南米コロンビア版ピサの斜塔?首都ボゴタ・Lago地区
大昔の首都ボゴタは湿地帯だったらしく、大分以前に日本のJICA(国際協力機構)が地下の状況を調査した所、大規模な地下水が眠っていると聞き及んだ事があります。大都会ボゴタの広域にわたって「岩盤」というものが数百メートルの地下までなく、その為超高層ビルや地下鉄が敷設できないという事情も聞き及びました。
そんなボゴタに"Lago"(英語でLake・つまり湖)という地区があります。この一角は「ボゴタのアキバ」と称され、PC関連ショップがずらっと軒を連ねているのですが、このLago地区に並ぶ建物の傾き方が尋常ではなく、それが故に今回のタイトルを「南米コロンビア版ピサの斜塔?」と名付けたほどです。下記に表示される画像をクリックすると拡大表示されます。
まずは右側の青色の建物。見てすぐに分かりますが、建物が右下にずれています。建物が真四角ではなく「変形ひし形」になっているのがはっきりと見えます。建物の1階部分にはPC関連消耗品ショップがありますが、2階から上は使用されている形跡がありません。
これもまたすごい!各建物の1階部分にある看板の並び方が平行ではないのが一目瞭然です。それだけではなく、建物自体もあるものは右に傾き、あるものは歩道側に傾斜しています。凄すぎると思いませんか?これ。よく見ると画像の中央部分に向かって「窪んでいる」ように見えます。この建物群も1階部分は「有効活用」されているものの、上階の部分には空室が目立ちます。そりゃ、当たり前だ!
この建物ですが、見ての通りです。真ん中の部分からバックリと割れてしまっています。そして左右が「非並列」であり、段差が出来てしまっています。これはハッキリ言って「凄すぎ」です。聞いた所では、これは昨年5月に首都ボゴタでも体に感じた「震度3~4」程度の地震による被害のつめ跡です。日本にお住まいの皆さんでしたら「は?そんな程度でこんな事になるの?」と思われる事でしょう。私が更に驚いたのは、下から2段目の窓に見える「VENDE」の張り紙です。そう、こんなすさまじい状態にも関わらず、この一室を「売っている」のです。すさまじい商魂のコロンビア人・・・呆れて、いや、失礼。恐れ入って言葉が出ません。
この二つは、地盤沈下と建物の傾斜が著しいLago地区の中でもひと際目立つ、見方を変えるとある種「芸術的」な建物です。画像ではよく分かりづらいかもしれませんが、他の建物に比べても傾き方が半端ではありません。右の画像にて比較すると、左端に僅かに見られる赤レンガの建物を垂直の基準とし、習性上まっすぐに伸びている木と比較すると、明らかに建物自体が歪んでいるのが分かるでしょう。
二つの建物の傾き方が半端ではない事が、この画像から見てとれます。画像の向こう側にあるレンガ色の建物と比べて、緑の外壁・そして手前の建物が右下へ沈み込んでいるのがお分かりになる事でしょう。この状態のまま維持し続けているのが奇跡のように思える程です。現場で実際にこの建物を見るとそう感じます。日本の建築関係者・特に耐震技術関係の方がこの地区を訪れたら、目が点になるかもしれません。
Lago・湖という名前の通り、ここは昔湖だったようです。その為か他の地区に比しても極めて地盤が軟弱で、それが故に建物の傾き方が半端ではありません。首都ボゴタを震度5程度の地震が襲ったら、まずこの一帯が壊滅する事でしょう。幸いにして私がこの地に住んでおよそ12年間、そんな規模の地震に遭遇した事はありません。建物がこの角度で長年維持できているのもそんな幸運に恵まれているからでしょう。
最後にこの画像です。建物が弓なりにしなっているのがお分かりになる事でしょう。正確には向かって左下に沈み込んでいます。左側にある継ぎ目が裂けていますね。左側に隣接しているのはカフェテリアですが、この建物が維持できているのは左の建物に寄りかかっているからで、ここが空き地になってしまったら・・・ちょっと怖いですね。そんな「傾斜した建物」が並ぶLago地区の紹介でした。
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