コロンビアの「地下資源」をめぐる熱い話
皆さんが「コロンビアの地下資源」と聞いてすぐに思い出すのは、もしかして「エメラルド」でしょうか。確かにそうですね。
つい先日の事ですが、首都ボゴタから北に向かった現地のエメラルド鉱脈地帯で道路工事中の掘削場所から突然エメラルドの原石を含む岩石が多数地表に現れ、一獲千金を狙った地元民が押し寄せたとの事。中には時価数千万円にも及ぶ原石を掘り当てた人もいたとか。現在は警察により一帯は封鎖されているそうですが、コロンビアらしい話です。
コロンビアには実は他にも多数の地下資源が存在します。金・銀・銅・ニッケル・プラチナなどの他、石油・石炭などのエネルギー資源にも恵まれているのです。石炭に関しては、先日の話で日本の大手総合商社・伊藤忠商事が既存の鉱区において採掘された石炭の獲得権を得た事が日本でも報道されました。
この他、日本では「日本経済新聞」が小さく報じただけでしたが、つい先日の報道で将来のエネルギー資源として現在注目を浴びている「シェールオイル」「シェールガス」の開発権を、コロンビアにおいて一般入札すると発表されました。この「未来のエネルギー資源」が実際に開発・商業生産されれば、現在中東が大半を握っている原油市場の利権が今後大きく変わると言われています。下記にその記事をご紹介します。
現在、シェールガス・シェールオイルの開発ではアメリカがリードし、鉱脈もアメリカが最大規模のようです。南米における鉱脈はコロンビアの他にブラジル・アルゼンチン・チリにあるようです。
こちらは首都ボゴタにあるECOPETROL(コロンビア石油公団)本社前での一コマです。ECOPETROLは近年まで政府が株式の100%を保有する「国営企業」でしたが約20%の株式を放出し、現在ではニューヨーク株式市場にも上場しています。
今回はこのECOPETROL訪問のコーディネートをしました(訪問団体名及び目的はこの場では公表を控えます)
このECOPETROL・コロンビア石油公団は何故か「イグアナ」をイメージキャラクターに採用しています。何故イグアナなのか、それを複数の職員に聞くとどういう訳か「諸説」あるのです。曰く
☆イグアナの姿が恐竜に似ているから、その再現として採用した(石油は化石燃料であり・恐竜の死骸が石油に生まれ変わった可能性がある為)
☆コロンビア国内最大の製油所がある「バランカベルメハ(Barrancabermeja)」には多数のイグアナが生息し、ECOPETROLはイグアナと共に「共存」している
世界中探して「イメージキャラクター」を採用している石油公団(国)は珍しいのかもしれません。
ちなみに、コロンビア石油公団本社のすぐ近くには、何と「ECOPETROL直営売店」があるのです(本当)そこではイグアナのぬいぐるみや子供向けの「着ぐるみ」、キーホルダーやボールペン、傘や「ipadケース」その他多数の「ECOPETROLグッズ」を売っているのです。嘘だと思ったら、下記のサイトをご覧下さい。
それはさておき、コロンビアという国では実は「地下資源・地下エネルギー資源」を巡る熱い戦い(商売)が繰り広げられている事を、この日の訪問で実感しました。
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