ボゴタ在留邦人向け日帰りツアー催行

昨年に続き今年もコロンビアの首都ボゴタ在留邦人向けに日帰りツアーを企画、27名様のご参加により楽しく無事催行しました。南米各国に住む日本人(在留邦人)の方々向けの日帰りツアーというのはあまり多くない中、独自企画により二年連続で多くの方々のご参加を頂いたのは喜ばしい事でした。以下にツアーの概要と当日の画像を記載します(ご参加頂いた方々のプライバシーを考慮しお顔に加工を施した上で掲載します)
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ツアー最初は韓国人の方が経営・奥様が日本人のビール醸造会社LINO Brewing社様ビール醸造所からスタートしました。LINO社さんの醸造所はボゴタ空港からそこそこ近い場所にあり、着陸直前の飛行機の姿を見る事が出来ます。
このツアーの面白い所は参加されたそれぞれのご家族・グループの方々が自家用車でツアースタート場所に集合・終了後は現地解散というもので、これでしたら小さなお子様連れのご家族様も他の方々に気兼ねする事無く移動する事が出来ます。自分で言うのも何ですが上手い発想だなと思っています(笑)
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醸造所内ではビールの醸造工程をスペイン語と日本語により説明、各種ビールがどのように作られるかを細かく説明して頂きました。日本でも大手ビールメーカーが工場見学を受け付けていますね。LINO Brewing社さんははいわゆる地ビール醸造所の為規模はそこまで大きくなく、且つ見学を受け付けている土曜日は操業していないのでビール発酵過程の麦芽の香り等は感じませんが、大人の社会科見学的にはとても興味深い場所といえます。ちなみにコロンビアでもビール生産は勿論盛んで大手ビールメーカーの醸造工場が国内各地に数多くあります。ただ内部の見学は全く許可されず一般の方々が立ち入る事は出来ませんので、その意味でもLINOさんの醸造所は貴重な体験が出来る場所です。
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見学を終えると醸造所内で作られている風味の異なる各種ビールの試飲です。自分は仕事中だった為ごく僅かだけ頂きました。大人の方々の大半は醸造タンクから直接出された様々なビールの味を楽しまれたようです。これもなかなか体験出来ない事で、この「味比べ」を楽しみにされていた方々も多かったと思います(お子様には勿論ノンアルコールの「ジュース」を御提供)LINO Brewing社様では予定時間を大幅にオーバーし2時間ほどの滞在となりました。皆さんとても楽しまれたようです。お土産として大人の方々には各種ビール詰め合わせをお持ち頂きました。

そして次は複数台の自家用車の隊列で西へ約50km・Sasaima(ササイマ)にある当社社長家の別荘へと向かいました。
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ササイマへ向かう街道は途中のFacatativa(ファカタティバ)市の手前で常に長い渋滞になってしまう為距離の割に時間がかかり約2時間を要しましたが全員無事到着、別荘入口では社長家の家族が日の丸の小旗を持って出迎えてくれました。こちらも二年連続です。
到着が正午過ぎになった為まずはエンパナーダとレモネードで歓待、一息ついて頂きました。
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別荘の建物自体はかなり大きく、ゲスト向けの客室が7室、加えて社長家家族用の部屋が5室あります。今から約90年前に現社長の祖父母がスイスから移住・この場所を開拓しコーヒー農園を作り財を成した経緯があります。
昼食は日本人の方々にも好評の「Ajiaco(アヒアコ)」(ポテトシチュー)を提供しました。社長自らがお子さんにサーブしていました。この別荘で食べるアヒアコは作っている常勤の家政婦の腕が良い事もありとても美味しいと思っています。
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左がアヒアコ、そして右はデザートとして提供した塩気が全くないチーズ「Cuajada(クアハダ)」です。これにポットの中に入っている黒蜜をかけて食べるのが「ボゴタ風デザート」です。クアハダも家政婦の手作りで、昨年に続き今年もご参加頂いたある方は「ここのクアハダ、とても美味しくて楽しみにしていました」と仰ったほどです。クアハダは勿論手作りが基本ですが作り方次第で味が全く異なり、塩気がない事もあって上質のものはまるで木綿豆腐のような食感です。それが故に"醤油"をかけても美味しく食べられるほどです。
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昼食後はいよいよお楽しみ第二弾・別荘敷地内のコーヒー農園をご案内しました。農園には現在約18,000本のコーヒーの木々(カスティージョ種)が植えられていて、一部の区画では収穫期を迎えていました。
二年連続となったこのツアー、タイトルは「地ビール醸造所見学と別荘滞在&コーヒー農園見学」としていて、このコーヒー農園の収穫期に合わせて企画したものです。昨年は収穫期本番には若干早かったですが、今年はぴったりのタイミングで農園にご案内する事が出来ました。
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ご参加頂いた皆さんに赤く熟した実の手摘み収穫体験をして頂きました。日本ではまず体験出来ない事もあり喜んで頂けた事と思います。収穫期のこの時期は農園に常駐している5人のコーヒー農夫の方々が毎日100kg以上という相当な量の赤い実を手摘みで収穫しています。
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左画像が収穫した赤い実です。これを中画像にある皮剥きの機械にかけ、赤い外側と中の豆の部分に分ける作業を行います。機械の電源を入れると見事な程一方には赤い外側だけ、もう一方には皮を剥いた豆がどんどん積まれていきました。こちらもちょうど収穫期に当たった事もあり、ビックリするほど多くの量を見る事が出来ました。
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赤い皮を剥いた豆は水槽に暫く入れて外側のぬめりを取り、専用の場所で数日間天日干しをします。ここまでがこの農園で見学出来るコーヒー豆の収穫・加工行程です。天日干しの後、更に付いている"殻"を取り除いたものが緑色の「生豆」で、これを焙煎したものがあの美味しいコーヒー豆です。この過程は外注に出しています。ツアーの最後にはこの農園で収穫した豆のコーヒーを試飲して頂きました。結果として自前で販売している右画像のコーヒー豆をトータルで15袋ご購入頂きました。
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最後に集合写真を撮影してまさに「現地集合・現地解散」というユニークなツアーは楽しく無事に終了しました。ボゴタ在留邦人向けという特殊なツアーは勝手知ったるこの地ならではの緊張感もありましたが成功裏に終わり何よりでした。
来年もまたこのツアーを企画するかどうかは現時点で全く分かりませんが、希望される方々がそれなりにいらっしゃれば考えたいと思っています。日本から遠く離れたここコロンビアでの楽しい一時の過ごし方、こんなツアーもありますという一例を挙げてみました。

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巨匠フェルナンド・ボテロ、星になる

コロンビア・そして世界的芸術家であるフェルナンド・ボテロ氏がイタリア・ミラノの自宅で逝去されました。91歳でした。画家・そして彫刻家でもあったボテロ氏の作品はどれも丸みを帯びた独特の作風ですので、これだけで分かる方もいるでしょう。昨年は生誕90年記念として日本国内でも「ボテロ展」が開催された事もあり、足を運ばれた方も多いと思います。
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首都ボゴタにある「ボテロ博物館」に常設展示されている数多くの作品のうちの三点です。左が言うまでもない「モナリザ」、中画像の作品で描かれている男性、これはボテロ氏本人です(御本人は痩身でした)、そして博物館に入るとまず目にする大きな作品「手」です。ボテロ博物館内にはこの他多くの作品が展示されており、自作品の他にも氏が所有していたピカソ・ミロ・シャガール・ルノアール・ダリその他世界的巨匠の作品も展示されています。
「ボテロ博物館」という名前ですが、実はオープン当初は「ボテロ寄贈館」という名前でした。名前の由来通り展示されている大半の作品はボテロ氏が寄贈されたもので、首都ボゴタに数多くある博物館・美術館等で「通年入館無料」の施設としては史上初めてのものでした。無料で入館出来るのは現在も変わりません。そこには多くの芸術作品を国家に寄贈するにあたり「来館者からお金を取るな」というボテロ氏の強い意向があったようです。街中に溢れるボテロ作品のコピーの数々、例えば民芸品店でいくらでも見かける彫刻作品のレプリカや絵画のコピー等について商標権を巡り争ったという話は一度も聞いた事がありません。これも氏の意向が反映されたものでしょう。
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こちらはボテロ氏逝去の翌日、仕事でボゴタ旧市街地区にいた時に撮影したものです。博物館入口の「手」には献花が捧げられ、国会議事堂・コロンビア大統領府では偉大なる"マエストロ"ボテロ氏の功績を称え、哀悼の意を表す半旗が掲げられました。そしてペトロ大統領は3日間の服喪を発表しました。逝去当日のテレビ各局ニュース番組はマエストロ・ボテロ逝去の報で大半を費やし、各局ニュースキャスターはいずれも黒の喪服を着用してマエストロの逝去を報じました。ボテロ氏がいかに偉大な巨匠であったかが分かり得たものです。
マエストロ・ボテロ逝去の投稿に際してどのようなタイトルがふさわしいか色々考えました。氏のような偉大な方であれば死去・逝去というよりも遥か遠くに見える星になってしまったという方が自分なりにふさわしいと思い「星になる」と付けました。
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こちらはコロンビア第二の都市・メデジン市の中心部にある「ボテロ広場」に常設されている大掛かりな作品です。ボテロ氏はこのメデジン出身であり、前述のボテロ博物館に寄贈された多くの作品は当初出身地のメデジン市に寄贈する予定でしたが、結果として他の世界的巨匠の作品も含め値がつかない程の価値がある多くの作品はコロンビア国立銀行が管理を引き受ける事になり現在に至っています。
ボテロ博物館はメデジン市内随一の観光名所でもありますので、メデジンを訪れる際には是非とも立ち寄って頂きたい場所です。設置されている作品もいずれも丸みを帯びた作風です。これらはかなり大きな作品ですがボテロ氏が手掛けた彫刻作品等は世界各地に置かれており、日本国内でも複数の場所に設置されています。
コロンビア・そして世界的巨匠であった偉大なマエストロ・ボテロの御冥福をお祈りします。

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10月21日(土)催行・ボゴタ在留邦人向けビール醸造所見学と別荘で過ごす日帰りツアー

昨年初めて企画し受付上限数までお申し込み頂き催行・ご好評を頂いたこのツアー、今年もLINO Brewing社様との共同企画により最少催行人数20名様より30名様上限でお申し込み受付開始します。
自家用車御利用により現地集合・現地解散が可能ですのでお気軽にご参加頂けます。醸造所では各種ビールの試飲も行います。その為存分に味わいたい方向けに参加者混乗の専用車も別料金でご用意可能です。お申し込みお待ちします。
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ツアーパンフレットです。ビール醸造所見学の後、弊社社長家所有の別荘へ移動・昼食をお取り頂いた後、広大な敷地内でまったりと過ごして頂きます。追加料金のお支払いにより敷地内にあるコーヒー農園を見学する事も可能です。
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こちらは昨年のツアーの様子です。LINO Brewing様醸造所集合後に内部をご案内頂き、ご参加された大人の方々は各種ビールを試飲しました(お子さん方にはジュースを提供)LINOさんからはビールやジュースのおつまみも御提供頂き、楽しく美味しいツアーとなりました。そしてお土産としてLINOビールをお持ち帰り頂きました。
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ビール醸造所見学終了後、それぞれの車で西へ向かい弊社社長家所有の築約90年の別荘に到着、まったりとお過ごし頂きました。昼食にアヒアコを提供した他、エンパナーダや冷たいレモネードを差し上げ、希望された方々向けに約17,000本のコーヒーの木々に囲まれた農園内をご案内し、コーヒーの赤い実収穫体験もして頂きました。
このツアーは一日で「地ビール」と「コーヒー」二つを楽しむ事が出来るもので、他の旅行会社で全く企画していない当社オリジナル・且つ唯一ものです。週末の一時を楽しんで頂ければと思います。ご参加お申込みお待ちします。

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知られざる温泉大国・コロンビア

約三年間コロナ禍に巻き込まれて厳しい日々を送り続けていましたが、今年はようやく日本人の方々のコロンビア来訪数が徐々に増えてきている事を実感しています。現在は別の問題・円安の影響で海外旅行は費用がかさむ事からまだまとまった数の来訪はありませんが、例え個人単位であってもコロンビアを訪れる方々が増えてきているだけ有難い事です。
既に来年の話ですが新年早々「温泉地旅行」をする事が決まりました。それも私自身の個人旅行ではなく日本から来訪されるお客様の専属同行ガイドの仕事としてです。現在旅程を調整中ですが私自身の過去の旅行経験がこのような形で活かされるとは思いもよりませんでした。

アンデス山脈・そして複数の活火山を持つコロンビア、実は国内各地に多くの温泉地がある「温泉大国」である事は日本人の方々には殆ど知られていないと思います。新年早々コロンビア国内の温泉地を巡られるお客様は既に世界数十カ国の温泉地を巡られている「温泉マニア」です。今回コロンビアの複数の温泉地を指定・訪問を希望された事を嬉しく思います。私自身が訪れた複数の温泉地を改めて紹介します。

【クンディナマルカ県】
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私が訪れた温泉地の中で首都ボゴタから最も近いのがクンディナマルカ県チョアチ(Choachi)村にあるサンタモニカ温泉です。ここはボゴタから車で約一時間・標高約3,200mの山を越えたあたりにあります。直線距離にすれば数十キロ程度に過ぎませんが意外と時間がかかるのはアンデスの山越えがある為です。ルートの途中いきなりストーンと落ちるような地形があり、アンデス山脈の地形の変化がはっきりと分かります。
このサンタモニカ温泉、大小さまざまなプールがありますがこれは全て温泉であり源泉を水で冷ましています。そうでないととてもではありませんが入る事は出来ない、源泉はそれほど高い温度です。サンタモニカ温泉は硫黄臭がとても強く、肌や着衣にその匂いが暫く残るほどです。
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首都ボゴタから北へ車で約二時間、クンディナマルカ県・マチェタ(Macheta)にあるその名もLos Volcanes(火山)という名の温泉地です。クンディナマルカ県・北隣のボヤカ県にかけては多数の温泉地があり、マチェタとその付近にも多数の温泉地があります。山間にあるこのLos Volcanes温泉も知る人ぞ知る場所です。ここも高温の源泉を水で薄めています。前述のサンタモニカ温泉はリゾート地のような華やかさがありますが、このLos Volcanesはひなびた昔ながらの温泉地のような風情で、温泉自体はほぼ無臭です。
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首都ボゴタから北へ車で約一時間、かなり穴場的な場所がグアスカ(Guasca)村周辺の温泉です。まるで泥水のような濁った温泉ですが地中の鉄分が溶け出したものでかなり鉄分が濃い温泉です。このGuascaの鉄分が濃い含鉄泉は世界の温泉マニアの間では有名なようです。Guasca村近郊は露地もののイチゴの生産地としても知られています。

【リサラルダ県】
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世界文化遺産・大コーヒー地帯を持つリサラルダ県にあるサンタロサ・デ・カバル(Santa Rosa de Cabal)と付近にあるサン・ビセンテ(San Vicente)はコロンビア国内で最も有名な温泉地です。付近には現在も活発な活動を続けているルイス火山があります。サンタロサの方は大小さまざまな温泉施設があり、宿泊施設も充実しています。目の前には大きな滝(これは冷水)もあり風光明媚な場所です。他方、サン・ビセンテの方は秘境の温泉的雰囲気があり、コロンビア国内で唯一流れる川がそのまま温泉になっている場所があります。いずれも温泉はほぼ無臭です。
コーヒー地帯観光と合わせ、時間に余裕があれば是非ともこの温泉地を訪れて頂きたいです。

【ボリーバル県】
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カリブ海に面したボリーバル県にも「温泉」があります。世界遺産の古都・カルタヘナから車で約一時間、カリブ海のすぐ近くにあるのが世界的に知られている「トトゥモ泥火山温泉」です。この場所だけ土が盛り上がっていて、入場料を払って最上部まで行くと火口口(?)が全て泥沼のようになっている珍しい温泉です。正確なのかよく分かりませんが、話ではこの泥の層は推定の深さ約2,000m位まであるらしく地熱により微妙に温かいようです。そんなに深いのであれば沈んでしまう恐れがあると思いきやそうではなく、逆に横になってプカプカと浮く事が出来ます。また、温泉としての効能もあるとの事です。その為入場者は全身泥まみれになるのが常識です。
こんなに泥まみれになってしまっては後が大変だと感じる思いますがそこは上手く出来ていて、山を下りてとぼとぼと坂道を歩いて下った先に湖があり、そこで複数の女性が待ち受けていて有料で湖の水を使って丁寧に泥を洗い流してくれます。

この他にもコロンビア国内には多数の温泉地があります。温泉マニアの方々、是非ともコロンビア各地の温泉を訪れてみて下さい。きっと満足して頂ける事でしょう。

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2023年7月・ボゴタ市内観光ツアー他記録

7月は複数の個人・グループ・ご家族のお客様方をお迎えし、連日ツアーを催行しました。コロナ禍前に戻ったとはまだ言えませんが日本人の方々のコロンビア来訪数が確実に増えている事を実感しています。先日は一人旅の女性の専属ガイドを勤めさせて頂きました。
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NHKラジオ「まいにちスペイン語」をたまたま聴いて「そうだ、コロンビアに行こう!」と決めての一人旅。ノーベル文学賞作家のガブリエル・ガルシア=マルケスの小説もお好きだったようです。正直な所コロンビア来訪のお話しを頂いた際、当初は半信半疑でした。それが実現・本当にコロンビアを訪問され、こちらがかえって驚いてしまいました。先方は海外旅行自体はお好きなようで、その行先にコロンビアを選んで頂いた事をとても有難く思いました。
首都ボゴタでは画像の路面電車を模した観光バスによる混載ツアーをご案内し旧市街地区と周辺をひとしきり巡りました。ツアー開始直前までずっと雨が降り続いていたのですが、路面電車型バスで出発する直前にパッと太陽が顔を出してくれたのは幸運でした。
週末・祝日のみ運行しているこの路面電車型バスによる旧市街地区ツアーは当社ANDES TOURSオリジナルツアーとして採用したものです。自分で言うのも何ですが、なかなか良いアイデアだと思っています。
ツアー終了後、ボリーバル広場周辺を徒歩でご案内しコロンビア料理の昼食、そしてボゴタ市内最古のマーケットで民芸品をご覧頂きました。
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ツアー2日目は観光列車利用によるシパキラツアーを催行しました。ガルシア=マルケスの小説の舞台を彷彿とさせるレトロな車両に乗ってのシパキラツアーは専用車利用とは異なる旅情感があります。
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私が案内するシパキラ岩塩坑道ツアーは他の多くのツアーとは明らかに異なる内容です。岩塩坑道内部をご案内するのは同じですが(但し日本語)その後付近にある製塩工場をご案内し、更には首都ボゴタよりも歴史があるシパキラの旧市街地区も合わせてご案内するのが他のツアーとは決定的に違う点です。ちなみに観光列車に乗車すると車内でシパキラ岩塩坑道入場券と鉄道駅~岩塩坑道入口までの送迎バス利用券を販売していますので事前に坑道見学の準備が整えられます。その上で私がご案内するツアーはオリジナル性があるので他の方々は体験出来ない内容です。
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この日の昼食はシパキラ旧市街地区にあるレストランにてお取り頂きました。これらも含め全て私の頭の中でスケジュールを組んでいますので観光はスムーズに、鉄道駅に停車中の列車を撮影する時間的余裕もありました。そして同じ列車で再びボゴタ向かい到着後にホテルへお届けしてツアーは無事終了しました。
お客様はその後バランキージャ・サンタマルタなどをお一人で旅行され先日無事帰国されました。女性の一人旅という事で多少心配していましたが御本人はコロンビア旅行を存分に楽しまれたようです。

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世界のベストレストラン50常連・首都ボゴタのLeoでランチ

先日首都ボゴタのスーパー・レストラン等の視察同行案内の仕事があり、その過程で世界トップレベルのレストランでランチをする機会がありましたので後の為に記録として投稿します。尚、以下の記述は全て2023年7月時点でのものです。今後メニュー・金額等が変更する事は間違いありませんので予めご了承下さい。
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こちらが2023年版「世界のベストレストラン50」(The World's 50 Best Restaurants)第43位にランクインした"Leo"です。コロナ禍前までは別の場所にあり、そこへは過去に何度かお客様をお届けした事があります。今回移転後現在の場所に来たのは初めて、そして私自ら店内でメニューを実際食したのも実は初めてです。今までLeoで食事をした記事は幾つかあると思いますが、この記事は最も詳細に記述していると自負を持って投稿します。
我々はランチ6品コース+飲物のセットを予約しました。Leoは昼の部・夜の部共に完全予約制、予約時間から15分以上遅刻した場合予約が取り消されるという厳しいレストランです。
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こちらが店内です。モノクロ色を基調とし、照明を極力落としている為落ち着いた感じがしました。実は入店直後、この店のオーナーである有名女性シェフ、Leonor Espinosaさんが取材の為調理場にいました。彼女と話をする機会はありませんでしたが、日本から来訪された方々には彼女を知ってもらえました。
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ランチ6品は2つの異なるメニューがありました。ウエイターは英語も話しますので日本からの出張者の方々は英語で、そして私はスペイン語で一通り説明を受け、各品に合わせた酒(私は酒飲みですが仕事中だった為ノンアルコールで)・ペアリングの説明も受けました。
このクラスのレストランになるとウエイターと確認する事が色々ある為、英語・若しくはスペイン語の会話力がある程度ある事が絶対条件です。そうでないとそこから先に進む事が出来ません。
私の元に運ばれた丸い氷入りの飲物、一口二口飲んでみると甘いどころか「しょっぱい」塩気を強く感じるものでした。これは一体何だろうとしばらく悩んでいたのですが、それは「生生姜」ジンジャー+塩入りの「ジュース」だった事に気が付きました。結果として6品に付いたペアリングに相当するノンアルコールの飲物全ては砂糖が全く入っていない「完全無糖」これは徹底していました。Leoでは食事中に甘い飲物を提供するなど論外・まして炭酸飲料などは店に置いていないそうです。

これから紹介する各品について、Leoで提供されるメニューの大きな特徴が「コロンビア」にこだわり、国内のアマゾン・太平洋・カリブ地域で自生している果物・野菜・魚介類などをふんだんに使用している点です。メニューに表示されている食材名は首都ボゴタでは見かけないものも数多くあり、私としても説明が全く出来ないものでした。
また器にもかなりのこだわりがあり、ある方がこれらの器を見て「日本の懐石料理に似ていますね」ととっさにコメントされていました。
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左画像の二品(画像がブレています)、左は小エビをグアバソース+サワークリームで和えたもので、上には「海苔」が乗っています。右の品はきゅうりの一種・小ぶりのパパイヤ・サボテンの実の一種・そしてアマゾン地域に自生しているフルーツ(Coconilla)を合わせ、シャーベット状にしたものです。
右画像の左の品は魚介類(マグロと何か)をアボカドとArrayan(薬用にもなる木の実らしい)の実をペーストしたもので和えて胡麻ベースのクラッカーで挟んだものです。右の品は左の品にも使用しているアボカドとArrayanを揚げたもののようです。
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左画像ではウエイターが「シトラス」の果汁をスポイトで一滴垂らすパフォーマンスをしました。なかなか粋な演出です。Leoで提供されるメニュー各品のもう一つの特徴は「食べられる花」・エディブルフラワーを多用している点です。各品に添える事で見た目がとても美しく華やかに見えます。女性シェフ・Leonorさんらしい感性と細かさが見事に反映されています。
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こちらは自家製パン+自家製バターです。パンはともかく注目は右に添えられているオレンジ色のものです。これはバターを作った後に"Chontaduro(チョンタドゥロ)"というヤシの実の一種を乾燥・粉状にしてまぶしたものです。Chontaduroはコロンビア第三の都市・カリの人々が愛して止まないもので、現地の路上ではびっしりとたわわに実ったこのチョンタドゥロを枝ごと切ったものを台車に乗せて屋台で売っていて、皮を剥いたオレンジ色の果肉にハチミツをかけて食べるのが一般的です。器もまた凝ったものですが、バター一つとってもこだわりがあり感心しました。
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こちらは私がチョイスした方のメインの一つ、アマゾン流域に生息している世界最大級の淡水魚・ピラルクの塩焼きです。大きな骨が付いていてまるでスペアリブのようでした。添えられているソースは前述のChontaduro+ココナッツ、そしてChachafrutoという名の豆の一種のペーストです。調べた所このChachafrutoは栄養価が高く先住民の時代から薬用としても知られているもののようです。
ピラルク=川魚ですので臭みがあるのではと思いましたが食べてみるとそれは全くありませんでした。
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こちらはどうやっても訳し切れない「ライス」です。右側に赤い飲物が見えますが、これはカリブ海地方ではよく飲まれている「コロソ」(Corozo)という木の実のジュースです(勿論砂糖一切なしの為すっぱいです)どうやらこのコロソの赤い果汁が含まれているようです。
このように各品に付くペアリング用のノンアルコールの飲物はその品にも使用されているという組み合わせが多かったです。
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こちらはビーフでした。添えられたソースは先住民族・アルアコ(Arhuaco)族が現地で作っている「カカオ」を使用した完全無糖のチョコレートソースです。アルアコ族が作るカカオ豆は非常に質が高いもので、カカオ作りの歴史はコーヒーよりも古いとされています。
ビーフ自体は正直かなり固く、日本のような箸でも切れるような柔らかさは全くありません。完全に噛みしめるという歯ごたえでした。上に添えられたエディブルフラワーを乗せた葉はどうやらカカオの木に付く葉のようです(解釈が間違っていなければ)
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こちらがこの日最後の品、いわゆるデザートです。「アラサ」(Araza)という名のアマゾン地方に自生しているフルーツ+ピンクペッパーを使用し、下の白い部分はクリームチーズです。上の焦げた部分はフルーツ独特の強い酸味があり、割って中のクリームを口にすると非常に甘い、とても不思議な食感でした。
それまで紹介した全ての品々は「酸味」「塩気」がかなりはっきりしたもので、添えられたエディブルフラワーと共に口に入れるとその強い香りと相まって美味しいという単一の表現では表しきれない、とても不思議な味でした。それまで甘いと感じた品は一切なく、最後のこの品でかなり甘さを感じましたので強烈でした。

この数年連続して世界のベストレストラン50にランクインしているLeoで提供される品々を初めて味わい、改めてその理由が分かりました。全ての品々が強烈な個性(味)を持っていて、それらをどう表現したら良いのか未だに上手い言葉が見つかりません。6品コース+ペアリングの組み合わせで一人約15,000円ほどでした。
最後に特筆すべきコメントとして、Leoではペアリングの酒として"Sake"「日本酒(純米吟醸)」を提供します。私は元来日本酒党なのですがこの日は仕事という自覚があった為に酒類は一切口にしませんでした。その為、日本酒が出てくると知ってとても悔やまれました(苦笑)
SakeはLeoの個性あるメニューの味を損なわないものとしてLeonorさんが評価・採用されたのでしょう。前述にもある通り、器その他が懐石料理に似ているというある方のコメントと合わせ、単なる偶然かどうか知る由もありませんがとても素晴らしいものでした。

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ボゴタ旧市街地区を巡るTranviaツアー乗車記

7月に入り続々とお客様をお迎えします。その中で標高2,600m・富士山で言えば七合目にあたる高地に位置する首都ボゴタの旧市街地区を楽にめぐる為、数年ぶりに「Tranvia」ツアーに乗車しました。今回はその記録をアップします。尚、以下の記述はいずれも2023年6月現在のものです。料金及びツアールートは今後変更になる可能性があります。
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こちらがボゴタ旧市街地区の小道を巡るTranviaです。100年以上前実際に旧市街地区中心部を走っていた路面電車を模したミニバスです。サイズがちょうど旧市街地区の狭い小道を走れる幅になっています。
このツアー、金・土・日曜祝日の12:30PM、2:30PM、4:30PMに貨幣博物館(Casa de Moneda)前から出発します。私は事前予約なしで乗り場でツアー参加を申し込み運良く乗れましたがこのツアーは人気があるので事前予約する事をお勧めします。場合によっては満席という事も有り得ます。
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ツアーは約1時間10分、料金は大人35,000コロンビアペソ(約1,250円)です。前述の通り私は予約せず当日参加申込をして何とか乗る事が出来ましたがこのツアーは満席でした。ツアーは旧市街地区の細い小道を巡りながら走ります。標高2,600mのボゴタで旧市街地区を徒歩で巡ると思った以上に疲れます。日本で富士山の標高七合目を歩き続けるのと同じですからね。
途中、ボゴタ発祥の地・Chorro de Quevedoを通過します。この辺りが歴史あるボゴタでも最も古い場所です。その後旧市街地区から抜けて昔ボゴタがまだ小さな町だった頃の「郊外」へと向かいます。
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ツアーでは途中「ボリーバル邸(Quinta de Bolivar)」に立ち寄り20分ほど停車します。ボリーバル邸は南米独立の英雄・コロンビア初代大統領であるシモン・ボリーバルの功績を称え、時の政府が私邸としてボリーバルに与えた場所です。安倍首相(当時)が日本の現職総理として史上初めてコロンビアを公式訪問した際、公式日程の一番最初に訪れたのがこのボリーバル邸でした。ボリーバル邸への入場は別途支払いが必要で、内部を見学したい人は待機時間の中で見学する事が出来ます。内部に入らない方はガイドと共に近くを徒歩散策する事も可能です。
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ツアーでは途中ガイドがスペイン語により首都ボゴタやコロンビアに関する様々な歴史その他を説明してくれます。スペイン語が分からない方は無視する他ありませんが・・・その他スタッフが昔の衣装をまとって色々とパフォーマンスを披露してくれたりします。
ボリーバル邸を出発した後、標高約3,100mのモンセラーテの丘付近を通過、その後首都ボゴタ南部を一望出来る場所で一旦停車してくれたりします。私はビデオ撮影を中心にした為この後の画像がないのですが、展望スポットの後再び旧市街地区へ戻り再び小道を巡った後に出発地点に到着してツアーは終了となります。
一時間少々のツアーですが、この距離を歩いて巡るのは不可能に近い事もありますので便利・効率的且つお得なツアーと言えます。週末の古都ボゴタを楽しむツアー、機会がありましたらご参加下さい。

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2023年6月・ボゴタ市内観光ツアー他記録

今月は日本や同じ南米大陸の国・チリなどから観光・視察・国際会議等で立て続けにお客様をお迎えしました。円安の現状では海外旅行もなかなか厳しいものがあるかもしれません。その中で日本人の方々をお迎えする機会を頂いたのは有難い事です。
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まずは首都ボゴタで開催された「国際歯科研究学会(IADR)」で来訪されたお客様向けボゴタ市内観光ツアーの様子です。金博物館やエメラルド博物館をご案内した他、旧市街地区を徒歩で散策しました。旧市街地区では外国人グループの姿が至る所で見られました。
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昼食はコロンビア料理・ポテトシチューの「アヒアコ」とトウモロコシ粉を蒸したものでほのかに甘い「エンブエルト」をご案内しました。アヒアコ自体は10年以上のガイド業務で一体何度食べたのか記憶にないほどですが、この日のアヒアコは格別の味でした。
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この日昼食を取ったレストランは1816年創業・首都ボゴタで最も歴史があり且つ人気の所でした。この店は普段コロンビア人・外国人観光客問わず行列が絶えない人気店で特に昼時ともなればかなりの列に並ぶ事は必至の為、お客様を伴うツアーの場合昼食を取るのに列を作ってまでお待ちする事は何としても避けなければならないという事情から、実は今まで一度もこの店に入った事がありませんでした。ガイドの仕事を始めてから10年以上になりますが自分自身ついに初めてこの店でアヒアコを食べる事が出来ました。
実際食べてみるとさすが行列が出来る店+首都ボゴタで最も歴史あるレストラン、今まで食べたアヒアコの中でトップ5に入る美味しさに感動しました。
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ボゴタ市内最古の市場(現在は民芸品市場に特化)ではコロンビアの手工芸品では代表格の「ワユーバッグ」をご案内・買い求められました。先住民族・ワユーの女性手編みのこの肩掛けバッグ、昨今日本でも女性に人気の品です。この店では肩掛け部分のみも単品で販売していました。かなり珍しいです。
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そして先方のたってのご希望で日本でも「カカオハンターズ」の名で販売されているコロンビア産良質カカオ豆を使用したチョコレートを販売しているスーパーマーケットにご案内、ごっそり購入されました。コロンビアのお土産と言えばコーヒー豆が代表的ですが、昨今ではカカオ・チョコレート製品をお土産としてお持ち帰りされるお客様もかなり増えてきました。
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そしてこちらは同じ南米大陸でも現在真冬の「チリ」から観光で御来訪されたお客様です。お客様は現在チリに駐在中で南米にもお勤め先の支社があるとの事で、地続きのコロンビアは僅かながら赤道より北の「北半球」に位置していますのでこれから夏を迎え旅行シーズンとなる中での御来訪でした。御宿泊ホテルは旧市街地区のまさに中心にある歴史と趣があるこちらのホテルをご案内しました。
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こちらのお客様にはボゴタ郊外にある有名な観光スポット「シパキラ岩塩坑道」をご案内しました。有名な「塩の大聖堂」の他、中画像の場所をご案内しました。この中に貯まっている水、実は真水ではなく「塩水」です。この場所は観光客が訪れる事は全くない「超穴場」です。なぜここに塩水が貯められているか、それはこの場ではお答え出来ません。私がご案内するツアーでのみ知る事が出来ます。
そして歴史あるシパキラの旧市街地を見下ろす事が出来る展望スポットもご案内しました。この場所もシパキラ岩塩坑道を訪れる観光客の99.9%は立ち寄らないという穴場です。
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この日の昼食もまたアヒアコにしました(自分にとっては2日連続)実はこの店、前述のボゴタにある最古のレストランの「支店」なのです。今年このシパキラにオープンしたもので、こちらの店のアヒアコもまた本店に劣らない素晴らしい味です。つまり自分の個人的評価トップ5のうち2つはボゴタとシパキラの店のアヒアコなのです。とにかくこの店のアヒアコは何度食べても味がブレず(今のところ)とにかく美味しく、しかも他店よりも安いので昨今ではもっぱらこの店で昼食を取るようにしています。また、右画像にある「タマル(鶏肉が中に入っている、とうもろこし粉をバナナの葉で包んで蒸したもの)」も他店と比べてもかなり大きいサイズでしかも美味しいときています。

来月7月も日本その他から複数のお客様方をお迎えします。コロナ禍から3年、ようやく元の忙しさが戻ってきた感があります。これまで失った分を取り戻すべく仕事にまい進したいと思います。

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ナトリウム規制法(減塩法)によりコロンビアからレギュラー醤油が消滅

日本人にとってまず絶対的に欠かせない伝統調味料と言えば発酵食品である「醤油(しょうゆ)」「味噌」などが挙げられるでしょう。これらの品々のうち、醤油は日本に住んでいる方々であれば欠品の心配など考えた事もなく、まして家庭でご利用する分には大量に買い溜めをされた方などほぼ皆無に近いのではないかと思います。また、世界的にも醤油はSoy Sauce(スペイン語ではSalsa Soya)として広く認知されており、大抵の国では見かける品々です(味噌はなかなか難しいですが)しかしながらコロンビアではこの醤油(正確には塩分が多いレギュラー醤油)が市場から姿を消してしまい、当地において醤油を手に入れる事が不可能となりました。
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コロナ禍最中の2020年に国民の塩分摂取量低減を目的として決議された「ナトリウム規制法」いわゆる「減塩法」が2年の猶予期間を経て2022年11月から施行され、塩分が高いレギュラー醤油やオイスターソースなどの調味料の輸入・製造・販売が禁止、それに伴いスーパーなどの店頭から消滅しました。ボゴタ在留日本人の間でも昨年中盤から徐々に「日本の醤油を見かけなくなった」と噂されていましたが、この減塩法自体国民の間で広く公示されていた訳ではなく、レストランなど醤油が必需である関係者だけが知っていました。
減塩法は二段階あり、ナトリウム含有量により今回の第一段階で販売が禁止されたのがレギュラー醤油の他、オイスターソースや風味調味料(いわゆるだしの素)などの高塩分含有調味料です。第二段階では含有量の規制が更に厳しくなり、いわゆる「減塩醤油」も規制をクリア出来る基準を超えてしまう為、2024年にはコロンビアにおいて醤油が消滅・入手不可能となります。
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まるで私が「醤油コレクター」「醤油マニア」のように思われるかもしれませんが、実情はかなり深刻です。コロンビアにおいて今やこれらのレギュラー醤油を入手する方法はありません。ごく一部の店舗の棚にひっそりと残っている・それを探し当てるしか方法がありません。私自身は現在一人暮らしですのでこれらの量で当面の生活は維持できますが、ご家族の方々などはかなりひっ迫した状況下にあります。
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こちらは減塩法施行前に慌てて調達した中国製醤油です。日本の醤油と明らかに異なるのは、これらの中国醤油は人工甘味料を添加している為、醤油本来の味に加えてかなり甘みが強くなっています。日本で言えば九州の「たまり醤油」にかなり似ています。中国醤油はそのまま食味すると甘醤油らしいかなり強い味ですが、煮物に使う分には砂糖入らずの為かなり重宝しています。この中国醤油も今年3月位までは店頭に相当数並んでいたように記憶していますが、いつの間にか完全に消えてしまいました。日本のレギュラー醤油より消滅が遅かったのはナトリウム分(塩分)が少ない為第一段階での販売規制から逃れたのではないかと思っていたのですが、あっという間に市場から消えました。これにより現在コロンビア国内で中国製の醤油を入手する事も不可能となりました。
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意外と思われるかもしれませんが、コロンビア国民は実は中南米諸国ではトップレベルの「米食国民」です。メキシコを含む中米北部諸国では米よりもトウモロコシ粉を使ったいわゆる"粉もん"系の「タコス」などが主食ですが、コロンビア国民は地域によって同じトウモロコシ粉を使った「アレパ」を主食とする地域もありますが基本的にはとにかくご飯が大好きです。地域によっては朝から米食であり、白米に目玉焼きを乗せて食べるコロンビア人もいて、日本の卵かけご飯を食べるような感覚です。
その中でも特にコメの需要が多いのが実はコスタ(海岸)地域で、ここでは「ココナッツライス」が好まれています。海岸地域で米の需要が多いのは暑く湿気が多い土地柄、小麦粉やトウモロコシ粉は日持ちがしない為乾燥保存が容易な米が好まれているのではと思います。

ここで特筆すべき事は、コロンビア人はご飯を炊く際にはまず生米に塩と刻みネギなどを加えて油で軽く炒めた後、水を加えて炊き上げる点です。これにより同じ白米でも日本のご飯とは異なり塩気を感じる味になります。その他にもご飯に合わせたおかず類の大半は塩・若しくはブイヨンを多用する為、かなり塩気が強いのが特徴です。その為高血圧などの成人病が問題視され、それを改善させるための減塩法施行ですが、まず真っ先に市場から撤退させられたのがコロンビア人にとっては必ずしも生活必需品ではなく施行による混乱が少ない醤油・ソース類・風味調味料等です。私はコロンビアに住んでいますが外国人ですので政府の政策に対して反対と意思表明をする事は出来ません。ただ法律に従うのみです。

これはある方から聞いた興味深い話です。日本人は食後に甘いもの・デザート類を食べる習慣がなく、対してコロンビア人は食後に男女問わず飴を舐めたり大量のアイスクリームやケーキを食べたりするなどの習慣がありますが、この違いは「調理法の違い」です。
日本の普段の料理は醤油・味噌などの塩分が強めの発酵食品を「少量」使用する事で塩そのものの使用量は実は意外と少なくしているのです。この他にも実は意外にも「砂糖」を使います。例えば「煮物」に砂糖を使用しますし、豆類なども甘く煮付けたりだし巻き玉子のように砂糖を加えるものや日本伝統の「蕎麦」のつゆ、あんかけの甘酢など砂糖を使用する品目が多く、それを知った外国人は「日本人はこんなに砂糖を使うのか」と驚くそうです。料理に既に砂糖が加えられるので日本人はそれ以上甘いものを欲しないという理屈です。

対してコロンビア料理もそうですが諸外国の料理で砂糖を使うものは実はあまり多くありません。大抵は塩・ブイヨンなどを多用します。豆は「塩茹で」が当たり前のコロンビア人にとって甘く煮た豆・例えば「あんこ」など「もっての外」吐き出す人もいる程です。とにかくあらゆる品に塩を直接投入する為塩分が強い味になる、なので食後に体内を中和させる為あれだけ甘いものを欲してしまうのだという事です。

長くなりましたが、結論としましてこれからコロンビアに駐在等長期赴任される方々、コロンビアでは法律によりレギュラー醤油・だしの素などを入手する事は不可能ですので覚悟してご着任下さい。今後についてはまだ分かりませんが現在流通している「味噌」もいずれコロンビアから消える運命にあるかもしれません。

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イベントから繋がるラテンアメリカ・コロンビアへの道

一年ぶりに一時帰国しています。コロンビアでの生活に大きな不満はないのですが、この歳になるとやはり祖国日本は素晴らしいと心底感じます。綺麗に整備された道路・高品質の品物が溢れるスーパー・電車やバスの快適さなど列挙すればきりがありません。その中で唯一気になっているのが行き交う方々の「マスク使用率」の高さです。
コロンビアでは既に入国に際してコロナワクチン接種証明書やPCR検査陰性証明書などの提示は不要となり、公共の場所でのマスク着用義務は撤廃されています。日本でも同様になりましたので今や観光地に溢れかえる外国人観光客の大半はマスク不着用ですが、日本の方々は電車・バス・スーパー店等あらゆる所で未だマスクを外す事に抵抗があるのか、見た限りでは80-90%程の確率でマスクを着用されています。これはコロンビアから帰って来た私には失礼ながら今や奇異にしか見えません。前述の通り観光地に押しかけている外国人観光客は日本を自由に堪能されているのと相反して日本人の方々の海外渡航率・数が未だ伸び悩んでいるのはまだ根底にある「コロナウイルス感染恐怖症」があると推察します。
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そんな最中ですが先日都内隅田公園で開催された「カリブ・ラテンアメリカストリート」というイベントに足を運びました。中南米カリブ諸国の食や音楽・手工芸品などを紹介・販売するもので、コロンビアから一時帰国中の私にとってもなかなか面白いと感じた為早くから関心を持っていました。この日は好天にも恵まれ想像以上の入場者で賑わっていました。
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私はこの会場でジャマイカ名物ジャークチキン、アルゼンチン名物のチョリパンやマテ茶などを頂きました。その他にもメキシコ名物のテキーラやキューバ名物のモヒート・キューバ風サンドイッチ、焼肉など多数の品々が並び盛況でした。
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ステージでは複数の国の音楽や踊りなども披露され、その場で踊る方々の姿もありました。特筆すべきはこの会場でのマスク着用率の低さでした。おそらくですがこの暑さと熱気・盛り上がりの中でもマスクを離さなかった方々は半分以下ではなかったかと思います。Img_20230527_103949_9471 Img_20230527_104025_3021 Img_20230527_104012_7661
現在公共の場所でのマスク着用は「任意」ですので個人の判断にゆだねられています。その中で少しずつではありますがマスクから解放されて以前の自由な生活を取り戻す意識を持ち始めた方々が増えてきたのは喜ばしい事です。
このイベント、カリブ・ラテンアメリカストリートで私が着目したのはイベント自体の華やかさに加えて、来場者の方々から時折聞こえた「楽しいね、海外に行きたくなる」という声でした。未だ海外旅行へ出る人の数が伸び悩んでいる中、このようなイベントを通じて少しでも海外に行ってみようという意識が芽生えるのはとても良い機会ではないかと思っています。

この日の為に私個人アカウントのSNSサイト上でコロンビアが好き・コロンビアへ行ってみたいという方々との懇親の場を告知し、実際複数の方々とお会いする事が出来ました。私自身は以前にも表明していますが、SNS経由での情報発信は基本的に個人でコロンビアを訪れたいという方々を対象としており、インスタライブなどでの現地コロンビアの様子も個人向けにしています。
旅行会社に営業をしても結局そこから個人客の方々に観光地としてのコロンビアをどうPRするかは各旅行会社の裁量次第であり、それでは実際旅行される個人には上手く伝わらないのではと常々思っています。それが故に私は直接個人の方々にコロンビアの良さをPRしています。
そのような事もあり、今回のこのカリブ・ラテンアメリカストリートなどの屋外イベントはラテンアメリカ・コロンビアへ行ってみたいと思って頂ける絶好の機会であり、今後少しでも海外旅行へ行こうという機運が高まる事を願ってやみません。

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日本人観光客来訪を待ちこがれる日々

4月に入り突然、何かタガが外れたかの如く当社のコロンビア人顧客の方々が続々と「日本を旅行したい」と希望され、対応に追われています。コロンビアにいながら日本国内の観光名所を巡る周遊プランの作成をするという日々で少々戸惑いを感じています。
日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年3月の外国人観光客入国者数は約182万人・コロナ禍前の2019年同月と比較して約66%まで戻ってきました。東京・京都その他の観光地は今や外国人観光客で溢れ、空港でも入国審査の列が相当なものだと日本の同業関係者の方々から聞き及んでいます。現在私が必死になってプランニングしているコロンビア人のお客様方も6月から順次日本へ向かう事になっています。

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コロンビアを訪れる外国人観光客数も再び上昇傾向にあり、2023年第一四半期に来訪した外国人数は約106万人で前年2022年比47%アップとなりました。首都ボゴタの旧市街地区その他の観光スポットでは今や多くの外国人観光客の姿を容易に見かけます。団体旅行は日本を含むアジア圏旅行者特有のパターンなのかと言えばそうではなく、ボゴタでもドイツやアメリカその他からの団体グループがひとかたまりになって歩いている他、外国人個人旅行者の数も相当増えてきている事を実感しています。コロンビアはもはや「危険な国」というよりも観光地として完全に認知されているのは確実です。

他方、2023年3月の日本からの日本人出国者数は約70万人、これもコロナ禍前の2019年同月と比較してたった36%にとどまっているという発表もありました。前述の外国人入国者数が約70%水準まで戻って来たという状況に相反する、かなり厳しい現実です。
ボゴタの観光スポットでもやはり日本を含むアジア系の観光客の姿はほぼ皆無に近い状況です。
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私自身はこの地に住み始めてから既に25年が経ち、この間多くの日本人観光客の方々をご案内してきました。最初の10年ほどはコロンビア国内がまだ最危険国だった事もあり国外から観光で訪れる方の数はそれこそ年間数組程度でしたが、治安の良化に伴い昨今ではコロンビアを観光するのに何ら抵抗なく訪れる日本人の方々がかなり多くなってきました。その数は年々右肩上がりになって来たばかりでしたがコロナ禍に巻き込まれ、再び一からやり直しのような状況になってきています。
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こちらは2018年6月にワールドクルーズの途中で世界遺産の古都カルタヘナに寄港した日本の豪華客船「飛鳥II」です。この時には約700名のお客様方をお迎えし、カルタヘナ市内観光各ツアー手配の総責任者として無事大役を果たしました。私が今までご案内した日本人の方々で一度にお迎えした数では勿論この時が過去最多です。飛鳥IIワールドクルーズはこれ以降今年に至るまで残念ながらワールドクルーズを行っておらず、再開・コロンビア寄港を心から待ち望んでいる次第です。

私が普段ご案内している日本人観光客の方々は昔も今も個人旅行で来訪されるケースが殆どで団体ツアーの取扱は殆ど行っていません。しかしながら個人・団体を問わず再び日本人の方々が一人でも多く未知の国・コロンビアを観光で訪れて頂く事を願ってやみません。

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2023年3月お客様アテンド記録

長らく続いたコロナ禍を経て日本人の方々の来訪が以前の状態までかなり戻ってきている事を実感しています。コロンビア訪問目的は観光であったり国際会議・商談・視察等様々ですが、日本人の方々をお迎え・ご案内する機会が増えてきたのはとても嬉しい事です。
今月3月も複数のグループ等をお迎えしました。後の記録用として保存しておきたいと思います。
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今月は偶然が重なりましたが「岩塩坑道」で有名なシパキラの町をご案内する事が多かったです。コロンビア有数の観光地であるシパキラ岩塩坑道は外国人観光客の大半が訪れる場所ですが、殆どの場合坑道と内部にある地下十字架や大聖堂を見た後にシパキラの町から去ってしまいます。歴史あるシパキラの旧市街地区を訪れる観光客の姿は殆どないのが残念です。風情ある建物を是非ともご覧頂きたく、私がご案内するツアーでは必ず立ち寄るようにしています。
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今月は筑波大学の学生さんグループが日本から短期研修目的で当地ボゴタに来訪されました。当地での滞在期間中コロンビア国内の私立大学ではトップのロスアンデス大学での研修その他「コロンビアを知る」為に短い訪問期間で様々な場所を訪問され、有意義な一時を過ごされたようです。週末にはシパキラ岩塩坑道観光にご案内し、皆さんにご満足頂いたようです。
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その僅か2日後にはこちらも日本からグループのお客様が来訪されました。中米の複数国で世界遺産遺跡観光をされ、最後の訪問国となったのがコロンビアでした。首都ボゴタの他こちらもシパキラ岩塩坑道をご案内し、翌日の便で世界遺産の古都・カルタヘナへ向かい観光され帰国の途に就かれました。
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シパキラを訪れる観光客の殆どが立ち寄らない旧市街地区中心部です。広場を囲むように大聖堂や趣のある建物が立ち並んでいます。前述の通り私がご案内するシパキラ岩塩坑道ではこの場所にほぼ必ず立ち寄って頂きます。首都ボゴタの旧市街地区と比較して全く劣る事なく、むしろ観光客の姿が少ない分のんびりと歩きながら散策観光が出来ます。
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首都ボゴタ及び近郊での名物料理であるポテトシチュー「アヒアコ」シパキラでも美味しいアヒアコを食べさせてくれる店がオープンしました。と言っても店自体は新しいですが「本店」はボゴタの旧市街地区にある有名店ですのでとても美味しかったです。
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首都ボゴタのホテル事情も10年前と比べると格段に向上しました。10年前はホテルの数そのものが少なかった為選択肢が限られていました。現在では様々なタイプのホテルが林立しています。こちらは古い洋館を大改装したホテルです。外観はそのまま残している為レンガ造りの美しさが際立っています。このホテルがある場所は完全な住宅街で周囲に観光スポットは全くありませんが滞在その者が楽しめそうです。
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ホテル内部のまた重厚感に満ちた美しい造りです。感じた限りでは宿泊者の大半はコロンビア人ではなく国外から来訪した観光客だったように思います。ビジネスや国際会議目的ではなく観光目的で首都ボゴタを訪れる場合にご利用される価値が十分あるでしょう。
徐々にではありますが日本人の方々がコロンビアを訪れて頂いている事に喜びを感じています。

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カリ出張記-2-

先日の事になりますがコロンビア第三の都市カリ市に出張しました。昨年12月にも出張したのですが今回は日本から来訪されたお客様をご案内しての「本番出張」でした。前回の出張で下準備を整えた事もありとても良い結果を残す事が出来、お客様もとてもご満足されました。
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前回出張時に事前視察先として訪れた「カリ動物園」ここがお客様の訪問希望先でした。今回の訪問にあたり先方のご希望でカリ市動物園側に対し希少動物達の保護目的で多額の寄付をされた事が特筆されます(先方が希望されていませんのでお名前等は非公表とさせて頂きます)カリ動物園側から園長直々にお礼の言葉を頂きました。
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今回ご来訪されたお客様が見学を強く希望されたいたのが「Pacaranas(若しくはGuagua・大型ネズミの一種)」と「Mapache(カニクイアライグマ)」です。いずれも南米大陸固有種の動物らしく、近年その数がどんどん減ってきています。世界中の動物園を訪れ希少動物達を見学させている先方のコロンビア・カリ市訪問はまさにこの二つの動物を見る為だけのようなものでした。いずれも夜行性動物で日中は熟睡している事が殆どです。今回の訪問時も例外なくそうでした。
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カリ動物園側からは事前に「特別の案内は出来ない」と言われていたのですが、先方が高額の寄付をされた事もあり結果としては係員二人を専属ガイドとして充て、一般入場者は決して立ち入る事が出来ない「バックヤード」と呼ばれる非公開エリアまで案内してくれました。全く期待していなかった分、先方もとても喜ばれていました。こちらではペアのPacaranaを至近距離で見学する事が出来ました。このバックヤードは普段は真っ暗にしているのでたまたま起きていた所を訪問する事が出来ました。
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カリ動物園にはこのPacaranaが三匹保護されていて、もう一匹は単独で誰でも見られるエリアにいました。日中はやはり爆睡していて全く動かず夕方まで全く起きる気配がなく、閉園時間が迫る中で先方も「もう諦めましょう」と仰ったのですが私には何か感じるものがありもう少し待ちましょうと粘った結果、何と目を覚ましました。この偶然には我々もビックリでした。そして係員が置いた餌の香りを感じてのそのそと動き出したのです。これには先方もとても歓喜されていました。諦めて帰らなくて良かったです。
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カニクイアライグマの方は凶暴性があるという理由から、こちらは専属としてついてくれた係員も含めさすがに至近距離まで近づく事は出来ませんでした。こちらもやはり閉園時間ぎりぎりまで起きる気配がなく諦めようとしたのですが、こちらも私が何となく気掛かりですと待って頂いたところ、何と二匹共に奇跡的に目を覚まし、ついに動き出してくれました。これには正直驚きました。先方は今日は無理でしょうと諦めた所を引き留めた甲斐がありました。
結果として先方が強く見学を希望されていた二種類の夜行性希少動物の動く姿を捉える事が出来、とても感謝されたのは光栄でした。
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今回訪問したカリ動物園にはこの他、コロンビアの国鳥であるアンデスコンドルやジャガーその他、今やコロンビア国内では絶滅危惧種に指定されている希少動物が多数保護されている他、小さいながら水族館もあります。コロンビア国内では最も整備された動物園と言えようかと思います。
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カリでは先方のご希望もあり、ちょっと変わった「コロンビア料理」もご案内しました。こちらはその一つ「Calentao」と呼ばれているものです。ライス・豆・豚肉・ソーセージなどが入っています。調べた所これはご飯と残り物のおかずを混ぜ合わせた「残り物飯」が起源のようです。スペイン語でCalentarは温めるという意味合いがありますのでまさに残り物飯を温め直したという感じそのものです。目玉焼きやアレパと呼ばれるトウモロコシ粉を使ったおやきが上に載っています。このCalentao、美味しいかと聞かれたら「うーん」と戸惑ってしまう味でした(汗)ちなみにこのCalentaoは通常「朝食」として食べるそうです。朝からなかなかすごいボリュームです。
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こちらは先日NHK WORLDの番組「BENTO EXPO」でも紹介した「コロンビアのお弁当」であるFiambreです。この店では何とボコボコ状態のアルミ製の弁当箱(当地ではこれは本当に使用されています)で提供されました。カリでもFiambreは知られたお弁当スタイルですが、これはリアルでした(苦笑)中の具は様々ですが、今まで何度か食べたFiambreの中でこの店のものが一番味付けが濃かったです。
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カリを訪れる機会があり懐具合と時間に余裕があれば是非とも入って頂きたいのがこちらのレストラン・Hacienda del Bosqueです。門をくぐった途端別世界で100年以上前に戻ったような錯覚に襲われました。それほど全く異なる空間でした。ここはカリ動物園に隣接していて、川をまたいで隣はまさに動物園の敷地でした。
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平日のメニューはインターナショナル風のものでした。とても洗練された味で美味しく、何より昔の富豪の屋敷を改装したものと思われる建物と敷地内が素晴らしかったです。カリ市内のレストランでは総合No.1と言えます。
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4日間のカリ市滞在を終えて離陸した直後の風景です。カリ市郊外にはこのような広大な平野が広がっています。肥沃な土地として知られているこの地に日系移民の方々が多いのも納得出来る素晴らしい風景です。私自身はこのカリに着くと何となくホッとします。長らくその理由が分かりませんでしたがようやく納得出来ました。広大な平野と周囲の山々の風景が「日本」に似ているのです。
今回の出張、二種類の動物を見たい・その為に日本から遙々来訪された先方の願いを叶える事が出来、私自身も肩の荷が下りました。

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コロンビア旅行博覧会2023開催

業界関係者にとっては年に一度のお祭りであるコロンビア旅行博覧会が今年も開催されました。毎年2月最終週に開催される旅行博は国内外から多くの旅行業界関係者が集結する一大イベントです。
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今年のコロンビア旅行博はコロナ禍の影響はもはや片隅にもないという程のすごい熱気に包まれていました。会場内は歩くのも困難な程の入場者で賑わい、活況を呈していました。私は長年コロンビア国内において常勤している唯一の日本人旅行業者という事もあり、一体どれだけの入場者数か分からないほどごった返していた中においても会場内にいた唯一の日本人(含むアジア系)でした。

近年コロンビアを訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、新しいデスティネーションとして注目されています。日本人の方々のコロンビアに対するイメージは未だに「麻薬組織・テロ・ゲリラ」と言ったネガティブな印象が根強く残っているようですが、欧米や南北アメリカ大陸各国の人々にとってそれはもはや昔の話として認識されており、事実国内の主要観光地では非常に多くの外国人観光客の姿を見かけます。
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コロンビア国内の観光事情は昨年来インフレ率の高さ(ベネズエラ・アルゼンチンに次いで中南米では三番目の高率)と通貨安・移動費用(航空券やバスなどの運賃)高騰などでなかなか厳しい状況下にありますが、国外から来訪される方々にとって特に通貨安は逆にコロンビアを旅行するのに割安になっています。その事もあってか昨今では国外からの観光客誘致に更に力を入れています。私もそれは同様であり、コロンビア国内唯一の日本人旅行業関係者として近隣諸国・そして日本から来訪される方々の為に日々コロンビアの見どころなどを情報発信しています。
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コロンビアの観光的魅力は何と言っても変化に富んだ地形・地域でしょう。カリブ海から標高5,000m級の雪山まであり、砂漠地帯もあればアマゾンジャングルもあり、世界遺産・コーヒー地帯や五色の川あり、先住民の人々に容易に接する事も出来る。コロンビアに全てがあるという事ではないですが他の国々にはこれはあってもこれはない、それがコロンビアはかなり多く「凝縮」されているように思います。
赤道に近い為一年を通じて気候が安定していて四季がない(雨季と乾季の違いのみ)ので一年を通じて旅行し易い環境にもあります。
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コロンビア国内では地域によって異なる多くの民族舞踊・音楽・お祭りなどが盛んなのも特筆されます。気候帯により伝統音楽のテンポが違い民族衣装も全く異なる、その違いを知ってみるのも良いでしょう。コロンビアの伝統音楽・舞踊などは日本の方々には全くと言えるほど知られていないのが現状だと思います。
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花や鳥・蝶などに興味がある方にとってもコロンビアは魅力的な国です。鳥や蝶類の種類では世界屈指の数を誇るコロンビア。バードウオッチングツアーなども盛んです。日本から来訪されたお客様と共に先日訪れたカリ市内の動物園内にはとても多くの蝶が舞うエリアがあり、日本でもよく知られているモルフォ蝶他多くの蝶達がまさに乱舞していました。

ほかにも国内東部・メタ川流域ではスポーツフィッシングも盛んで世界中からマニアが訪れるフィッシングスポットです。現地は国立公園・且つ厳密に管理されていて認定業者による事前立ち入り許可申請が条件とされている事、個人の単独行動は一切禁止されている事などもあり、スポーツフィッシングの場としては整備されています。それもあってか大型の魚・怪魚(ピラニアでは今や個体数が激減している赤い目が不気味な"レッドアイ"など)等、様々な種類を釣り上げる事が出来るようです(スポーツフィッシングですから勿論その場ですぐリリース)
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コロンビアは時間的・距離的に日本から最も近い「南米大陸の国」です。アマゾンエリアにも空路移動では最短時間でたどり着く事が出来ます。コロンビアアマゾンはブラジル・ペルーと国境を接する三国国境地帯という珍しい地域でもあり、且つ普通に暮らしている先住民の人々に接する事も出来ます。コロンビアアマゾンエリアは開発の手が殆ど及んでおらず、自然のままの状態が未だ多く残っています。

前述の通り私はコロンビア国内唯一の日本人旅行業関係者という存在ですが、コロンビア政府から何かの支援・協力を頂いた事などは一度もなく、全て個人で長年コロンビアの魅力を発信し続けています。勿論支援や協力があればもっと力を入れる事も可能かと思いますが、それがない現状、個人単位で出来る事は資金面的にも限られています。その中で少しでも日本人の方々にコロンビアという国を観光地的魅力の点から知って頂ければと常々思っています。

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NHK WORLD "BENTO EXPO"にてコロンビアコーヒーとコロンビアのお弁当紹介

先日、NHK WORLD "BENTO EXPO"にて日本人の方々に史上初めてコロンビアのお弁当・Fiambre(フィアンブレ)を紹介しました。また、コロンビアのお弁当には「コーヒー」という事で、FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)さんのご協力による空撮映像も含め、弊社社長家所有のコーヒー農園の風景を放映しました。下記のサイトをコピー&クリックしますと放映された番組が2024年2月17日までご覧頂けます(著作権の関係で番組そのものの場面や番組ロゴを掲載する事は出来ません)

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2077068/

BENTO TOPIXコロンビアは10分28秒あたりから始まります。
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コロンビアのお弁当・フィアンブレの中の具はライス・揚げバナナ・チョリソ・ゆで卵・焼いた豚肉・チチャロン(豚の皮や脂身部分を油で揚げたもの)・ギソ(Guiso・野菜類を煮込んだもの)にポテトを細かくカットしてまぶしたものと、ボリュームたっぷりです。これを農園に植えられているプラタノ(調理用バナナ)の葉で包んだものです。日本で言えば昔の「竹皮弁当」みたいな感じです。
番組をご覧頂くと分かりますが、そのプラタノの巨大な葉をあぶっている場面に驚かれた方々が多いようです。勿論家庭の台所ではこんな大きな葉をあぶるのは不可能で、通常はカットされた葉を買うのが普通ですのでコロンビア人もこのような場面は初めて見たという人もいました。

フィアンブレは農作業をする人達のお弁当、若しくは郊外に出掛ける際のお弁当としてコロンビア人には広く親しまれている「コロンビア料理」です。中の具は地域によって微妙に異なり、焼いた豚肉が挽肉だったり牛肉だったりと様々です。その為これが正統のフィアンブレというものはありません。共通しているのはライスが入っている事でしょう。コロンビア人は意外にも米食国民でライスをよく食べます。
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コロンビアコーヒー紹介に際しては弊社社長家所有の農園で収録しました。お弁当にコーヒー・一石二鳥の場面を撮影出来ました。この日は天気も良く、ある程度納得できる映像が撮れたように思います。放送は僅かな時間ですが、少しでもコロンビアの紹介になれば光栄です。

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