ボゴタのアメ横
首都ボゴタの旧市街・セントロ地区の一角です。大統領府などの観光スポットから西に2kmほど行くと、雑然とした商店街地区があります。こんな所へ日参している日本人は私だけでしょう。すぐ近くはつい数年前までボゴタ市民でさえ恐れおののいて近づけなかった暗黒地帯でした。廃屋がいくつも並び、目がうつろな浮浪者達があてもなく歩き回り、違法薬物が売買されていて、うっかり迷い込もうものなら、ただでは済まされないすさまじい場所でした。現在では更地になっており、過去の状況はまったく感じ取る事が出来なくなりました。
この一角では路上に無数の露店が並んでいます。生の豚の皮を揚げる(チチャロン)時の匂いがきつく、その他にはトラックの荷台に本物の"ヤギ"を数匹積んで「ヤギの乳」を売っている(嘘みたいな本当の話!)光景まで見られます。即席生ジュースやら得体の知れない食べ物やら、とにかく生活臭い場所です。潔癖症の方は立ち入れません。運転手付の車でお買い物という、セレブ達の近寄る所ではないです。
この一角はまた、無数の問屋が並ぶ所でもあります。豆類を専門に扱う店、食料品が裏の倉庫にびっしりと積んである店、生活用品専門店、酒類を扱う専門店等々沢山あります。私はこの一角を「ボゴタのアメ横」と思ったりしています。本場のアメ横のような雑然とした場所ですが、あそこよりもものすごい汚く、ごちゃごちゃとした雰囲気です。私自身、営業の帰りには手ぶらで戻るのももったいないので、ごくたまに「トイレットペーパー」その他生活用品を調達する事もあります。値段は北部住宅街のスーパーの30%引きという品もあり、折りたたみ傘などは全く同じ物が半額以下というケースもありました。
この「ボゴタのアメ横」の近くに、私にとっては「宝の山」があります。数十人のお客さんが集まって商売をしている一角です。最初この一帯に着いた時には周りの雰囲気にビビッてしまい「何て所へ来てしまったのか・・・」と思いましたが、最近では大分慣れてきました。とはいえ今でも緊張しながら立ち入っているのは変わりませんが。こんな場所へスーツにネクタイ姿は「不釣り合い」です。タダでは済まされないでしょう。よって私はノーネクタイにヨレヨレのシャツという「日本人らしくない」姿で営業訪問しています。ボゴタのアメ横での買物は、それこそ気が向いた時だけで、普段はさっさとこの場所から立ち去っています。「安物買いの銭失い」となっては大変ですから。ここは「昔のボゴタ」の雰囲気が未だに残っている場所ですね。
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