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2009年3月

成田空港とボゴタ空港

成田国際空港で発生した着陸事故のニュースはこちらにもすでに伝わっています。私はCNNニュースを見始めた所"TOKYOでFEDEX機CRASH"の文字が目に入り「何だそりゃ!」と、慌ててネットニュースを見た瞬間に大惨事が目に入り呆然としました。

詳しい原因は解明中との事ですが、最新の情報でやはり急激な風向き・風力の変化「ウインドシア(Wind Shear)」に巻き込まれたようですね。事故機の前に着陸した機のキャプテンから情報がもたらされていたと報じられています。このような風向きの急激な変化や乱気流に巻き込まれたというケースに遭遇した場合、当該機は当該地点を通過する他の全ての航空機へ情報を提供するルールがあり、事故機も着陸4分前にウインドシアに関する情報を得ていたようです。その上での事故です。

私自身は"同業者"である義弟とは、このような事故に関する話は一切しないのがルールです。彼自身、相当厳しい訓練を重ねた上で当時30代後半という若さながらB767の機長を任され現在に至っていますので、あらゆるトラブルに対処できるような技術は身に付けていますが、それでも事故に遭遇したくないのは全パイロット共通の思いですから、この種の話をするのはタブーです。これはあくまでも未確認情報ですが、事故機の前に着陸したのは、シンガポールから到着した"JAL"の「旅客機」のようです。多数の乗員・乗客を乗せた一方のJAL機(未確認)のキャプテンはウインドシアを克服し、乗員2名の貨物機は失敗・・・言葉がありません。

それにしても、日本の空の玄関口・先進国である日本の大空港である「成田」の致命的欠陥がついに露呈してしまいました。世界有数の離着陸回数を誇る大空港・成田にワイドボディ機が離着陸できる滑走路(RWY)がたった一本しかない・・・この問題は開港時から指摘され続けていた事です。他のアジア諸国では韓国・中国・シンガポール等の大空港では2本以上の滑走路を持っているのが常識で、現在では「国内線用」の位置付けである"東京国際空港"(羽田・HND)でさえも2本の平行RWYがあるのに。。。たった一本の滑走路が閉鎖されてしまったら、その空港は当然の事ながら機能停止。。。分かり切った事です。

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こちらは首都ボゴタ空港の見取り図です。あまりにも偶然の事で驚いていますが、「気が向いて」成田での事故の3時間ほど前にボゴタ・カルタヘナ・メデジン・そしてコロンビアの「地図」を買い求めました。画像はそのうちボゴタ市内の地図に載っているものです。ご覧の通り、首都ボゴタには2本のRWYがあります。RWY13R/31LとRWY13L/31Rという位置は航空関係者であればお分かりでしょう。ボゴタ空港は民間機と軍用機が離着陸を供用しています。2本の平行滑走路でワイドボディ機も当然離発着可能です。日本よりも早くエアバスA380がテストフライトの為に着陸してきたのもこのボゴタです。

Img_2005 ボゴタ空港は標高2,600mのいわゆる盆地の中にありますが、RWY13R,Lにランディングする場合は広大な高原を利用できる為、旋回しながら高度調整をする必要はありません。逆にRWY31R,Lにランディングする場合は市の東側にアンデス山脈が迫っている為、一旦空港を右に見ながらやり過ごして、右旋回して高度調整を行った後に着陸します。

盆地の中にあるボゴタ空港も、やはりウインドシアの危険性を持っています。四方を山に囲まれている為です。通常・例えば朝方などは大抵山側から風が吹く為、RWY13を使って山に向かって離陸の後、左右に旋回します。飛行機は浮力を使って離陸する為、風上に向かって離陸するのが大原則です。これが現在の雨季のように正午過ぎから天候が悪化してくると風向きが逆に西側からに変わってくる為、例えば昼頃に市の北側にいると頭の上を飛行機が旋回しながら高度を下げていくのが見えます。Calle 72あたりで飛行機が頭上を通過するようなケースは「そろそろ雨が降るぞ」という注意信号でもあります。

ボゴタ首都空港の旅客ターミナル自体はとてもしょぼいものですが、平行RWYが2本ある空港というのは、実は南米域内の国では珍しい方です。今回の成田国際空港での事故で露呈してしまった不備、一国の空の玄関としてはお粗末だと実感しました。

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カルタヘナ旅行記と現地の"番外グルメ"

再びカルタヘナの話です。先日のカルタヘナ取材旅行の成果を、このブログとは別に編集しているホームページ「未知の国・コロンビアからの便り」にて公開しています。

http://homepage3.nifty.com/cafetero/number169.html ←こちらをクリック

こちらも是非ご覧下さい。短い滞在でしたが「取材の成果」として皆さんにご紹介します。それとは別に「画像特集・カルタヘナ」も公開しています。こちらはトップページからご覧下さい。カルタヘナを画像と共に取り上げて以来、個人読者の方々からお問い合わせやコメントを頂いており、実際に御旅行を検討されている方もいて反響の大きさを実感しています。

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今回はそんなカルタヘナでの「番外グルメ編」です。取材旅行初日は昼過ぎに現地入りし、ホテルに荷物を下ろした後に慌ただしく取材へ出かけました。その為ゆっくりと昼食を取る時間もない中で時刻は午後3時を回り、いよいよ空腹に耐えかねてきました。そこで目に付いたのがこの看板です。現地カルタヘナでの典型的な一皿です。"魚の素揚げ"調理用バナナを潰して揚げた"Patacon"そして甘い"ココナッツライス"の組み合わせで7,500ペソ(およそ300円)です。この看板に釣られて「魔が差した」かの如く、フラフラと寂れたレストランに入りました。

20090222_img_1261 まず出てきたのがこの「魚のスープ」です。中には小魚の身が入ってましたが、これが「生臭い! 」それは相当なもので、添えられた"ライム"を絞って入れなければ食べられませんでした。カリブ海に面したカルタヘナですが、実は"外洋"にある「ロサリオ諸島」まで行かなければ「えっ?これがカリブ海?」と思うほど、海の水は黒く透明度は「ゼロ」です。魚類も内海で獲れるものは「雑魚(ざこ)」ばかりで、魚介類に関しては舌の肥えた我々日本人には「食用に適さない」ものを強引に使っているのですから生臭い訳です。

20090222_img_1262 そしてこちらが「メイン」の皿です。魚の名前は・・・分かりません。雑魚で、やはり素揚げです。カルタヘナの人々は意外にも米をよく食べ、統計によると内地の人々よりもその割合が多いそうです。それがこのココライスでしょうか。300円程度のランチですからこんな感じですね。実はこれ、ボートで1時間ほどの場所にあるロサリオ諸島へ毎日催行されている「日帰りツアー」の昼食の内容そのものです。日帰りツアーを催行しているのは複数社に及びますが、いずれも料金が安いツアーは内容もそれなりで、この種の雑魚の素揚げが出てきます。それを簡素な建物の中で数百人が一堂に介して食べる事になります。

20090222_img_1312 それとは別格で、国内最高級のフランス系ホテル"Sofitel Santa Clara"系列で、ロサリオ諸島にある"Hotel San Pedro de Majagua"への日帰りツアーは内容が全く異なります。まず使用するボートが格安ツアーの場合には今にも沈没しそうな古いものですが、こちらは大型の高速艇です。昼食も3段階ある料金(大差なし)により、大きな魚丸々一匹・ロブスター・魚介類の盛り合わせ"Festival de Mariscos"を選択できます。それを高級ホテルのレストランで味わうのですから、まるで異なります。

今回私は島へ行く時間がありませんでしたが、前回「生協世界大会」の期間中に希望者の方々とこのMajagua日帰り観光した際には、とても大ぶりの「鯛(だったかな)」がドーンと目の前に現れて、一行も美味しい!と満足されていました。ここまで来ると海も「カリブ海!」らしい美しい姿を見せてくれます。このHotel Majaguaは先日の新婚旅行のご夫妻にもご利用頂き、満足されたようです。ホテルのサイトはこちらです。

http://www.hotelmajagua.com/index.htm.en

このMajagua日帰りツアーは格安ツアーの2倍から3倍の料金ですが、ホテルを拠点に海洋水族館見学やダイビング・シュノーケリングなどを別料金で体験できます。私自身何度かロサリオ日帰りツアーを経験していますが、このHotel Majaguaが催行しているツアーがまさに「最高」でした。こちらは私が日本人の皆さん向けに手配する「ロサリオ諸島オプショナルツアー」でご案内するものです。料金はそれなりですが格安ツアーは利用しませんのでご安心を。

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カルタヘナでは本当に日本人ガイドが必要になる!

ここ数回、カルタヘナ絡みの投稿が続いています。 昨日、何気に業界向けニュースを見ていたら"LAN PERU"が4月よりリマから水・日曜日の週2便運行でカルタヘナへの便を就航させると報じていました。こちらは全く気が付きませんでした。

カルタヘナへの国際線便は、従来のパナマ・マイアミなどの他に米・フォートローダーデールから格安航空会社(通称LCC)の"Spirit Airlines"が既に週3便運行しており、LANの路線参入で更に外国人観光客が増える筈です。

チリを拠点とするLANといえば現在ラテンアメリカ域内航空会社の中で最大規模を誇っています。ペルーでは"LAN PERU"アルゼンチンでは"LAN ARGENTINA"の名で国内線も運行しており、エクアドルでも国内線への路線参入をもくろんでいます。コロンビアへはチリ・サンティアゴとリマからボゴタ・メデジンへのルートを持っており、これに続くカルタヘナ便です。

LANがカルタヘナ便に参入する事で、南米各国ペルー・ブラジル・アルゼンチン・チリ・ボリビアなどからの観光客が劇的に増える事は間違いない筈です。その中には現地在住の日本人の方々も当然含まれる事でしょう。特に赤道から南の国では「カリブ海」は魅力的のようで、昨年私がサン・アンドレス島へ旅行した際にもブラジルからの日系人の方々を見かけましたし、アルゼンチンからの団体の姿もありました。

カルタヘナは「南米大陸で最もカリブ海に近い国際観光地」という触れ込みで今後人気が出てくる筈です。現在の不況下でもこの町に関しては更に活況を呈するのが容易に想像できます。ホテルも更に強気の営業をするでしょうし、ガイドも時には確保が困難になる筈です。

誰かいないかなぁ。。。「現地日本人ガイド」 私はまだ南米各国のネットワーク(取引旅行会社)とはこの件では連絡を取り合っていませんが、今後カルタヘナは複数国のエージェントから話しが出てくる事でしょう。カルタヘナに在住の日本人ガイドがいると本当に重宝するんですけどねぇ。

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カルタヘナでの食事あれこれ

Img_1624今回久しぶりにカルタヘナを訪問して驚いた事の一つが、旧市街地区やビーチ地区にオシャレなレストランやカフェが軒を連ねていた事です。旧市街地区で「ハードロックカフェ」を見つけた時にはビックリしました。私は別にハードロックカフェ自体に興味ありませんが、これはつまり名実共に「国際都市の仲間入り」をしたという事でしょうかね。その他にも現在「コロンビアのスタバ」的に増殖中の"Juan Valdez Cafe"も旧市街で一軒、ビーチ地区でも一軒見かけました。

その他にも旧市街地区には様々なレストランが軒を連ねていたのが目新しい発見でした。数年前までの旧市街地区と言えば、一部建物が崩落していて寂れた感がありました。それが昨今のクルーズ船とバブルの二重景気に乗った形で随分変わりました。味の程度は分かりませんが、オシャレなレストランが増殖する一方で、私が気に入っていた"Sofitel Santa Clara Hotel"内にあったイタリアレストランが"SPA"に変わっていたり、海を見ながら食事が楽しめた要塞の外にあったシーフードレストランが廃業していたりと、時代の流れもまた感じました。

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こちらはロブスターで有名な"LA LANGOSTA"です。この店はまだ健在でした。前回仕事でカルタヘナに一週間滞在した際には、日本から来訪された複数のグループおよそ40人を入れ替わり立ち替わりこの店に案内したのが思い出されました。昼に来て、夜は別のグループの為に来て、それを聞きつけた別のグループを案内する羽目になり、店員から「えっ、また来たのかい!」と言われて「もう、ロブスターは食えねぇ」と音を上げたのも昔の話です。

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LA LANGOSTA(ロブスター)の名前通り、この店では何を置いても画像のロブスターが一押しです。店の壁には各界の著名人がこの店を訪問した際の写真がズラッと掲げられています。ちなみに画像は"700g級"です。注文の際に最低700gから最大"1kg"までの重さで注文するスタイルです。価格は2009年2月現在でグラムあたり80コロンビアペソ(およそ3.2円前後)でした。つまり1kgで3,200円前後です。

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前回散々食べまくった際には、全て一行が支払った為、「とにかくでっかいやつを」と店員に注文していました。1kg級となるとそれはバカでかく、皆さん口々に「こりゃスゴイ!」と驚いていました。当時の店員も変わる事なく、私の顔を見て「ああっ、覚えているよ。久しぶりだねぇ」と、話が弾みました。今回は自腹だった為さすがに1kgは注文できませんでしたが、彼らは私が当時注文する度に「くどいソースは抜いて素焼きのまま出して!」と言っていたのを覚えていました。この店のロブスターは、さすが専門店だけあって他の店よりも安く食べられますよ。

Img_1953 そしてこちらが"Club de Pesca"(釣りクラブ)という、昔も今もカルタヘナを代表するレストランでの一皿です。これは17日間のコロンビア新婚旅行を終えたご夫妻を招いて夕食を共にした際の一コマです。これに甘いココナッツライスが付いてきます。Club de Pescaはヨットハーバーに面した高級レストランです。海辺にあるこのレストランは昼夜を問わず周囲の景色がそれは素晴らしい場所です。

前回はやはりグループ一行をご案内しましたが、当時と明らかに異なっていたのが「客の入り」でした。前回来店時には空席がかなりありましたが、今回は予約なしで行った所「辛うじて」席が空いていた程でした。まだまだカルタヘナの好景気は続いているのだと感じた一時でした。

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カルタヘナのクルーズ景気と現地ガイド・通訳の必要性

Img_1937 今回久しぶりにカルタヘナを訪問して強く感じた事の一つが「カルタヘナのクルーズ船景気」です。旧市街に関して言えば、町の外観は変わらないもののとてもお洒落な「ブティックホテル」が軒を連ね、更には様々なレストランもあり、昼夜を問わず活気に満ちていました。前回の訪問は「生協世界大会」での仕事で、それも一昨年の事でしたから、町並みの変化には本当に驚かされました。

今回、日本の旅行会社数社の方々が当地を来訪されてボゴタ及びカルタヘナを視察されましたが、このうち数社とは今後の個人・グループ向けツアーの企画を既に立案済みで、パンフレットも作成しています。その他にも今年中に二つの大掛かりな国際会議の話があり、その為の現地視察という点では大いに参考となったカルタヘナ旅行でした。

Img_1928 この他にも今回視察ツアーに参加されなかった数社から、某南米専門オペレーター会社を通じて個人手配旅行の立案に関わらせて頂いていますが、その中で課題となっているのが「現地日本語ガイド」です。首都ボゴタではガイド・通訳共にある程度の人脈がありますが、これがカルタヘナとなると、ガイドを依頼できる日本人の方が「全く」いません。いや、いるのかもしれませんが、私にはその人脈がありません。現在はカルタヘナに関しては「英語ガイド」しか確保できないのが現状です。カルタヘナでの現地日本人ガイド・・・喉から手が出るほど必要な人材です。

大掛かりな国際会議ともなれば、オーガナイザーが航空券やホテル・日当を負担してまで首都ボゴタから出張扱いでガイド手配を要請されますが、通常の個人手配旅行ではさすがにそこまでの費用はコスト高ですので実質不可能です。そうなれば現地カルタヘナ在住の方が一番好都合です。

Img_1940 カルタヘナには昨今相当数のクルーズ船が寄航しており、その場合朝接岸して夕方出航するまでの「短時間市内ツアー」が大盛況です。中には日本人の乗客グループもいます。クルーズ船乗客相手のツアーの場合、市当局からライセンスを得たガイドがいなければ港湾施設に立ち入る事が出来ませんが、その場合は「公認ガイドの通訳」という事での需要が多々見込まれます。それもやはり現地在住の方が最適なのですが。。。

昨今日本は不況の真っ只中で暗い話しが多いようですが、一方で国際観光都市・カルタヘナでは「現地日本人ガイド不足」が本当に深刻です。また、首都ボゴタでは"TV(テクニカルビジット)"に伴う通訳が出来るレベルの人材が、時には争奪戦になっている事もしばしばです。ちなみに私は日本からの手配に関して「私自身が通訳」という話しは昔から受けないので、これは他の方に「外注」する他ありません。業界用語で言えば"JSG"と"JSI"は兼務しないのが常識です。報酬も全く異なり、通訳は私ごときができる話でないのでいつも依頼する方は大抵決まっているのですが、この方が他に仕事が入っていたりするともう大変!

どなたか、スペイン語が堪能で人に接する事が好きな方、カルタヘナに住んでみませんか?私は生活の保障は出来ませんが、ガイドが必要なケースではもう「懇願」しますよ。

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