外出禁止令発令中のコロンビア・日々悪化する経済状況の中必死に生きる人々
コロンビア政府による外出禁止令から二カ月が経ちました。日本はついに緊急事態宣言を解除するようで、自粛レベルでこれだけ効果を上げるとは全く想像できませんでした。逆に自粛レベルで感染拡大は防げないと思っていましたので驚愕しています。日本という国はとてもすごいと思います。他方、自粛よりも更に厳しく罰則を伴う外出禁止令を二カ月も続けているコロンビアですが、一向に効果を挙げられていないどころか、ここ数日は逆に発表感染者数が激増し、それまでの三倍となる一日1,000人超となってしまいました。長らく国境を封鎖し、違反者には罰金まで課して厳しく行っていたこの二カ月は何だったのだろうと愕然としています。
この間経済活動をほぼ完全に停止させた事でコロンビア国内の経済状態は極度に悪化しています。営業禁止により家賃を払えず廃業する店舗が続出し、貸し出し中の貼り紙が激増しています。レストランも席を設置して営業する事が出来ずデリバリーのみで辛うじて店を維持している所が大半ですが、それが出来ない店舗は必然的に廃業に追い込まれています。はっきりと感じるのですが、大都会ボゴタの街が徐々に荒んできているのが明らかに分かります。それに伴い治安も悪化してきています。
私が住むアパートの前の路上で画像の楽団(マリアッチ)が演奏をしていました。いわゆる大道芸です。10年以上ここに住んでいてこのような事は初めてでした。彼らは本来誕生日パーティーやイベントなどに呼ばれて出張演奏をするプロ集団です。しかしながら昨今のコロナウイルス禍で住人以外の訪問者立ち入りを禁止にしているアパートが多く、50人以上が集うイベントも当面9月まで禁止となっている為仕事が全くない状態と思われます。それが故に彼らも生きる為に必死でこの突然の路上演奏に臨んだものと思います。
結局4時間もの間、道路の周囲に建つ各アパート前で演奏を披露し続けました。プロの演奏ですから各アパートの住人達も拍手喝采で、アパートの各階からチップを投げ落としていました。私も勿論手渡しで幾らかのチップを渡しました。彼らにしても生きる為に必死になっている・その姿に接して思わず目頭が熱くなりました。それ程にコロンビア・そして首都ボゴタの経済状況は日々悪化を続けています。
私個人の話になりますが、私自身も正直生きる為に必死です。8月31日まで陸海空路による入出国が禁止される状況下において、国外からのお客様の受け入れ、当地在住のお客様の御旅行・御出張の手配などの業務が当面出来ない状況下にあります。その中では不幸中の幸いと言えますが、私は日本からの個人・団体観光ツアーの受け入れに特化した業務をしている訳ではなく、IATA(国際航空運送協会)加盟社として航空券販売もしている為、入出国禁止状態の中で特別機による出国航空券・その先の日本行き航空券などの御依頼を頂いていますので、仕事が完全に途絶えたという状況下ではありません。しかしながらそれでも厳しい日々が続いている事は事実です。加えてコロンビア国内経済がはっきりと悪化している事実に日々接しています。夜明けはまだ遠い気がします。
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