外国語を駆使した仕事
先日、ボゴタ日本人学校にて今年度最初の授業参観があり、私も妻と共に保護者として出席しました。各ご家庭の親御さんの教育方針について私が口出しをするつもりは毛頭なく、これはあくまでも私個人の意見ですが、我が家は子供が小さいうちは「日本人としての基礎教育」を重点に置いており、その為二人の子供達を当地コロンビアの学校(現地校やインターナショナルスクール等)ではなく、あえて日本人学校に通わせています。
二人の子供達は入学当初、日本人でありながら日本語が殆ど話せませんでした。それが今や日本語を普通に話し、日本の教育方針に沿った授業を受けており、日本にとって異国にいながら、日本人としての基礎教育をしっかり学ばせて頂いている事の有難さを、授業参観を通じて改めて感じました。
授業参観終了後は、一連の日程の後に保護者一同による懇談会を行い、運営委員の皆様による手作りのお菓子と共に一時を過ごしました。
実は私自身は過去に語学留学をした事がなく、スペイン語は日本において学びました。それを元に南米・それもコロンビアに渡ったのは無謀だったと、今思い出すとよくそんな勇気があったものだとゾッとします そんな私が今年初めに偶然発見したのが下記の一冊の公文書です。
祖父・富永が編纂に関与したこちらの公文書は、おそらくブラジルの民法に関する和訳公文書としては最初・且つ最古のものかもしれません。1931年という発行年はちょうど祖父が外務省から移民領事業務の為に拓務省拓務局へ出向し、ブラジル・サンパウロ総領事館に勤務していた頃でした。
しかし祖父は私が知る限り入省前に海外へ語学留学したという話は聞いた事がありません。出身が長崎県という事もあった為、ポルトガル語に早くから通じていた程度です。それでもこのような公文書に和訳していたのを孫の私が今年になって発見し、とても驚きました。
そして孫の代になり、私は同じ南米のコロンビアでスペイン語を使って仕事をし、日銭を稼いで家族を養っています。
更には私の従兄弟は農林水産省内で10人で編成されている国際交渉官の一人として、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や各国とのEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)等における農林水産分野での「日本の国益」に関わる重要な交渉の最前線に立っています。交渉は英語やフランス語などによるものと思われます。
しかしその従兄弟も私が知る限り入省前に語学留学をした話を聞いた事がありません。かつてOECD日本政府代表部その他海外勤務の経験はありますが、本格的に語学を習得したのは入省後の筈です。
祖父・従兄弟・そして私(は殆ど例外)に共通しているのは、日本人としての様々な教育をまずは受けた事。語学を学び・仕事に使い始めたのはそれからという事です。二人の子供達にもまずは日本人としての教育を受けてもらい、立派な日本人になってもらいたいと思っています。
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