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ボゴタへ戻りました

日本滞在を終えてボゴタへ戻りました。今回の一時帰国では日本へ着いた際には時差ぼけが一切なく、到着翌日以降も普通の生活をしていました。それがボゴタへ着いてからは真夜中に目が覚めてしまい、そのまま明け方まで寝られずに1日を過ごしています。これは時差ぼけというよりも「標高差」に苦しんでいるのだと思います。何しろ海抜ほぼ0mからいきなり2,600mにいるのですから。平地比で酸素濃度が薄くなって眠りが浅くなるのでしょう。。実はこれは私にとって毎年の事です。

今回の一時帰国はアメリカのサブプライム問題が渦を巻いている中で、例えば日本で米ドル現金を入手しようと思って大手都市銀行に行った所「在庫がありません」「最低1,000ドルのパックからです」という、信じられない返答があったりして驚きました。結局某地銀で400ドルだけ入手できましたが・・・その他にも途中立ち寄ったアメリカの空港付近のホテルの客室から見えた光景は、道路向かいの住宅数軒の前に「For Sale」の看板が見えたことですね。やはり来ているなと思いました。

当地コロンビアもこれから徐々にサブプライム問題の影響を受けてくる筈です。既に株価は大きく下げており、為替レートは先進国からの資金引き揚げが顕著な為、つい数ヶ月前までは1ドル1,600ペソあたりをうろうろしていたのが、今や2,400ペソあたりまで下落しています。すごい下落率です。

コロンビアの株価といえば、つい先年は「世界第二位」の年間上昇率を誇り、複数の日本人の方が「トレーダー」として当地に居住しながらかなりの利益を上げていたのが今や懐かしいほどです。毎日株の売買だけで生活し、年に数回は日本との間を往復していた方々も、今やこの地から去ってしまいました。

ついこの間までコロンビア経済が飛躍的上昇を続けていた背景には、アメリカが最大の影響力を誇った「金余り」を背景にした国外・特に先進国からの莫大な投資があった筈です。国内株や不動産・高利率の預金等に投資をしていたのが現在の世界的不況で一斉に撤退している事でしょう。コロンビアのような「貧国」が、国内経済だけでこれだけの成長を遂げられる訳もなく、新築のアパートが建設中の段階から全戸売り切れという異常事態も胡散臭いとは思っていました。

よく考えれば、コロンビア国内経済だけで世界的に通用する"業種"と言えば、元々コーヒー・切花・エメラルド・石炭・コカイン(これは裏経済ですが)他数種の「一次産業」に限定されており、それだけで派手な株式・不動産投資など出来る訳もなく、バブル崩壊はいずれ来るだろうと思っています。

私は元々「ギャンブル」にはあまり関心がなく、パチンコは今まで数回・5,000円にも満たない額を使ったのみですし、宝くじや競馬等もやはり数千円単位の出費だけです。唯一莫大な投資をしたのは「住む為」に購入した新築アパートのみです。これも土地バブルの最中に実質金額よりもかなり高い値段で買わされたと思っています。

何しろ購入の際に販売会社の担当者からこう聞かれましたから。「購入の目的は居住ですか?投資ですか?」いわゆる「不動産ころがし」でしょうかね。買って住みもせずにすぐ転売し、多額の利益を上げる。ちょっと前まではそれがまかり通った程、地価・アパートの価格共にどんどん上昇し続けましたからね。しかし現在の不況では、私のアパートはいずれ売却する際には良くて同額・下手をすると原価割れすると覚悟しています。

私自身は、実は既に一昨年から不況を見越して家計の見直しを進めてきています。これは日本でも既に決定した事ですが、世界的な流れとして旅行業界が長年航空会社から受け取って来た、航空券販売にかかるコミッションが「ゼロ・0」になる事が一昨年決定し、当地コロンビアの場合は2年間をかけて段階的にコミッションの率を下げて来年にはほぼゼロとなる事が分かっていました。日本ではこれが一気に決まってしまい、現行のおよそ5%が来年4月からいきなりゼロになるのですから大変だと思います。

それでは何で飯を食うかと言えば、チケット代金とは別に頂く「発券手数料」が今後唯一の収益源となります。これは別に私だけではなく、アメリカの旅行業界は既に数年前からそのようになっており、話では旅行会社の数がピーク時の半分以下になっているようです。当地の旅行業界も来年からはそのようになり、必然的に旅行会社の数は淘汰されていく事でしょう。

そのような事情で、今回のサブプライム問題以前からコロンビアの旅行業界には既に危機感が漂っていました。ですので今更サブプライム問題程度ではびくともしませんが、今後は航空券の販売だけでは限界があり、日本からの集客にも更に力を入れていく必要が出てきます。今回の一時帰国では、取引先との間でそのあたりの話し合いも持てた事が収穫でした。今日は4名の来訪があり、来週は個人の方が一週間滞在されて専属ガイドとして付きっ切りとなります。今回の日本一時帰国で心身共に「リセット」して来ましたので、また新たな気持ちで毎日を過ごしたいと思います。

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