首都ボゴタのセマナ・サンタ(聖週間)の風物詩
ここの所ずっと忙しくしていた為更新が滞りました。3月はチケット販売の他に、日本からの観光客のガイドやIDB(米州開発銀行)メデジン年次総会にかかる手配など、殆ど毎日多忙を極めました。その間には雨期が本格化し、首都ボゴタ西部では先日ここ50年で最悪の豪雨による浸水被害もありました。毎日肌寒く、ついに喉風邪にかかっています。
そうこうしているうちにカレンダーは「4月」となり、コロンビア国内でもセマナ・サンタ(聖週間)が始まりました。この時期は4連休に加えた長期の休暇を取る人が多く、旅行業界は稼ぎ時です。そして敬虔なカトリック教徒はこの時期・特に「聖金曜日」には赤身の肉を避けて白身の魚介類を口にする習慣から、ボゴタ市内にはいつもより多くの魚が出回ります。だからという事ですが、この画像は市内のセントロ地区でこの時期恒例の「魚の干物」を並べている光景です。これらの魚は全て「アマゾン川で獲れた魚」かと思われます。
コロンビアはカリブ海と太平洋の2つの海を持つ、海洋資源に満ちた国の筈・・・が、出回っているのはアマゾン川の魚の干物です。これが実に不思議なのですが。ちなみにこの干物、画像のおっちゃんに「これは何?」と聞いた所、威勢のよい声で返ってきた答えは「おおっ、これは"ピラルク"だよ!」 は? ピラルク←(画像はこちら)って、あの「世界最大級の淡水魚」じゃないですか!その「干物」とは。。。
もしかするとブラジルからの「輸入品」かもしれません。しかしこんなデカイ干物をどうやって「始末」するのか?ちぎってスープにぶち込むのか、或いは「あぶり焼き」?"ピラルク"の一声に動揺して食べ方を聞き忘れました。
ちなみに干物もこれだけデカイと、まるで絨毯の如く二枚折りになっています。ピラルクの他には「ナマズ」あたりもありそうです。この光景はセントロ地区の混沌とした商店街でよく見かける光景で、高級住宅街である北部地区ではまず目にしません。ここはいわゆる「日本のアメ横」によく似た雰囲気があります。
首都ボゴタは山の中にありますから元々新鮮な海産物には恵まれませんが、それでも昨今は流通事情が格段に発達しているのですから、何もセマナ・サンタに"アマゾン川の魚"それも「干物」を食べなくても・・・と思いますが、やはりこの時期はそうなります。一応釈明しますと、中流以上の家庭では「チリ産サーモン」その他の「海の魚」をそれなりのスーパーで購入しています。この「川魚の干物」の購買層は「不明」です。。。
コロンビアは四季による気温の変化がなく、季節の移り変わりを「肌」で感じる事はありません。その代わりにこれらの風物詩を「目」で感じる事で、月日の経過を知る事が出来ます。
この「ボゴタのアメ横」は以前にもこのブログで紹介した事がある場所です。とにかく「人間臭い」場所で、混沌としています。セレブが訪れるような所ではありません。ここでは路上であらゆるものが売られています。画像はいわゆる「ホルモン焼き」です。炭火で内臓部分を焼いて売っています。一皿1,000ペソ(およそ45円)らしいです。日本ならともかく、悪いけど「ここでは食えねぇ」食中毒を起こしたら大変ですね。炭火の匂いはそれなりなんですが。。。
そしてこちらは大鍋一杯に油が煮えたぎっており、その中に「豚の脂身」を突っ込んで揚げた"Chicharron(チチャロン)"の屋台です。チチャロンはその後小さく切って画像右に見られる円形の白い"Arepa"に添えて売っています。1個500ペソ(およそ20円)程度で、道のあちこちでこの豚の皮を揚げる光景が見られます。すぐそばを通りかかると、何とも言えない豚の油独特の「甘臭い」匂いに思わず吐き気をもよおす事もあったりします。
こんな凄い場所の向こうには、私が「宝の山」と崇めて日参している当地在留韓国人達の「溜まり場」があります。彼らについてこの場では割愛しますが、とにかくこんな混沌とした場所は「避けて通れない」ので必然的に身なりもそれなりにしています。もしかすると「アライさんて、会うといつも薄汚れた格好ですよね」なんて噂があったりして。。。 ホルモン焼きに豚油の匂い、豆問屋やら何やらとにかく「凄い匂い」に川魚の干物の匂いが加わったのが、私にとり「セマナ・サンタ」入りです。
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