コロンビアの航空業界再編
ブログ記事更新のペースが「週一」に落ちてしまっていますね。いつもの事ですが、平日は相当忙しくてブログ記事を書く精神的・時間的余裕など全くありません。という毎日を過ごしていたら、コロンビアは今週末から三連休に入っています。
とはいえ、連休中にコーヒー地帯の「アルメニア」へご旅行されているグループ、カルタヘナへのグループなどがあり、加えて日本で開催されていた"COP10"(生物多様性条約第10回締約国会議)や"国際フラワーEXPO"にコロンビアから参加されていた方々の帰路便が台風の接近に伴い出発が危ぶまれていた為、必然的に「待機」状態でした。結果アルメニアで現地空港が一時的に閉鎖された為3時間程度の遅れを出しましたが、それ以外は何事もなく、ホッとしました。
この業界にいる私にとっては、3連休であっても期間中に旅行されているお客様に何かあった場合を想定して待機する事を前提としており、自分が連休を丸々使って遠出してしまう事は、まずありません。3連休の遠出はお客様の御旅行がない事が基本です。その為、お客様がご旅行中の3連休は出掛けるにしても首都ボゴタの近郊程度です。
そんなこんなで忙しい毎日でしたが、この間コロンビアの航空業界では様々なニュースが入って来ました。
まずは"AeroRepublica"の名が消失し、Copa Airlines Colombiaに名称変更となった件です。AeroRepublicaは元々コロンビア資本の航空会社で、最盛期にはAviancaとの二大航空会社に位置付けられていました。それが近年パナマ資本のCopa航空が筆頭株主となり、ついに名称変更・AeroRepublicaの名が消失しました。
Copa航空自体はスターアライアンス航空連合メンバーである「コンチネンタル航空」との強力な関係があります(但しCopa航空はスターアライアンスのメンバーではありません)そのコンチネンタル航空もまた、ユナイテッド航空との合併により名称が消失する運命にあります。中米域内では確たる地位を築きつつあるCopa航空が今後コロンビアにおいてどのように展開するのか、興味深々です。
そしてこちらは以前から噂されていましたが、"ついに"という形でビッグニュースとして飛び込んできました。以前「コロンビアの格安航空会社(LCC)」として投稿した事がある「AIRES航空」が、チリを本拠とする「LAN CHILE航空」に買収される事となり、既にAIRES株の99%をLAN CHILEが買い取る事が合意されました。
LAN CHILEは現在「南米大陸最大」の航空会社であり、既にアルゼンチン・ペルー・エクアドルにはそれぞれの国の名を冠した航空会社を設立し、国内線を運航しています。このAIRESもいずれ「LAN COLOMBIA」に名称変更する事は間違いないでしょう。LANは日本のJAL(日本航空)もメンバーである「ワンワールド」航空連合の一員であり、良質な企業経営もあって以前からコロンビアへの進出が確実視されていました。
コロンビア国内筆頭のAviancaに加え、AeroRepublica、そしてこのAIRESまでついに「外資」により買収され、コロンビア資本の航空会社ではなくなりました。
その2社を迎え撃つのが、かつての"フラッグキャリア"(国を代表する航空会社)であるAviancaです。Avianca自体も現在はコロンビア資本の航空会社ではありません。ブラジルの石油関連会社が筆頭株主となっています。そのAviancaはエル・サルバドルを本拠とする"TACA航空"と資本合併し、更にはエクアドルの航空会社"AEROGAL"をTACAと共同買収し現在に至っています。
しかし合併の相手がTACAという事で、双方ともに大手航空連合に属していない為、合併効果は「限定的」という見方が大半です。現在Avianca-TACAグループは前述のLANとの「勢力争い」を繰り広げていますが、どう見ても圧倒的な資本力とワンワールド航空連合の有力メンバーであるLANに押されている感が否めません。そのLANが正式にコロンビアへ進出する事が決まり、Aviancaが「コロンビア国内筆頭」の地位を維持し続ける事が出来るか、それがこの業界最大の話題です。
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