安倍首相、コロンビアを公式訪問
前回の投稿から大分間が開き、ご心配された読者の方もいらっしゃいました。実はこの間、ものすごいプレッシャーに押し潰されそうでした 終わってみればこれも思い出の一つです。
7月28日から30日まで、中南米を歴訪された安倍首相が現職首相としては史上初めてコロンビアを公式訪問されました。今回の安倍首相のコロンビア公式訪問最大の目的は、現在交渉が進められているEPA(経済連携協定)の妥結加速へ向けてのサントス大統領との直接交渉の他、特に経済面でのコロンビアとの関係強化が目的でした。
いざ安倍首相が当地へ到着されると大手新聞各紙が一面で報じるなど、やはり経済大国である日本のトップのコロンビア訪問はインパクトがありました。
左は政府専用機二機がボゴタ空港に駐機している姿を一面で報じた経済新聞紙です。B747ジャンボ、それも二機連ねて「ドーン」とやって来た日本のトップの印象は強かったようです。今から二年前には韓国大統領も同じジャンボ機一機でコロンビアを公式訪問しましたが、今回の安倍首相の訪問は当地での報道のされ方を含め、やはり格が違いました。
中画像はサントス・コロンビア大統領とのツーショットです。ひいき目かもしれませんが、大国のトップである安倍首相に余裕が見られます。
そして右画像はコロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)本部での一コマです。当地最大手新聞紙の一面トップを飾りました。隣はコロンビアコーヒーの公式キャラクターである、コーヒー生産農家代表の「ファン・バルデス」氏と、メスのラバ「コンチータ」です。
今回の公式訪問中、至近距離で安倍首相及び夫人に接する機会が何度となくありました。私自身が安倍首相ご夫妻に接したのは、2008年に日本・コロンビア外交樹立100周年を記念して特使として来訪されて以来でした。つまり安倍氏がコロンビアを訪問されたのは今回が実は「二度目」です。
首相として再訪された今回感じたのは、前回とは異なり何というか強い「オーラ」がありました。特に総理のお顔が前回と比較して精悍さが見られました。実際目の前で見ると、安倍首相は意外にも背の高い方で、一国のリーダーらしい感じを受けました。
総理夫人も今回は滞在中にコロンビアが世界に誇るバラやカーネーションなどの「切花」を集荷・加工する工場などを訪問され、こちらも大手新聞紙各社が報じていました。やはり大国の首脳ご夫妻ともなると、報道のされ方も明らかに異なりました。
私は今回の安倍首相訪問に際して、経済界を代表する方々のホテルや移動車両、そしてガイドの手配を承りました。日本語ガイドは今回臨時雇用で総勢9名体制、バスは大中合わせて5台に加えてバンやセダンも6台用意し、これを私一人で配車・配員管理していました。それだけだと大した話には思えませんが、二機の政府専用機がボゴタ空港へ到着してから最終日に飛び立つまで、今までの人生で一番すごいプレッシャーを感じていました。
総理一行のスケジュールはガチガチに決まっており、この間のミスで訪問日程に影響が出れば「死んでも死にきれない」それは大げさでも何でもなく、決してミスは許されない中での三日間はまさに「不眠不休」でした。もしも移動車両がエンストしたら、荷物配送用のトラックがエンストしたら・・・そんな余計な心配までしてしまい、本当に眠れませんでした。
今回、空港とホテルの往復、そしてホテルから大統領府への移動で共に働いたバス達です。これらのバスは、サッカー・ワールドカップで日本が散々打ちのめされた「コロンビア代表チーム」御用達です。コロンビア代表チームが空港やスタジアムとの間を移動する際にも警察の護衛付きで赤信号は全て突破しますが、今回の使節団も同様でした。特に空港とホテルとの間は大型バス三台を連ねましたが、よくやってくれました。
それにしても、一国のトップが訪問する、この事で実に多くの方々が表裏の様々な場面に関与する事を身をもって実感しました。その数たるや半端ではありませんでした。数百人という単位です。今回、私もその一人として首相の歴史的なコロンビア訪問に立ち会えた事、そして無事自身の職務・手配を遂行出来、光栄というよりも心底ホッとしました。
今回、私は幸運にも政府専用機の到着及び出発に際し、間近に接する事になりました。その場面はさすがにこの場で公表する事は控えます。その代わりにご褒美として頂いた政府専用機のパンフレットを掲載します。航空ファン・且つ身内にパイロットを持つ私にとり、二機の政府専用機を日本から遠く離れた当地コロンビアにて間近で見る事が出来、とても幸運でした。
二機のジャンボ機が離陸する際、居合わせた多数の方々と共に手を振って見送る機会もありました。一時はあまりのプレッシャーに押し潰されそうになった私への、ちょっとしたご褒美だったと思います。その場に居合わせた我々を含め多くの方々が、最後に「お疲れ様でした」とお互いを労いあいましたが、その言葉にとても重みがあった事は言うまでもありません。
今回の安倍首相のコロンビア公式訪問を機に、経済関係・そして私の関連では観光などでより多くの日本人の方々がコロンビアを訪れる事を期待しています。
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