左傾化するコロンビア、秩序なき抗議
前回の投稿で現在も収拾の目途が立っていないコロンビア国内でのデモ活動等に対する私の個人的見解を述べました。一時のような大規模争乱はなくなったものの、現在も大小さまざまなデモや一部地域での道路封鎖などが続いていて事態終息の気配は全く見られません。
このような抗議活動が続いている結果、先日コロンビア国債の格付け格下げ(投資不適格扱い)・そして6月に開催予定のサッカー・南米選手権(Copa America)におけるコロンビアでの準決勝・三位決定戦・決勝開催が剥奪されました。
ちょうど20年前の2001年コロンビア大会の際には反政府ゲリラの影響で複数国が懸念を表明し出場を辞退・あろう事か大会期間中にコロンビアサッカー協会会長がゲリラに誘拐される事態が発生しました。この時には国民の怒りが爆発し、ゲリラ側もさすがにまずいと思ったのがすぐに解放し、大会は開催国コロンビアの優勝で幕を閉じました。しかし今回は度重なるデモや暴力・破壊行為を繰り返した事で南米サッカー協会がコロンビアにおける開催権を剥奪と決定しました。
コロンビア国内の混乱は前回コメントした通り当初は増税反対が大義でした。しかし今やデモに参加する人々は何に対する反対なのか、何を求めているのか、どうすればコロンビアという国が発展出来るのか、まるでバラバラです。ある人は「マリファナを合法化しろ」と自ら大量のマリファナをくわえながらデモ行進に参加していたり、格差是正・地位向上などそれぞれが好き勝手に主張する場になっていて、もはやうっぷん晴らしの場と化しています。
前述のサッカー・南米選手権関連では個人的に今年大一番の仕事を受ける予定でしたが、開催国剥奪により全てが吹っ飛びました。悲しいを超えて怒りが収まりません。これは私の個人的意見ですが、コロンビア国民にとってサッカーは「三度の飯よりも好き」な人もいようかと思います。前回20年前と同様、大きなイベントを通じて国民が一つになり、コパアメリカによりホテルや輸送その他様々な関係者が潤う又とない機会だった筈です。それを反政府デモや道路封鎖などを続けている人達はぶち壊してしまいました。
今や誰もが感じている筈ですが、コロンビアはここへ来て「左傾化」が進んでいます。昔の脅威は長年反政府ゲリラに対するものでしたが、現在の脅威は極左思考に賛同する国民が着実に増えてきている事です。来年行われる大統領選によりそれがはっきりしますが、現時点では極左系の候補が優位とされています。未だに解決の目途が立たない反政府・抗議活動と相まって今後が憂慮されます。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 経済低迷真っ只中のコロンビア(2024.06.02)
- 一時帰国で感じた日本とコロンビアの差・違い(2024.04.28)
- ボゴタ日本人学校きさらぎ祭3年ぶりに開催(2023.02.06)
- 2022年を振り返って (2022.12.31)
- 2022年三が日日記(2022.01.05)
最近のコメント