医療崩壊が近い首都ボゴタ
外出禁止・自粛令が発令されてからもう四ヶ月経とうとしています。7月に入り、自分なりに生活のサイクルを少しだけ変える事にしました。
早朝に起きて徒歩で自宅から数百メートルにある大きな公園に向かい、小一時間ほどまったりと過ごす毎日です。標高2,600mの高地に位置する首都ボゴタですから明け方はとても冷えるのですが、公園にたどり着くと右画像で撮影したハチドリの甲高い鳴き声その他、多くの鳥達のさえずりを聞く事が出来ます。
私は花の名前には詳しくないのでご案内出来ませんが、公園と周辺では様々な美しい花々を見る事も出来ます。自宅にいる時間が長い生活を早四ヶ月も続けていますから、心機一転というかやはり生活に少しでも変化が欲しい所です。
公園でまったりした後は、近くにあるパン屋で焼き立てパンを買う、これも最近の日課・そして楽しみです。一個300コロンビアペソ(約9円)と激安のこのパン、朝7時の開店に合わせて焼き上がり、直後に訪れる私は焼き立て・熱々の出来立てパンをゲット出来ます。これにコーヒー・家にあるヨーグルトメーカーで作る自家製ヨーグルトとカットバナナ、これが朝食の定番です。
7月に入ってからも相変わらず国境は閉ざされたままですが、今月も複数のコロンビア在留日本人の方々が帰国しました。先日はメキシコまでの特別便が運航し、一便としてはこれまでで最も多いお客様方が御利用・無事帰国されました。その中には日本在住のコロンビア人と日本から来訪中だった日本人のカップルもいて、今回初めてコロンビア人の日本帰国(正確には再入国)手配を承り、この方も無事日本にたどり着きました。
ここまでに至るにはかなりの難題を背負いました。コロンビア人男性の実家は首都ボゴタではなく地方の村にあり、実家に里帰り中の所で足止め状態となる事四ヶ月近くにも及び、彼はアメリカ査証を持っていない事からメキシコ経由しか日本行きの手段はなかったのですが、実家から首都ボゴタへの陸路移動手段が困難で、一時は日本人女性の方から特別便御利用を断念される旨の御連絡を頂きました。しかしこの機会を逃すと後はいつになるか分からない事から若干叱責に近いメッセージを送った所お二人は奮起され、まるでドラマのような結末でしたが結果として特別便に乗る事が出来ました。一時は私も諦めかけていましたが、無事日本に着いた旨の御連絡を頂いた時はとても嬉しかったです。
首都ボゴタはここへ来てコロナウイルスが益々猛威を振るっていて、この記事を投稿した日の国内全土での一日の新規感染者は8,934人と、9,000人間近・そして10,000人に迫る勢いです。四カ月近く外出を制限しているこの状態でも感染を抑える事は全く不可能で、今や南米大陸各国の中では一日の感染者数はブラジルに次ぐ酷さです。私自身、一日9,000人近くが新規感染というニュースには絶句しました。
それ以上に私が恐れているのが首都ボゴタにおけるICU(集中治療室)の稼働状況です。連日テレビのニュース番組でも危機感をもって報じており、今やICU稼働率は90%前後で推移していて、92%近い日もあります。これは事実上満杯に近く・すなわち「医療崩壊」が確実に近づいています。ICUが満杯になった場合、当然の事ながらコロナウイルスに感染し重篤化したら助かる見込みはほぼありません。私はこの国においては外国人ですが当地コロンビアでのいわゆる健康保険制度に加入しており、労働者は加入義務がある"EPS"の他、割増料金を月額で支払う事により更に厚い対応が受けられる"Medicina Prepagada"にも加入しています。その為、加入している会社からはコロナウイルス対応の案内メールが頻繁に届きます。しかしながらEPSすら加入していない外国人はいわゆる「無保険」状態ですので、万が一感染・果てに重篤化した場合は極めてリスクが高い立場です。
そんな私でさえも、ICUが満杯になった場合を考えると最近では恐怖すら感じている日々です。さすがに90%以上のICUが塞がっている現状はもはや看過できません。日々不安を抱えているのは精神的にも厳しいです。一日が無事終わるとホッとする毎日です。
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