキンやパンなどを調理・販売している点がD1とは異なります。PB品自体の質もD1で販売しているものと比較してそん色ありません。ケチャップやマヨネーズなどはD1を強く意識しているものと思われ、低価格で購入出来るのが有難いです。
Img_9211 Img_9216
(exito / ターゲット購買層・中~上)
コロンビア第二の都市メデジンの本社を置く二大大手スーパーのうちの一つです。EXITOは首都ボゴタの他各地で売場面積が広い大型店舗を展開し、その他住宅街などには小規模店舗形式のexito expressを展開しています。exitoは「econo」という名で自社PB品も製造販売しています。
前述のディスカウントストアが台頭するまでこのexitoは大型スーパーの中では販売品が若干割安の為多くの消費者を取り込んでいました。現在の常連購買層はおそらく中産階級から高所得者層に絞られてきている筈です。私自身がこのexitoで買物をするのは他のスーパーで取り扱っていない品目・若しくは欠品で手に入らないものを購入する場合に限定しています。
Img_9212 Img_9214
(Carulla / ターゲット購買層・中~上)
exitoと並ぶ国内二大大手スーパーです。売場面積が中規模のCarullaと住宅街などで小規模店舗形式で展開しているCarulla Expressで構成されています。このCarullaの店舗は中産~上流階級の人達が居住している地区にのみ限定されていて、いわゆる中の下以下の所得層が住む地区には全くありません。それだけ購買層を絞っています。事実、Carullaは数十年前に高級スーパーPomonaを買収してから高級路線に転換しており、店内もお洒落な感じがします。その為特に富裕層の間では「自分はCarullaでしか買物はしない」と断言する人もいる程です。
Carullaも自社PB品を製造販売しています。その他は全てどのスーパーでも見かける品目を取り扱っており、同じ品目でも他のスーパーと比較して割高です。それでも購買する人がいるのはやはり富裕層などの特別な層をターゲットにしている為でしょう。
Img_9206 Img_9205
(OLIMPICA / ターゲット購買層・中~中の上)
こちらのOLIMPICAもコロンビア国内全土に店舗を展開している老舗大手スーパーです。各店舗に共通するのは前述のexitoやCarullaと比較すると店内の雰囲気に高級感が欠け、コロナ禍以前は「庶民向け大手スーパー」の位置付けでした。事実、国内メーカー品の価格を比較すると、前述の二大スーパーと比較して同じ物なのにOLIMPICAの方が安いケースが多々あり、逆に言えば二大スーパーがどれだけ利ザヤを取っているかが分かってしまいます。このOLIMPICAも自社名を冠したPB品を販売しています。私は食用油などでこのOLIMPICAのPB品を時々購入する事があります。

|

ボゴタ空港ターミナル、2年5ヶ月ぶりに開放

日本から御来訪・先日トータル13日の滞在を終えたお客様方をボゴタ空港へお届けしたのですが、この日は私にとって感慨深い日となりました。やっとという思いでした。
Img_9197 Img_9196
2020年3月20日、コロナウイルス蔓延の兆候が始まった事によりコロンビア国内全土がロックダウンに入り、事実上の鎖国政策が始まりました。これによりボゴタ空港は閉鎖、空路便が再開した後も空港ターミナル内は出発及び到着旅客以外立ち入る事が出来ず、見送りや出迎えの人々は締め出されていました。これがついに8月10日をもって解除・誰もが空港ターミナル内を自由に行き交う事が出来るようになりました。実に2年5か月ぶりの開放です。

この間、お客様を空港にお届けした際に入口で何度となく止められ、その度に「この方はスペイン語も英語も分からないから」と苦しい言い訳をして何とか入った事が一度や二度ではありませんでした。また、出迎えの際には特に早朝・夜間の寒い時間帯でもターミナル内に入れず、外には売店やトイレがない為、数百メートル先のガソリンスタンドで用を足した事が数多くありました。そんな苦労もこれで終わりです。
画像のターミナル内出発カウンターエリアには多くの人々の姿がありました。久しぶりに活気が戻りました。
Img_9198 Img_9199 Img_9200
左画像のカフェや中画像の出国審査場手前には見送りの人達の姿があり、空港本来の光景が復活しました。とても感慨深いです。空港ターミナルは旅客として利用するだけではなく、その人々に関わる多くの方々が立ち入るで店舗や公共交通機関等も含め様々な需要があります。これらが長らく閉ざされていましたが、やっと元の姿に戻りました。
Img_7716 Img_7717 Img_7720
こちらは過去の記録として残しておいたものです。2020年9月6日、ロックダウン開始から約半年後のボゴタ空港ターミナルの光景です。この9月から半年ぶりに空路便が再開した事で久しぶりに空港を訪れた際のものです。人の姿はまばらで客待ちのタクシーが虚しく列をなしていました。今では懐かしい・しかし旅行業に携わる身として苦しい時でした。お客様が来ない・航空券販売は日本への帰国便に限定され、出張航空券手配など当然皆無でした。今年4月以降は法人・個人のお客様の出張・御旅行手配等がかなり増えてきており、約2年の損失を少しずつ回復しつつあります。それに加えて2年5か月ぶりのボゴタ空港ターミナル開放、嬉しいニュースです。

|

カルタヘナ出張

前回の投稿以来大分開いてしまいました。7月は移動車両手配その他色々重なり忙しい日々を送っていました。既に過去の事になりましたがこの間に先日カルタヘナへ出張しました。日本から来訪されたカルタヘナ港視察団の御一行と共に過ごした日々の記録を投稿します。
Img_9101 Img_9100 Img_9102
こちらがカルタヘナ港です。今回宿泊したホテルはカルタヘナ港の目の前にあり、このような光景が目の前に広がりました。お客様曰く世界中の港湾はセキュリティの関係でなかなか外から見られないので、ここまで丸見えになる場所は珍しいとの事です。
カルタヘナと言えば「国際観光都市」この地を訪れる人の99%は観光目的の筈で、港湾視察目的で訪れるケースはかなり稀かと思います。私自身、カルタヘナ港に立ち入ったのは先年の日本の豪華客船「飛鳥II」寄港に合わせたツアーの手配総責任者として入ったのみです。
Img_9110 Img_9112 Img_9113
巨大なコンテナがまさに山積みの中をすり抜けて貨物船が停泊している岸壁に発つ、これは勿論受け入れ側がアレンジして通行許可を得ていなければ不可能な事です。ある意味貴重な体験をしました。画像に見えるコンテナは40フィートサイズです。飛鳥II寄港時には勿論この貨物エリアは立ち入り禁止でしたので、これでカルタヘナ港を端から端まで見る事が出来ました。
Img_9147 Img_9120 Img_9121
カルタヘナ港は客・貨両方の船が接岸できる港です。今回の視察団は貨物港としてのカルタヘナ港視察でしたが、受け入れ側の配慮により客船側のターミナルも見学しました。カルタヘナ港客船ターミナル内には何と「自然動物園」があります。世界的にも珍しいのではないでしょうか。
Img_9134 Img_9126 Img_9123
園内には獣医が常勤し、アマゾン地帯から連れてきたインコやオウムその他数多くの鳥類、こちらもアマゾンエリアから連れてきたリスザルその他のサルなどの姿を見る事が出来ました。
Img_9124 Img_9142 Img_9135
我々はカルタヘナ港を視察目的で公式に訪問したメンバーの為、自然動物園側でも軽食や冷たい飲み物を用意して歓待してくれました。カリブ海沿いに生息するフラミンゴ達の姿も久しぶりに見ました。この自然動物園はクルーズ船がコロンビアに寄港した際、乗客の皆さんは訪れる事が出来ます。逆に一般の人々はこのエリアに立ち入れませんので、カルタヘナに自然動物園がある事を知っている人は殆どいないと思います。尚、鳥類たちはいわゆる「放し飼い」で日中は市内の方まで飛んで行ったりするらしいのですが、餌が容易に手に入る事から夜になると結局この場に戻ってくるそうです。
Img_9175 Img_9172 Img_9173
カルタヘナ港視察は海上からも行いました。こちらも通常の方法では体験出来ない、貴重な一時でした。我々が視察したエリアは主にアメリカから輸入した精製済みのガソリンを積んだ船が接岸、石油製品として加工する工場エリアが多かったです。
トータル4日間の滞在となったカルタヘナ、新たな一面を見る事が出来ました。

|

« 2022年7月 | トップページ | 2022年9月 »