12年目で試練を迎える覚悟
今回は初めて、私の「デスク」を公開します
この画面では予約システムは開けていませんが、普段の業務はシステムを操作しながらお客様からのチケット予約の手配を行っています。私が12年前にこの地で旅行業に従事し始めた時には、予約手配の大半は「電話」によるものでしたが、独学でシステムの操作を覚え、今に至っています。
そして早12年の歳月が流れ、来月7月からコロンビアの旅行業界(旅行会社)各社は「氷河期」に入ります。今から2年前、政府通達により航空券販売にかかる「コミッション」の率を、それまでの10パーセントから段階的に引き下げる事が決まり、ついに7月から「1パーセント」になります。日本やアメリカ、更に全世界的には既に「0パーセント」に突入しており、コロンビアの場合「雀の涙」的な1パーセントだけが残されました。昨年あたりから小規模の旅行会社の廃業が進んでいますが、来月からはそれが中規模の会社にも波及する事は間違いないでしょう。
折しも昨年末からの世界的な経済危機に加え、昨今の新型インフルエンザの猛威が追い討ちをかけ、コロンビア国内の航空旅客の数が大幅に減少しています。画像は我が社でも販売している「海外旅行傷害保険」のパンフです。旅行保険もやはり不況の影響を受けており、ついに「2名で同一行程の旅行をするケースでは2人で一人分の料金キャンペーン」を展開しています。つまり一人当たり「半額」になるという事です。
昨今この業界で活況を呈しているのは、唯一「カルタヘナ」の旅行会社のみです。ここは外国からのクルーズ船寄航ラッシュに沸いており、外国人観光客が激増して強気の商売を展開しています。が、それ以外の町でチケット販売が売上全体に占める割合がかなり高い旅行会社は、チケット代金とは別の「発券手数料」を余程値上げしないとやっていけなくなる事は目に見えています。とはいえ、チケットを直接航空会社からインターネットを通じて購入すれば発券手数料はかからないので、少なくとも個人客は旅行会社から離れていくのは明らかでしょう。
この地に渡って来月で12年目を迎える私にも例外なく「試練の時」が訪れています。こんな事を書いてビックリされる方が一人位いるかもしれませんが、昨年の今頃・・・実はこの氷河期を見越してコロンビアから引き揚げようかと考えていました。この事は、既に当地を去られた当時の一部のお客様にはそれとなくお伝えしていました。チケットの売上だけで生き抜く事に限界を感じた為です。それから後、悩み続ける日々が続きました。
その後秋になりアメリカを発端とした「サブプライムショック」が表面化し、これは何かおかしいと感じ始めて暫くした後、結局日本へ帰るきっかけを失ってしまいました。時を同じくして日本からのツアーの話がいくつか持ち上がり、息絶える寸前で救われた形で今日に至っています。もしも現在の世界不況がなかったら、私の運命は大きく変わった筈です。
日本からのツアーについては、昨今の新型インフルエンザに伴う「パンデミック」状態ではとてもコロンビアへの送客は難しいと承知しています。その中でも旅行キャセルをせずにコロンビアへ来て頂く個人客の方々がいらっしゃるのは有り難い事です。近隣諸国のネットワーク絡みで時に情報交換をしていますが、どこの国でもやはり状況は同じで今は忍耐の時というのが共通した思いです。
私には12年のコロンビア生活の中で何度か辛い時がありました。その度に奇跡的な幸運が訪れて今に至ったのも事実です。昨年の今頃、心理的に悩んでいた最中に日本で行われた「エル・ドラード展」関係の大きな仕事が舞い込み、コロンビアの国宝を日本へ送り出す事に全力を注ぎ込む機会を頂いたのもその一つです。
ところで、最近のブログ記事を読み返すに至り、批判的な文章が増えているように思いました。これから迎える氷河期のプレッシャーの反動が無意識に表れたのかもしれません。とはいえ、せっかく12年間ここまで自分なりに努力してきた蓄えもあります。私がこの地に流れ着いた当時には「実現不可能」と思われた日本からの南米コロンビアへの観光ツアー、これがようやく始まろうとしています。本当に限界を感じるまで、頑張ってみようかと思います。
折しも今日、一人のコロンビア人女性から一年ぶりくらいで電話を頂きました。日本人の御主人とお子さんと共に日本の某所で暮らしていましたが、家庭内の事情からお子さんを残して単身でコロンビアに戻っていました。当時日本からかかってきた電話で泣きながら「もう、コロンビアへ帰る!」と乱心で、ボゴタの家族からも一刻も早くコロンビアへ帰してと懇願され、暗澹たる気持ちでボゴタへのチケットを手配しておよそ1年。今日の電話では「日本でもう一度暮らしてみる!」と明るい声でした。とても嬉しい報告でした。再訪日の日取りはこれから決めるようですが、日本でまた家族3人が幸せに暮らしてもらいたいと願っています。日本行きのチケットは勿論「片道」です。
この12年間で多くの方々と航空券や旅行の関係でお付き合いさせて頂いています。楽しい旅行・出張・帰国・新たな人生への旅立ち・別れなど様々な事情があります。来月からの氷河期をどう生き抜いていくか、自分でも自分の人生が今後どのようになるのか分かりませんが、フーッと深呼吸して粛々と迎えるつもりです。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- コロンビア大統領専用機と飛行機観察ポイント(2009.11.09)
- 南米コロンビア産の「葉巻」とお酒で酔う(2009.11.01)
- カルタヘナの好景気を実感(2009.10.25)
- カルタヘナ滞在中です(2009.10.16)
- ホームページ記事更新とコロンビアの「国技」Tejo(テホ)(2009.09.20)


コメント