黄金の国ジパングとエル・ドラード展
7月12日から9月21日まで、東京・国立科学博物館において「黄金の国ジパングとエル・ドラード展」が開催されます。開催概要は下記サイト
をご覧下さい。コロンビアの至宝である黄金製品が海をわたってジパング・日本の地を踏む事になります。こちらは毎日新聞の記事←ですが、こんな事で厳選された黄金製品が日本へ向かいます。無事に「コロンビアの宝」が日本へ到着してくれる事を祈る毎日です。
今年は日本とコロンビアとの外交樹立100周年という事で、あいにく当地コロンビアでの記念行事には全く関係していませんが、日本側で行われるサルサグループ・LA-33が出演する記念コンサートやこの博覧会等、いくつかの大がかりな行事に関わる事が出来、ちょっと嬉しく思っています。
それにしても、今回のこの手配は本当に大変でした。今まで犬・猫・大型楽器の運搬等特殊手配はいくつか経験しましたが、"国宝"自体の取扱も初めてなら、それを貨物室ではなくキャビン(客室)へ"手荷物"として持ち込むなどという事例は当然初めてでした。世界考古学上貴重な品ですから、手荷物とはいえ「国家的重要物」ですので、関係する各空港では当然の事ながら「超貴重品扱い」として一切のセキュリティ検査を受けさせず、スーツケースの中に入る国宝を誰にも触らせないという事が条件となり、しかも規格外の手荷物をキャビンに持ち込む訳ですからコンパートメントには収まらないので、人間(博物館員)に帯同する形で国宝入りの手荷物用として数席用意して置き場所を確保するなど、何もかもが初めての事でした。
運搬を「指定」された航空会社側も座席に国宝が入るなど初めての事例で混乱し、そんな中で発券期限日は迫り、期限最終日はまるで「労使団体交渉」のような様相でした。こちらも臨戦態勢で「どう?」「うーん、難しい・・・」「頼むよ、国宝なんだから」時間が刻々と過ぎ、午後5時近くになって「本社も承認するだろう」との結果になった時には本当に嬉しかったです。
国宝が当地を出る日が近づいており、当日に強奪などあっては一たまりもありませんのでボゴタの金博物館から国軍の完全護衛により機内へ無事収まるまで私の緊張は続きますが、200点以上に及ぶコロンビアの至宝が無事に"ジパング"へ到着し、多くの方々に知って頂ける事を祈る毎日です。
文章の後半部分は後にいわゆる「回顧録」にもなりそうで、一部の方から批判を受けそうですが、私の今までの人生の中で「記憶に残る出来事」の一つになる筈ですので、この際批判など受け流す事にします。この件では本当に神経をすり減らしました。ブログの更新をする精神的余裕などなかったですね。この手配が無事完了した後には、もうぐったりする筈です。カリブ海に浮かぶ離島のサン・アンドレス島で数日「命の洗濯」をするつもりです。
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