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2014年4月

外国語を駆使した仕事

先日、ボゴタ日本人学校にて今年度最初の授業参観があり、私も妻と共に保護者として出席しました。各ご家庭の親御さんの教育方針について私が口出しをするつもりは毛頭なく、これはあくまでも私個人の意見ですが、我が家は子供が小さいうちは「日本人としての基礎教育」を重点に置いており、その為二人の子供達を当地コロンビアの学校(現地校やインターナショナルスクール等)ではなく、あえて日本人学校に通わせています。

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二人の子供達は入学当初、日本人でありながら日本語が殆ど話せませんでした。それが今や日本語を普通に話し、日本の教育方針に沿った授業を受けており、日本にとって異国にいながら、日本人としての基礎教育をしっかり学ばせて頂いている事の有難さを、授業参観を通じて改めて感じました。

授業参観終了後は、一連の日程の後に保護者一同による懇談会を行い、運営委員の皆様による手作りのお菓子と共に一時を過ごしました。

実は私自身は過去に語学留学をした事がなく、スペイン語は日本において学びました。それを元に南米・それもコロンビアに渡ったのは無謀だったと、今思い出すとよくそんな勇気があったものだとゾッとします そんな私が今年初めに偶然発見したのが下記の一冊の公文書です。

ブラジル共和国民法「法人ニ関スル部」(拓務省拓務局)

祖父・富永が編纂に関与したこちらの公文書は、おそらくブラジルの民法に関する和訳公文書としては最初・且つ最古のものかもしれません。1931年という発行年はちょうど祖父が外務省から移民領事業務の為に拓務省拓務局へ出向し、ブラジル・サンパウロ総領事館に勤務していた頃でした。

しかし祖父は私が知る限り入省前に海外へ語学留学したという話は聞いた事がありません。出身が長崎県という事もあった為、ポルトガル語に早くから通じていた程度です。それでもこのような公文書に和訳していたのを孫の私が今年になって発見し、とても驚きました。

そして孫の代になり、私は同じ南米のコロンビアでスペイン語を使って仕事をし、日銭を稼いで家族を養っています。

更には私の従兄弟は農林水産省内で10人で編成されている国際交渉官の一人として、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や各国とのEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)等における農林水産分野での「日本の国益」に関わる重要な交渉の最前線に立っています。交渉は英語やフランス語などによるものと思われます。

しかしその従兄弟も私が知る限り入省前に語学留学をした話を聞いた事がありません。かつてOECD日本政府代表部その他海外勤務の経験はありますが、本格的に語学を習得したのは入省後の筈です。

祖父・従兄弟・そして私(は殆ど例外)に共通しているのは、日本人としての様々な教育をまずは受けた事。語学を学び・仕事に使い始めたのはそれからという事です。二人の子供達にもまずは日本人としての教育を受けてもらい、立派な日本人になってもらいたいと思っています。

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2014年聖金曜日の首都ボゴタ

4月に入ってから怒涛の勢いで予約手配依頼が殺到しました。コロンビア国内は4月17日から20日までイースター(聖週間)で四連休です。連休前日まで駆け込み予約等が相次ぎ、ヘロヘロに近い状態でした(汗)しかしそれも四連休中は一旦停止、のんびりと過ごしています。

という事で、連休に入り二日続けて家族を伴い、首都ボゴタ市内及び郊外を散策しました。今回の投稿は聖金曜日の首都ボゴタ旧市街の光景です。

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旧市街地区を散策した前日、コロンビアが生んだ世界的文豪であり1982年に「百年の孤独」でノーベル文学賞を受賞したガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)氏が逝去しました。左画像をクリック・拡大すると、国会議事堂に掲げられた国旗が「半旗」になっています。国を挙げて偉大だった文豪の死を追悼していました。

中画像は彼の死を一面で報じた全国紙を掲げる路上販売員、そして右画像は市内にある図書館の壁に描かれたガルシア・マルケス氏の功績に見入る人々です。皆、呆然と立ち尽くしていました。

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こちらは大聖堂(カテドラル)です。聖金曜日のこの日は旧市街にある大小ほぼ全ての教会が開放され、多くのカトリック教徒が訪れ大混雑していました。この大聖堂も正面扉が開いた途端、人々がまさになだれ込んですごい事になりました。

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こちらは「Tranvia」と呼ばれる旧市街地区を巡る定期観光バスです。1910年から1951年まで路面電車として旧市街地区を走っていた車両を復刻させたようなミニバスです。旧市街地区の小道を走行するのに適しています。運行は水曜から日曜日、そして祝日との事です(2014年4月現在・有料)詳しい情報は下記サイトを御参照下さい。

Tranvia公式サイト(スペイン語表記のみ)

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毎年の事ですが、イースターの中でも聖金曜日のこの日は市内・特に旧市街地区の教会を訪れる人々の数が尋常ではなく、その為あらゆる小道が人・人・人で溢れ返ります。今年も例外なくすごい人出でした。それはまるで日本の「三が日の初詣で」のような光景でした。

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この道も普段はこんなに人が歩いていないのですが、聖金曜日のこの日は大混雑。場所によっては人混みをかき分けるような感じでした。一方、右画像の大統領府への道はこの日封鎖されていました。

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移動式屋台もこの日は普段より繁盛したのではないかと思います。左画像の屋台ですが、「La Forcha」なる飲み物を売っていました。私はコロンビアに住んで15年以上になりますが、このような飲み物を見たのは初めてです。どうやらコロンビア国内西部ではよく飲まれているようで、一度試してみようかと思いましたが・・・止めました。

中画像は木製の「ヨーヨー」「コマ」そして「けん玉」などが並んでいました。これらは日本では既に殆ど姿を見なくなったもので、コロンビアでの発見に驚きました。そして右画像はコーヒー生産大国・コロンビアらしい移動式カフェです。

という四連休中日の首都ボゴタ旧市街地区の光景でした。

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首都ボゴタからのSL観光列車ツアー

最近投稿頻度が下がっています。自己流で書いているこのブログを熱心にご覧になられている方など少ないでしょうが、たまに当地在住の日本人の方々から「ブログ見ていますよ」と告げられると、投稿を止める訳にもいかないかなと思っています。私の投稿は仕事柄観光・旅行に関するものが多く、今回もまた旅行関連です。

先日、ベネズエラからご来訪されたご夫妻を首都ボゴタから日曜・祝日のみ催行しているSL観光列車ツアーにご案内しました。SL列車ツアーはご夫妻のご希望でした。

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1992年から観光用として運行しているこのSL列車は既に20年以上も営業を続けていますが、未だに衰えぬ人気を誇っています。乗車チケットは全て事前購入制で全席指定です。SLが14両の客車と最大約580人の乗客を乗せて北へ50kmほどの「シパキラ」まで往復します。我々はこの日、市内北部にある「ウサケン」駅から乗車しました。

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こちらがSL機関車の雄姿です。後ろの青い建物はカナダ系油田探査会社の自社ビルです。古いものと新しいものとのアンバランスが絶妙です。

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左画像は乗車中のご夫妻、中画像は各車両を巡回して演奏するバンドです。軽快な演奏で旅気分を盛り上げる余興は昔からです。そして右画像は「食堂車」です。我々は途中からこの食堂車へ移動しました。ここでは飲物の他、軽食を取る事も出来ます。

列車の車内では、移動中に列車運行会社がオプショナルツアーとして「シパキラ」「ネモコン」の各岩塩坑道を巡るツアーを募集します。我々はネモコン岩塩坑道ツアーを申し込みました。これはSL列車運行会社がシパキラ駅から専用バスを仕立て、現地まで送迎します。料金にはバス利用代・岩塩坑道入場料が含まれています。

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ネモコン岩塩坑道行きのツアーバス車中では、付近にあるレストランの従業員がメニューを持って乗客から注文を取り付けます。見学を終えてレストランに入ったらすぐに食事が出来る配慮です。以前と比べるとツアー自体の質が向上してきました。

そして上記画像が「神秘のネモコン岩塩坑道」です。現在、チリで33人の鉱員が閉じ込められ、奇跡の脱出を果たしたあの事件を題材とした映画の撮影中です。

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白っぽく見えるもの、これは全て太古の海の塩です。数千万年前以上のものとされています。このような神秘的な光景はネモコン岩塩坑道特有で、シパキラ岩塩坑道では見られません。ご夫妻も感動されていました。

ちなみに私はネモコン岩塩坑道にて日本人向けガイドとして認められている為、他のグループとは別行動で見学する事を許可されています。

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そしてこちらが予めツアーバス車中で注文しておいたメニューです。レストランに着くとテーブルには私の名前を書いた紙が置いてあり、何も言わずとも品々が運ばれました。ちなみに注文の際にはスペイン語が分からないと困難ですが、私がガイドのこのツアーでしたら全く問題ありません。

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そして昼食後、再びツアーバスに乗車して列車が停車しているカヒカ(Cajica)町で合流し、帰路に就きました。首都ボゴタへの道のりの際には、座席が行きとは反対方向になります。我々が乗車した車両は行きは先頭から二両目でしたが、帰りは最後尾から二両目になりました。14両編成の列車はそれは長いものです。

この日は好天に恵まれ、移動途中は右画像にある高原地帯の風景を満喫しました。そしてツアー終了。ご夫妻もSL観光列車ツアーを楽しまれたようです。

当社ANDES TOURSではこのSL観光列車ツアーを事前申込制でお一人様から催行しています(列車チケット・昼食・日本語ガイド込み)。御利用をお待ち致します。

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