2025年新年・コロンビアのカカオ農園見学

新しい年・2025年が始まりました。昨年は良い一年となり無事過ごす事が出来ました。
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今年も特に大きな目標など立てず一日一日を有意義に・そして健康で過ごせるのが一番だと思っています。今回もお節もどきをサッと作り、お雑煮を作って食べる事が出来ました。例年ですとここにお酒が入るのですが今年は元日からガイド業務があり出張の為アルコール抜きで自宅を発ち3日間ガイドとしてコロンビア国内西部の世界遺産・大コーヒー地帯で過ごしました。
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滞在したのは首都ボゴタの西にあるコーヒー地帯・キンディオ県とリサラルダ県でした。今回の主目的はコーヒー農園訪問ではなく、パイナップルやバナナ・アボカドその他様々な農産品を見る事で、それぞれの木々と鈴なりの実を目の当たりにする事が出来ました。その中で私自身最も驚いたのが視界一杯に広がる「カカオ」の木々と無数の実でした。
キンディオ県は標高約1,300mの高地にあり朝晩は若干冷涼な気候の為、元来カカオ生産にはあまり適さない地です。今回3日間の訪問で私自身として最も感動したのがこのカカオ農園で、こちらも先に訪問した日系人農家さん訪問と合わせて27年のコロンビア生活で初めて見た光景です。今までコーヒー農園はコロンビア国内各地でルビーのような赤い実が鈴なりの光景を何度となく目の当たりにしました。本件は車での移動途中で全くの偶然でしたが、視界一杯にカカオの木々が広がりそこには無数の実がまさに鈴なりの状態で驚く事しきりでした。
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こちらの農園は個人所有で観光用として一般の人々を受けて入れている訳ではなさそうですので具体的な場所等の説明は割愛します。それでもどうしても広大なカカオ農園を知りたく、いわば勝手に敷地内に入ってしまった上で農園内にある邸宅にたまたまいた所有者のご家族に頼んで見せて頂きました。そして別の場所にいたのがカカオ農園で働いている画像の農夫さんのご家族で、実際カカオの木々を管理している農夫さんにも説明して広々とした敷地を案内してもらいました。
農夫さんの後を付いて農園内を歩き始めた所それまで見えなかった場所にも更にカカオの木々が広がり、あまりの広大さに二度驚く事になりました。農夫さん曰くこのカカオ農園は今から約7年前にそれまでコーヒーの木々があった所を開拓し、カカオの木々を植え始めて現在ここまで実が付くようになったとの事です。前述の通りここは標高が高い地ですので本来カカオ生産には不向きの筈ですが、ここまで成功したのは何と言っても世界的な兆候である気候変動が影響し、この地も数年前より気温自体が上昇している事が一因になったようです。
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カカオの実の収穫は通常二週間に一度行うとの事です。左画像にある実のうち黄色がかってきたものがそろそろ収穫を迎え熟してきたものです。農夫さんが収穫に適した黄色の実を切って見せてくれました。手のひらと比較してカカオの実がいかに大きいかがお分かり頂けようかと思います。そして身を割ると中には白い膜がぎっしり詰まっていて、例えで言うとみかんの皮を剥いた時の中身のようにこの白い膜がそれぞれ独立していてその中に「カカオ豆」が入っています。この白い膜の部分は容易に剥がれ、口の中に含むと何とも言えない甘酸っぱいいわゆる果実の風味が口一杯に広がりそれは最高の贅沢で、このカカオの実がフルーツである事を実感した至福の味でした。
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収穫した実から膜を取り除いた豆を室温40℃以上にもなる室(むろ)で約一週間発酵させます。確かに室の中はまるでサウナ室のようなムッとした熱い空気に包まれています。発酵させた豆はその後ビニールハウス内に移してこれも約一週間程度乾燥させます。右画像の乾燥中の豆の色は既にあのチョコレート色になっています。こちらも勿論自分としては初めて見た光景です。
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乾燥中のカカオ豆を割って見せて頂きました。中は発酵・乾燥を経て完全に「チョコレート色」になっています。これを十分乾燥させた後に袋詰めをして出荷です。昨今カカオ豆の価格もコーヒー豆と同様気候変動の影響もあり高騰していてこの農園にも買い取りを希望する業者が時折訪れるとの事ですが、こちらの農園で収穫したカカオ豆は基本的には大手チョコレートメーカー(名前は割愛)との契約で卸しているそうです。
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このカカオ農園内には一般向けに宿泊施設もあります。ここはまさに「隠れ家」的な場所で普通乗用車一台がやっと通れる急な坂道を上がった末にこの光景が広がります。広大なカカオ農園自体は観光客向けに開放出来るような整備は全くしておらず、それこそ「秘密の場所」を見つけたような高揚感を感じました。ここであれば一日でコーヒー農園とカカオ農園の両方を見学する事が出来ます(農園までたどり着く道幅の都合で一度にご案内出来るのは数名限定)新たな発見、素晴らしい体験をさせて頂きました。

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コロンビア移住日系人農家さんを訪問

先日故あってコロンビアに移住された日本人(日系)農家さんを訪問する機会を得ました。場所はコロンビア国内第三の都市・カリ近郊です。
コロンビアに移住された日系の方々とはこれまで何度もお会いしていますが、私自身27年のコロンビア生活で初の農家さん訪問となりました。それはとても貴重な一時で私にとり生涯思い出に残るものです。
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今回訪問させて頂いたご家族は1935年に日本から移住されました。現在は当時移住されたご夫妻から数えて三世のお孫さんが農業を継がれています。カリから車で約30-40分、農園が近づくとこの地特産のサトウキビ畑が視界一杯に広がります。日本では沖縄や奄美諸島などでサトウキビ生産が盛んなようですがここは面積的に桁違い・肥沃な大地である事を実感します。画像右の建物が日本から移住された一世の方が開拓・拠点とされたご自宅です。今回はこことは別のお二人・三世の御兄弟の農園を訪問させて頂きました。
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こちらはさつまいも畑です。我々を歓待して頂いた三世の息子さんから詳しくお話しを伺う事が出来ました。
さつまいもは現在こちらの農園のいわゆる稼ぎ頭の産品だそうです。土壌が良く一年を通じて気温の変動が殆どなく気候的に恵まれている事もあり、年間を通じて収穫が可能との事です。収穫したさつまいもはカリ市内の他に首都ボゴタへも出荷しているらしく、パロケマオ中央市場に卸しているとの事です。私自身パロケマオで時折さつまいもを購入してきんとんにしたりそのまま蒸して食べたりしていますが、それはどうやらこちらの農園から出荷されている品のようです。コロンビアでさつまいもが容易に手に入るのはこちらで生産されているからなのですね。
今回は三世の息子さんに加えて全く予定外でしたが別の日系のご家族の二世の方(現・コロンビア日系人協会副会長)もわざわざ農園へお越し頂きました。右画像には「四世」となるお子さんの姿も写っています。
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左画像は黄(金)胡麻(ゴマ)の木・その隣にあるのが中央画像左側部分に見られる小豆の木です。金ゴマ・小豆も前述のパロケマオ中央市場で見かける品々で、これらもこちらの農家さんから出荷されたものなのでしょう。右画像・手のひらに乗っているのがまさに小豆です。
コロンビア人も豆類各種が好きで一番よく食べられるのが日本でいう所の金時豆です。これを砂糖を使わず炊き上げて塩をベースに味付けをします。これは日本人にとっては大きく異なる食感です。ちなみにコロンビア人は小豆は殆ど消費せず、これを重宝しているのは日本人・中国人・韓国人などのアジア系の人々です。
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場所を移動してご兄弟所有の別の農園を訪問しました。ご兄弟同士で生産品目が重ならないよう変えているようです。中画像は「ニラ」です。大変失礼ながら雑草にしか見えませんでした。そして右画像が「生姜(しょうが)」です。こんな風に育つのですね(根の部分)

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こちらの農家さんが生産されている多品目の中で一番驚いたのが左画像の「オクラ」です。茎の間からニョキニョキと生える・オクラってこんな風に育つのですね。日本にお住まいの方々でもオクラがどのように生えるかご存知の方はほぼ皆無なのでは。まさかコロンビアでそれを知るとは、本当にびっくりしました。
中画像は一世・二世いずれかのお母様(どちらか失念)がお好きで生産を始めた「ラン」です。これらもやはり首都ボゴタに出荷しているそうです。そして右画像は近年新しい取り組みとして始められたレタスの水耕栽培です。
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こちらの農園ではこの他各種フルーツ類の木々も見られました。左から順に「グアナバナ」「チリモヤ」「アボカド」の実です。グアナバナはコロンビアやブラジルなどで生産されていて、最終的にはドリアン位の大きさと形になります。と言ってもドリアンとは別物で臭みはなく果肉は若干酸味があり、これをミキサーに入れてジュースにして飲むととても美味です。
チリモヤは外皮がまるで腐ったように真っ黒くなると熟して食べ頃になります。
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スターフルーツの実も木に鈴なりでした。その場でもぎ取って同じ敷地内で収穫したマンゴーやライムをカットしたものを頂きました。獲れたてですので美味であった事は言うまでもありません。約二時間の訪問でしたがとても貴重な体験をさせて頂きました。
コロンビアへ移住された日本人の方々も他国と同様、三世・四世の世代で農業を継ぐ人はどんどん減ってきています。三世の方に「お子さんに農業を継がせますか」と伺った所、それは本人の意思次第との事でした。そのような現状下でこちらの農家さんはとても貴重な存在です。
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前述の通り私は27年のコロンビア生活で初めて日系人農家さんを訪問するさせて頂きましたが、これは長年希望していた事でした。
私の祖父は若かりし頃に外務省からポルトガル語・スペイン語通訳官(書記官)としてブラジル・パラグアイの日本領事館・日本大使館で勤務していた時代があり、それぞれの地で日本から移住された方々と接していた筈です。祖父の形見でもあるこの写真には昭和7年(1932年)と本人の記述があり、これはおそらくサンパウロ領事館勤務時のものでしょう。その他にもパラグアイ在勤時代を振り返った回顧録も書籍として現存しています。それから約100年の時を経て孫の私が再びコロンビアの地で日系移民のご家族様の農地を訪問する機会を得る事が出来ました。
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こちらも祖父の形見である絵葉書です。私が南米に興味を持つきっかけになったのがまさにこの絵葉書で、裏面には「四十数日の航海を無事にブラジルの首府(当時の首都はリオデジャネイロ)に着きました。翌晩はサンパウロに落ち着く筈です」と書き記しています。それから紆余曲折を経てコロンビアに移り住んで27年。当時祖父も移住者の方々が開拓された大地に立った筈で、約100年後に孫の私も同じ南米大陸の日本人移住者の方々が開拓された大地に立つ事が出来、感慨深い一時でした。

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地ビール醸造所見学と郊外の別荘で過ごす日帰りツアーのご案内(2025年2月15日催行)

(ボゴタ在留邦人の皆様)
毎回多くの方々にご参加頂きご好評頂いています恒例の地ビール醸造所見学と郊外にある別荘で過ごす日帰りツアー、次回は来年2月15日(土)20名様のご参加により決定・30名様のお申し込みをもって受付を締め切り催行します。
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韓国人の御主人と日本人の奥様が経営している地ビール醸造会社LINO Brewing社様と当社ANDES TOURSの共同企画によるこのツアーは、現地集合・現地解散、自家用車御利用によりご参加が可能というユニークなツアーという事もあり、毎回ご好評頂いています。
次回も同様に自家用車御利用でお気軽にご参加頂けます。
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ツアーは9:00AMにLINO Briwing社様に集合・ビール醸造所内を見学します。普段なかなか見る事が出来ないビール醸造過程を詳しくご説明頂きます。
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醸造所内を見学した後、ご希望される方々に各種ビールやウイスキーなどの試飲をして頂きます(お子様にはジュースを提供)地ビール独特の様々な風味をお楽しみ下さい。
醸造所見学終了後、10:30AM頃にLINO Brewing社様を出発・ボゴタの西約50kmのSasaima(ササイマ)へ向かいます。
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Finca(別荘)に到着後、昼食の前に自家製エンパナーダを御提供します。
ここは当社社長の祖父母が約90年前にスイスから移住し、コーヒー生産で財を成した場所です。現在も敷地内には約17,000本のコーヒーの木々があり、収穫した生豆はスイスへの輸出の他、継続的に出荷しています。
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昼食はアヒアコ(ポテトシチュー)、デザートにはCuajada(クアハダ・無味無臭のチーズ)の黒蜜がけを御提供します。いずれもこの別荘で働いている家政婦さんの手作りで、その味も毎回ご好評頂いています。
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昼食後、追加料金によるコーヒー農園見学ツアーを行います(当日は収穫期から外れている場合がありますので予めご了承下さい)赤く熟したコーヒーの実があればそれを手摘みにより自ら収穫して頂きます。その後コーヒーの実の加工工程を見学、終了後農園で収穫した豆を焙煎したコーヒーを試飲してツアー終了となります。
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広い敷地内にはプールもありますので水着持参で遊ぶ事も可能です。標高約2,600mの首都ボゴタから約1,000m下がると晴れた日には暑さが心地良く感じられます。午後のひと時を別荘で過ごした後、解散となります。
当社企画のユニークなこの日帰りツアー。皆様のご参加をお待ちします。
(年末年始を挟みます為、今回は早めにツアーご案内とご参加募集を開始します)

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コロンビアでCOP16(生物多様性条約締約国会議)開催

コロンビア第三の都市カリにて10月21日から11月1日までCOP16(生物多様性条約締約国会議)が開催され、世界約198の国・地域から多くの方々がコロンビアを訪れました。正確な数としては把握していませんが日本からも数百人規模の方々が来訪されました。
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私は環境関係については全く疎いので観光的視点からの投稿となります。
発表された数字が色々と異なるので必ずしも正確ではありませんが、COP16期間中に国外から約16,000人前後がカリ市を訪れたようです。カリ市は元々「スポーツの町」としてスポーツ関係の国際大会は今まで数多く開催され実績を多く残していますが、これだけの規模の国際会議はおそらく史上初めての事だったと思います。
経済効果としてはCOP16会議がもたらした収入は1,220億コロンビアペソ(約41億円)と後日大統領から発表がありました。
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画像を見る度にあの時の忙しさが蘇ります。COP16期間中はカリ空港内にウエルカムデスクが設置され、国外から続々と参加者が到着・空港内は人で一杯になった事もありました。おそらくこれほどの規模の国際会議がカリで行われる事はまず二度とないと思います。
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COP16開催中カリ市内中心部は「グリーンゾーン」と名付けられ多くの露店や環境保護に関するブースが多数設営されました。普段のカリ市内中心部は若干不穏な雰囲気が漂う所ですが、この時ばかりは警察官が多数配置されカリ市民の憩いの場となりました。
報道では期間中にこのグリーゾーンを訪れた人々は延べ90万人、臨時露店での民芸品その他物品や伝統食などの売上は約3億コロンビアペソ(およそ1千万円)に達したようです。イベントとしては大成功だったと思います。
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COP16期間中のホテル宿泊予約売上は約1,100万ドル(およそ16.5億円)に達したとの事です。カリ市内は元々大規模国際会議を行う都市ではなかった為ホテルの数自体が少なく、その為期間中のカリ市内のホテル宿泊予約率は99.9%になったと推測されます。
私は幸運にも今年リニューアルオープンしたアパートメントホテルを一棟丸ごと確保する事が出来、これはかなりラッキーでした。アパートメントタイプでしたのでホテルほどの設備はありませんでしたが全客室は全てが新しく、立地場所がカリ市内有数のグルメゾーンにあり食事や買物等にとても便利な場所で選択肢としてはこれは最高だったと我ながらよく確保出来たと思っています。
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COP16国際会議が開催されたのはカリ市に隣接するYumbo(ユンボ)市にあるCentro de Eventos Valle del Pacificoでした。ここは元々国際会議よりも各種イベント開催がメインの所です。その為周囲にはホテル・レストランその他一切ない場所でしたが会議の運営そのものは成功したようです。肝心のCOP16自体は後の報道で会期中合意を目指したものの至らなかった重要事案があったようです。
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私は環境保護関係には全く疎いのでこの分野に関するコメントはありません。COP16会場はこの他にもコロンビア国内各地の自然・文化・名産品などを紹介するブースが多数あった為、さながら旅行博覧会のような場所でもありました。
会場内ではコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が無料でコーヒーを提供、コロンビア国内各地の環境ツーリズム関連での名所などが紹介され、個人的にはそちらの方を見学していました。
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COP16会議の為にコロンビアへ来訪された団体は数多くいらっしゃいましたが、その中で私は愛知県庁様・イオン(AEON)環境財団様の二団体をご案内させて頂きました。12日間のカリ滞在中、日本語ガイド・宿泊・専用車手配などでフル稼働しました。日程的に重なった日がありその時はコーディネートが大変でしたがそれも今となっては良い思い出です。
愛知県庁様の方は画像の投稿制限があります為、開催中にMIDORI賞授賞式を行われたイオン環境財団様の画像を投稿します。この授賞式に合わせて岡田元也理事長様(イオングループ会長)が日本から来訪され、受賞者を称えられました。
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COP16開催地となったバジェデルカウカ県は元々肥沃な土地を持ち農作物の生産地として重要な地でもあります。広大なサトウキビ畑の他に米や野菜・コーヒー・カカオその他多数の農産品を生産する一大農業地帯である他、太平洋にも接している為海の幸も手に入る事からカリ市内には美味しいレストランが数多くあります。今回の滞在中カリ市民の親切さに多々接し、良い仕事が出来たと思います。

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コロンビアで2つのワールドカップ、侍ジャパン世界一・なでしこジャパン準優勝

日程上の偶然ですが先日当地コロンビアにおいて「野球U-15」「サッカーU-20」のワールドカップが開催されました。それぞれ日本代表が活躍され、コロンビア在留邦人の一人としてとても誇らしい結果となりました。
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まずは8月に開催された野球のU-15ワールドカップです。コロンビアと言えばサッカーを思い浮かべる方が大半かと思いますが実は野球も盛んで、コロンビア出身の大リーガーもいる程です。コロンビア国内において野球はカリブ海沿岸地域で人気があり、プレーヤーのほぼ全員が海岸地方出身者です。国内プロ野球リーグもあり、チームも全て海岸地方の町を拠点としています。

今回のU-15ワールドカップは大都市バランキージャ市とカルタヘナ市の二ヵ所のスタジアムで開催されました。
このうちバランキージャ市のスタジアムはかつて大リーグ、サンフランシスコ・ジャイアンツに所属し2010年のワールドシリーズで決勝打を放ち優勝に貢献したこの地出身の英雄Edgar Renteriaの名を冠しています。スタジアムはとてもよく整備されていてアメリカ・マイナーリーグも開催出来る基準を満たしています。
ここでは2018年にもU-23ワールドカップが開催され、東京オリンピックで金メダルを獲得した稲葉監督率いる侍ジャパンも出場・準優勝となりました。この時活躍されたのが現在福岡ソフトバンクホークスの主軸、東京オリンピック・そして昨年アメリカで開催されたWBCワールドベースボールクラシックでも活躍された快足・周東佑京選手です。この時私は侍ジャパンのバランキージャ到着から決勝戦・帰国までずっと帯同させて頂きました。
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それから6年となった今年はU-15ワールドカップが開催され、日本から井端代表監督率いる侍ジャパンが出場・見事世界一の座につきました。大会開催前には井端監督・吉見コーチが首都ボゴタに立ち寄られコロンビア駐箚・高杉特命全権大使にご挨拶され、大使より激励のお言葉を頂きました。その甲斐もあっての優勝かと思います。
井端監督曰く、15歳までの選手は大リーグアカデミー入りする16歳前という年齢から特にカリブ海地域の国々の選手に逸材が多く、初戦となったドミニカ共和国戦が重要なカギを握りますと大会前に話されていました。その言葉通り大会初戦のドミニカ共和国戦では乱打戦となりましたがこれを制し幸先いいスタートを切り勢いに乗り、その後も勝ち続けついに世界一の座につきました。私としては6年前に決勝で敗れたその雪辱を果たしてくれた・その思いです。
コロンビア人・特に地元バランキージャの方々の大半は日本が野球の強豪国(現在世界ランキング1位)である事を殆ど知らなかったようで、現地バランキージャ市には国際協力機構(JICA)から青年海外協力隊が野球指導の為に派遣されているのですが、なぜ日本からわざわざ派遣されているのか今回の侍ジャパン世界一でその存在意義が改めて分かった事と思います。
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今回私は選手達に帯同しませんでしたがボゴタにおいて再び井端監督・吉見コーチ他前回もご一緒した侍ジャパンスタッフの方々を出迎え、出国を見送りました。この大会で世界一になった事もあり高杉特命全権大使が急遽空港まで駆け付けられ、お祝いのお言葉をかけられました。井端監督・吉見コーチには次回の日本一時帰国の際にお目にかかれれば幸運です。改めて優勝おめでとうございました。
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そして9月に開催されたのがサッカーU-20女子ワールドカップでした。こちらも日本からなでしこジャパンが出場、決勝戦で北朝鮮に敗れ準優勝となったものの素晴らしい結果となりました。
標高2,600mの高地である首都ボゴタでフル代表による国際大会が行われる事はまず有り得ない事で、出場選手がU-20と若い事が理由なのか今回はFIFAが例外的に認めた国際大会でした。酸素濃度が平地の約70-80%未満という過酷な条件下で90分を戦い抜いた選手達の体力には驚愕しました。
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決勝戦は日本対北朝鮮というアジア勢同士の戦いとなりましたが、首都ボゴタのEl Campinスタジアムはほぼ満員となりました。前述の通りフル代表がここボゴタで国際試合を行う事は通常なく、男子ワールドカップ南米予選は野球と同じバランキージャ市にあるメトロポリタン・サッカースタジアムで常に行われます。ボゴタ市民にとってはU-20ではあるもののFIFA主催の国際大会が開催される事はもう二度とないと分かっていた事もあって大勢の方々が詰めかけたのかもしれません。私自身も日本代表がここボゴタで国際大会に出場する事はもうないだろうと思い記念に撮ってみました。
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決勝戦の試合の方はなでしこジャパンが0-1で敗れ世界一の座には就けませんでした。試合を間近で見ていましたが開始数分で北朝鮮の方がプレーの技術力・体力面共に全てなでしこを圧倒的に上回っている事がはっきりと分かり厳しい試合になると感じたその通りの結果となりました。特に体力面では例えば北朝鮮がコーナー付近まで伸びる長いスルーパスを出すと懸命に走った北朝鮮選手はぎりぎり追い付き、なでしこの選手は北朝鮮選手に追いつけず取り残される場面がかなりあり、前述の通り高地で酸素濃度が薄いこの地において圧倒的な走力を誇った北朝鮮の選手達に驚愕しました。なでしこの失点は一瞬のスキを突かれてロングシュートを決められたものです。
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とはいえなでしこの皆さんの健闘も大いに称えたいと思います。この試合をテレビで観戦した私の周囲のコロンビア人達の、決勝戦翌日の私に対する態度が明らかに変わった事を感じました。すなわち「日本がこんなに強いとは思わなかった」そういう事でしょう。
サッカーに関して申し上げると、コロンビアはクラブチームレベルではかつてクラブチーム世界一決定戦に南米代表として出場したチームもあり強豪です。しかし代表チームの場合は男女共に今まで世界レベルの大会で優勝・準優勝をした事がありません。意外とも言えます。その点で日本は特に「なでしこ」に関してはフル代表がかつて世界一の座につき、今回のU-20も三大会連続で準優勝という素晴らしい実力を誇っています。

今回の大会・決勝戦でボゴタのスタジアム内になでしこジャパンを応援する「ハポン(Japon)!!!」の大歓声が響き渡りました。数万人のボゴタ市民・コロンビア国民が日本を連呼する場面はもう二度とない事だろうと思います。とても貴重な一時を体験しました。なでしこジャパンの皆様、準優勝おめでとうございました。

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安倍首相コロンビア公式訪問から10年

2014年7月28日、安倍晋三氏が日本の首相として史上初めてコロンビア公式訪問の為首都ボゴタに降り立ってから10年が経ちました。安倍首相の3日間のコロンビア公式訪問は私にとり生涯忘れる事はない出来事です。
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この時私は安倍首相に随行した経団連会長の他企業使節団一行の受け入れ手配を一手に引き受けました。日本の政府専用機がコロンビアに降り立つ事自体が史上初めてであり当然前例というものがない中での受け入れ手配は相当のプレッシャーを感じ、失敗・失態は絶対許されないものでした。10年経った今でもよくあれだけの膨大な手配をこなしたものだと思っています。同じ事を次に出来るかと聞かれたら精神的・体力的にもう不可能だと思います。それほどまでに過酷を極めたものでした。

安倍首相が日本の首相として史上初めてコロンビアを公式訪問された詳しい経緯は存じ上げません。ただその数ヶ月前に中国国家主席が中南米各国・主に当時台頭を始めていた左派政権の国々を歴訪された事もあり、当時から親日国・中道政治を維持していたコロンビアを訪問する事の重要性を感じられていたのかもしれません。
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安倍首相のコロンビア公式訪問は大手新聞紙の一面を飾りました。当時親米国でもあったコロンビアにおいてアメリカ大統領の公式訪問以外で国の政治的トップの訪問が大手紙一面で取り上げられたのは異例であり、日本への関心の高さを感じました。また当時の安倍首相は既に世界のリーダーの一員としてコロンビアでも日本の首相と言えば「ABE」という名が知られていた事もあるでしょう。
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公式訪問2日目には日本・コロンビア首脳会談が開催され、両国間の友好・経済協力関係、特にEPA(経済連携協定)の早期締結を促す確認がされました。また分刻みのスケジュールの中で日本・コロンビア経済合同委員会も開催され、安倍首相コロンビア到着前から当地入りした相当数の日本企業各社のトップや幹部なども含め相当な数の方々が首都ボゴタに集まられました。現時点では後にも先にもこれだけの日本企業関係者の方々がコロンビアに集結された事はこの時の安倍首相公式訪問時以外なく、安倍氏の影響力の高さを改めて感じました。

あれから10年。現在の日本とコロンビアの関係は可もなく不可もなくと言った所でしょうか。現在のコロンビアは独立以来初のかなり極端な左派政権であり、ペトロ大統領は国家の経済的発展にはあまり関心がないように思われます。日本との関係も前政権以前の親密さは感じられないように思います。それはペトロ大統領就任から2年が経過した現在も日本へ大使を派遣していない事に表れており、現在は臨時代理大使がその任を2年続けられています。誤解のないよう申し上げますと私はその事について良い・悪いと評価するつもりは全くなく客観的事実のみ申し上げます。
また、安倍首相があの時早期締結を促したEPAについてその後交渉は途中で止まっていると認識しています。無関係の私はこの件について全く事情を把握していませんので、交渉はいずれ再開するのではと楽観的に思っています。
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日本・そして世界のリーダーとして日本の国益を真に考えられていた安倍首相のコロンビア公式訪問。3日間という期間でしたが前述の通り企業使節団の皆様の受け入れ手配に関して失敗・失態は絶対許されない極度のプレッシャーで精神的に潰れそうになりましたが何とか大任を務める事が出来ました。
こちらは27年のコロンビア生活の中で自分の行いが褒められた唯一の結果が当時の駐日コロンビア大使から頂いた感謝のレターです。
あとどれだけこの国にいるか、そんなに長くはないと思いますが頂いたこのレターを見るたびに不眠不休で臨んだあの3日間を思い出します。
間近で見た安倍首相の御姿、そして史上初めてコロンビアに飛来しコックピット上に日本・コロンビア両国旗を掲げた2機の政府専用機の姿は生涯決して忘れる事はありません。

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COP16(生物多様性条約締約国会議)開催地カリ調査出張

10月20日から11月1日までコロンビア・カリ市で開催されるCOP16(生物多様性条約締約国会議)関連調査の為出張しました。この情報がCOP16に参加される方々にとり少しでもお役に立てれば光栄です。
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カリ国際空港はカリ市内から車で約40-50分の場所にあります。日中着陸する際には視界一杯にサトウキビ畑が広がります。この辺りは昔から肥沃な土地でこれらのサトウキビは昔は砂糖・スピリッツ(アグアルディエンテ)やラム酒の原料、現在はバイオエタノールの原料として脚光を浴びています。カリ空港付近にはバイオエタノールの製造工場が複数あり、刈り取ったサトウキビを満載したトラックが街道を走る姿が時折見られます。
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カリ空港は国際空港とはいえ規模はそれほど大きくはなく、国外との路線はアメリカ・中米・南米ではペルー・そしてスペインとの間にある程度、発着便の大部分は国内線です。
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国際線で到着時の両替所は一階(国際線到着時間帯のみ営業)・そして二階にあります。空港から市内へタクシーを利用する際にはチケットカウンターにて行先を告げると金額を記載したチケットを発行してくれます。カリ空港からカリ市内まではおよそ70,000コロンビアペソ(2,800円)前後です(カリ市内の行先により料金は異なります)
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COP16開催場所となるコンベンションセンターはカリ市内ではなく隣のYumbo(ユンボ)市にあり、カリ市内からは車で20-30分ほどの距離です。カリ市ではスポーツの国際試合は多々行われるものの大規模国際会議を行う場所はカリ市内にはない為、隣町にあるコンベンションセンターでの開催となります。この地での大規模国際会議は過去に前例がなく、果たしてこの規模で世界200ヵ国近くから来る20,000人近くに及ぶ代表団を収容し切れるのか、正直なところ若干疑問な点はあります。とは言え既に決定している話ですからそれは主催者側に任せる他ありません。
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Yumbo市は「製造業の町」として国内では知られている所で街道沿いには多くの工場や倉庫が建ち並んでいます。COP16が開催されるコンベンションセンター付近にはホテルやレストラン等一切ありません。その為開催期間中はカリ市内のホテルと会場との単純往復だけとなります。期間中専用車を確保していないのであればタクシー等の公共交通機関に頼る他ありませんがドライバーは英語を全くと言えるほど理解出来ないので会場との移動手段確保は重要です。ちなみに専用車の確保は当社ANDES TOURSではある方法により可能です、
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COP16が開催されるコロンビア第三の都市カリ市の市庁舎と隣接するシモン・ボリーバル公園です。期間中ここでパブリックイベントが開催される予定です(詳細未定)ここは市内の中心部に位置しています。COP16期間中は警備要員を多数配置する事が予想されますが、市庁舎とシモン・ボリーバル公園がある場所の反対側は治安面で若干の不安要素がありますので注意が必要です。
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前述のカリ市庁舎+シモン・ボリーバル公園から近い所にあるのがカリ市内有数のグルメゾーン・Granada(グラナダ)地区です。周囲はカリ・マリオットホテルを筆頭に多数のホテルが並び、レストランも高級イタリアン・シーフード・肉料理や地元バジェ料理その他多数ありスターバックスなどのカフェも多数あるお洒落な一角です。COP16期間中美味しいものが食べたくなったらこのグラナダ地区に行くと良いでしょう。
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そのグラナダ地区には日本人経営で日本食レストランでは断然No.1の「雅(MIYABI)」もあります。日中暑くなるカリで長期滞在期間中に日本食が恋しくなったら是非とも訪れてみて下さい
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メニューも寿司の他、カツ丼や麺類その他多数あり、味は日本そのものです。これなら長い現地滞在も乗り切る事が出来るでしょう(笑)尚、席数自体はそんなに多くありませんので期間中は満席になる場合もあります
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COP16が開催されるカリ市と周辺は日本からの移住者の方々が肥沃な大地を開拓し豆類や野菜などの生産を手掛け日本・コロンビア両国の友好に多大な貢献をされた重要な地です。市内には日系人会館や日系人の方々が運営している日本・アジア食材店もあります。先人に敬意を表し訪れてみて下さい。
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YASAI店内には調味料や日本・アジア系食材が所狭しと並んでいます。画像のインスタント麺や納豆(表記はハングルですが味は日本のパック納豆そのもの)、キムチなどもあります。長期滞在中キッチンがある施設に宿泊される方々はこれらを手に入れると長期滞在の疲れが少し解消されるかもしれませんね。
10月のCOP16会議会場のカリ市にてお待ちします。

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日本の大型客船が5年ぶりにコロンビアに寄港

先日6月23日、日本の大型客船パシフィックワールド号(77,500t)が世界一周クルーズの途中で国際観光都市カルタヘナに寄港しました。日本の大型客船がコロンビアに寄港したのは2019年6月以来実に5年ぶりとなりました。
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カルタヘナ港に寄港するクルーズ船乗客による経済効果は非常に大きく、昨2022年7月から2023年6月までの「前クルーズ年度」に上陸した乗客・乗員の総数はおよそ50万人、観光ツアー等でカルタヘナ市に入った外貨は約5,300万ドル(約85億円)にもなりました。6月で終了した今クルーズ年度も同額若しくはそれ以上の数字になった筈です。
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パシフィックワールド号の乗客数は1,000人以上ですがほぼ全ての方々が上陸・個人でタクシーを利用したりツアーに参加される等の方法で観光を楽しまれました。以前にも投稿していますが寄港地としてのカルタヘナの最大の魅力は客船ターミナルから観光スポットである世界遺産・旧市街地区までの距離がとても短く短時間で到着・観光が可能な点です。
今回のパシフィックワールド号世界一周クルーズにおいてカルタヘナは南米大陸唯一の寄港地だった事もあり、ほぼ全員が一時下船・上陸されたのも納得出来ます。
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短時間でしたが世界遺産・旧市街地区には多くの日本人観光客(乗客)の姿がありました。約1,000名という日本人の方々がカルタヘナを観光されたのも5年ぶり、とても感慨深いものがありました。昨今の円安で海外旅行に出られる方の数が伸び悩んでいる中、これだけの方々が観光されるというのは大型客船の乗客ならではの事です。
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カルタヘナ寄港時ツアーが複数催行され、そのうちの一部は観光後カルタヘナ市内ナンバー1の評価のレストランClub de Pescaにて昼食を取りました。高級ヨットハーバーに隣接したこのレストランも多くの日本人乗客の方々で満席になり、カリブ海に面したカルタヘナならではのシーフードメインのコロンビア風ランチを楽しまれました。
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カルタヘナ港客船ターミナル内には敷地面積10,000㎡の「ポートオアシスエコパーク」があり、74種・約700頭(匹)の動物達が暮らしています。圧巻はフラミンゴ・孔雀・コンゴウインコ他多数に及ぶ鳥類です。コロンビアは世界最多・1558種の鳥類が生息している事もあり港湾当局が整備に力を入れたものです。
短時間の滞在ではありましたが多くの日本人の方々にコロンビアの魅力を知って頂いた事と思います。

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経済低迷真っ只中のコロンビア

2022年に左派政権が誕生して以来経済状況の飛躍的発展は望めないと当初から予想はしていました。左派系大統領による政治状況については選挙権を持っていない私がこの場でコメントする事は差し控えたいと思います。それとは別に私も実際利害に直接かかわっている経済状況について、2年が経とうとしている現在は予想以上に停滞している事を実感しています。
この2年でコロンビアに長年在住していた知人の日本人の方々が次々とコロンビアを去っています。まずそれが自分にとって直接感じている国内状況の変化です。その方々がこの国を去る事を決めた理由は様々ですが現在の経済低迷も少なからず影響しているようです。
コロンビア国内経済は3月に輸出額が大きく減少・4月の歳入(税収)と国外からの直接投資額の大幅な減少が報じられ、国家財政状況が厳しい状況に陥っている事も明らかになりました。当地に拠点を構える複数の日本企業の方々からお話を伺いました所、現在の政権が任期を終える2年後2026年までコロンビア国内の劇的な経済発展はほぼ見込めないであろうと覚悟されているようです。
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昨年来非常に深刻と報じられている一つが自動車新車販売台数・住宅販売件数などです。いずれも景気が良い時には旺盛な買い替え需要などで右肩上がりでしたが現在ではコロナ禍前に比して数十パーセント単位での大幅な落ち込みとなっています。私は経済通ではないので具体的にどのような理由でこれだけ落ち込んでいるのか詳しい事は分かりませんが、例えば自動車については現政権の政策により補助金が廃止されたガソリン価格がコロナ禍前に比して約二倍になっている事やローン金利の上昇により手が出にくくなっている事も要因の一つかもしれません。それは住宅ローンにも言えようかと思います。住宅販売件数の大幅な減少は関係する様々な業界にも暗い影を落としています。例えば新規着工件数の減少・マンション建設に投じられるセメントの供給量の減少・付帯するエレベーターや内装関係などあらゆる方面に影響を及ぼしています。
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先日大手EPS会社SuraがEPSシステムからの離脱を発表し衝撃が走っています。EPS(Entidad Promotora de Salud)とは日本でいう所の健康保険組合に似たシステムで国内に数多くある民間会社により運営されています。低所得により生活保護を受けている世帯以外はいずれかのEPS会社への加入義務があり、いわゆる国民皆保険制度に近いような感じです。EPS運営各社に対して政府が一定の介入と補助をしていますが、現政権はこのEPS制度を廃止・日本でいう所の国民健康保険に近い国営化を目指している事からEPS各社と対立が続き、一時政府補助金が滞りEPS各社が破産直前まで追い込まれた中での離脱発表により約500万人とされるEPS Sura社の加入者が動揺しています。
私も当然EPS制度に加入していて歯科治療などで何度か利用していますが、ここ数ヶ月EPS系の診療所は以前よりも大幅に患者数が増えて事前予約制にも関わらず予約時間を大幅に遅延する事が常、ついには一旦受け付けられた予約を3度にわたって一方的にキャンセルされています。EPS制度の質の低下が顕著になっている事をまざまざと感じます。
私はこのEPSとは別にMedicina Prepagadaという割増料金による特別医療システムにも加入していて、こちらのシステムは割増金額を払っているだけあり厚遇を受けられます。しかしながら強制加入のEPSと合わせた月額掛金は日本円で約23,000円、これだけの金額を払わないとまともな医療を受けられません。
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各方面によるコロンビア国内の2024年の経済成長率予想は約1%前後、実質ゼロ成長に近いと見込まれています。前述の通り現政権下であと2年は大幅な経済成長が望めない事から直接投資は控えるべきという意見が多いようです。
他方今年のインフレ率は約10%前後と見込まれています。年間インフレ率は翌年始めに家賃・公共料金その他多方面にそのまま反映されます。例えば住んでいる家が賃貸であれば昨年の年間インフレ率が11%だった場合今年一月からの月額家賃が11%アップ、今年12月時点での年間インフレ率が10%だった場合は来年1月からそれにまた10%アップとなります。これが続いた場合10年後にはすごい金額になる訳で、その為か昨今では家賃が高い高級住宅街にあるマンションなどが特に顕著ですが空き家が目立ってきています。
支出に関して昨今では価格が圧倒的に安いディスカウントストアは大幅に売り上げを伸ばしている一方、大型店舗を持つ全国規模の大手スーパーは大苦戦・巨額の赤字を計上しています。人々の財布のひもが非常に固い事は確実で、商品販売額の減少がそのまま税収減=国庫歳入減に直結しています。
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先日熊本を本拠とするラーメン店チェーン「味千拉麺」がコロンビアに進出開店、首都ボゴタの店舗は週末ともなると大行列になる人気店になっています。数年前からコロンビア国内ではラーメンブームとなっていますが開店から僅かの日数で大行列ができる程になるとはと驚いています。価格はオーソドックスな味千ラーメンがチップ込みで日本円換算にすると一杯約1,800円、飲物を加えて約2,000円ほどです。日本人の感覚からするとラーメン一杯約2,000円は高いと感じる事でしょう。不況真っ只中のコロンビアでそれでも大行列が出来るのが不思議ですが、他の外食レストランがいずれもここまで活況かと言えばそうではなく、グルメゾーンにある結構な数のレストランは昨今閑散としていて夜10時を過ぎると一帯が閑散とするのが昨今の状況です。
ではなぜ味千拉麺を含むラーメン店が繁盛しているのか、私なりに思うのはラーメンはこれだけを注文すれば全てが揃いお腹を満たす為、イタリアンその他よりも実は割安であるからだろうという分析です。ラーメンのどんぶりの中には「前菜(野菜類)」「たっぷりのスープ」「メイン(チャーシューなどの肉類・パスタなど)」が一つにまとまってる訳で、他のレストランでこれらを別々に注文するよりも確実に割安で量が多い、だからこその人気ではないかと勝手に思っています。
外食産業(レストラン)自体は決して好況とはいえず、原材料費その他の高騰がそのまま価格に反映され上がる一方である事、そしてコロナ禍以降仕事の形態が変わり在宅勤務も可能になった事から仕事を終えて夜に外食する人が減っている事も影響しています。

現左派政権が続くあと2年、コロンビアの経済状況は引き続き厳しいと予想しています。

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一時帰国で感じた日本とコロンビアの差・違い

先日一時帰国をしました。前回の一時帰国の時と比較してまず明らかに異なったのは外国人観光客の数です。私は羽田空港へ到着したのですが、入国審査場・そして荷物受け取りのターンテーブルにいた外国人入国者の数が前回から一年未満でとんでもない数になっていました。昨今日本を訪れる外国人観光客の数が激増している事は勿論知っていた上でそのすごさを実感しました。
そして私にとって前回とは確実に違ったのが「円安」です。今回の一時帰国で手持ちの米ドルを日本円に両替した上で滞在中の買い出しや食事その他に一部充てた為、頭の中では米ドルで換算していました。それで考えると「牛丼並が3ドル!」「100金ショップの品々が0.7ドル!」「自宅までの電車代がたったの8ドル!」と色々驚く事ばかりでした。そんな事もありましたので日本とコロンビアの差・違いを一部の項目について比較してみます。
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(野菜・果物・肉類)
一時帰国すると買い出しの為必ず通うのが「スーパー」野菜・果物・肉類の見栄えの良さにはいつも目が点になります。こちらは価格だけで比較すると当然日本の方が割高・コロンビアの方が安いと言えます。但しそれだけで判断するべきではなく「品質」も重要です。コロンビア国内で出回っているこれらの品々は安い事は安いのですが、例えばほうれん草は葉が大き過ぎ・若しくは葉が萎れたり果ては腐っていたり、世界屈指の生産国であるバナナは輸出規格外のものが国内に流通している為に外皮や中が既に腐っていたり逆に青すぎて芯があったりと品質に難があるものが大半です。
アジア系野菜の白菜は葉をちぎると中に大量の芋虫がいて既に相当かじられて穴が開いているとか、大根も切ったら芯の部分に「す」が入っていたり、収穫から日が経ち過ぎて両端を持つとグニャっと曲がったりするのが大半です。それらの理由により使えない部分が多々あったりする事を考えると結果として日本の野菜・果物類の方が「コスパが良い」という事になります。
肉類も例えば牛・豚肉は日本とは「牛種」「豚種」が異なる為、安い事は安いのですが肉自体が非常に臭みを持ったものです。また肉質も非常に固く、焼くと箸でも切れるどころかナイフを使っても切れないケースもあります。これらは典型的な「安物買いの銭失い」になるリスクを含みます。その点で日本のスーパーで手に入る肉類(特に和牛など)はグラム当たりの価格は高いものの美味しいという点で比較になりません。
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(インターネット回線)
この分野でコロンビアは日本にだいぶ追い付き、もしかして追い越してしまうのではと思います。他都市の事情は分かりませんが2024年現在首都ボゴタの一般家庭のネット回線速度は500Mbpsが標準で、少しずつですが光ファイバー回線の敷設も始まってきています。私はネット回線+ケーブルテレビ+固定電話のセットで契約していて月額料金は日本円で約5,000円程度です(2024年4月現在)
数年前に日本一時帰国した際はネット回線の速さに驚きましたが、今回の一時帰国ではその差を感じませんでした。何故かと思いスピードチェックのサイトから速度を計測したところ結果は「500Mbps」でした。家族が契約したのでその契約書を見た所「1Gbps」となっているので回線を敷設した会社の担当者に「契約速度よりも遅いのですが」と問い合わせた所、日本の場合は大元の回線を持っているNTT以外のネット回線提供各社はNTTからケーブルを「借りている」為、実際には契約の1Gbps通りの速さになる事はまずありませんとの説明でした。
コロンビアにおけるインターネット回線関連最大手はメキシコに本社がある「Claro」です。Claroは自前の回線を張り巡らしていますので500Mbpsの契約であればネット速度はそのまま500Mbpsと計測されます。Claroは顧客サービス・トラブル発生時の対応も他社と比較して群を抜いていて、あと数年後には市場をほぼ独占しそうな勢いです。
私はスマホ回線&データもClaroと契約しています。ついこの間まで長年他社との契約でしたが顧客サービスに致命的な問題があり、同じ番号でClaroへ移管しました。月55GBまでデータ利用が可能な月額料金は日本円で約1,600円(2024年4月現在)です。
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(コーヒー)
世界に名だたるコーヒー生産国コロンビアだからさぞかし美味しいコーヒーを安く飲めるだろう、という想像が崩れてしまいそうで申し訳ないです。まず「安い」という点で「飲むコーヒー」は昔であれば勿論コロンビアで飲む方が断然安かったですが、例えば昨今の日本のコンビニコーヒーは安くて美味しいという点で驚愕に値します。勿論コーヒーを当地において「焼いた豆の袋」で買う分には産地コロンビアの方が圧倒的に安いですが、日本はコロンビアから生豆で輸入しそれを高度な技術で焙煎し提供する時点で飲むコーヒーとしての「味」が既に当地で飲むコーヒーとは別物になっています。更に一杯のコーヒーの値段が高いコーヒー専門店などは麻袋に入った生豆を一粒ずつ選別した上で焙煎します。この過程は産地である当地コロンビアではまず行われません。その為良い味を出す豆・味を損ねてしまう豆も一緒くたに焙煎してしまうので同じ高品質のコーヒー豆なのに味に差が出てしまいます。とは言え世界的コーヒー生産地コロンビアですから「本場の味」も是非ともお試しください。
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(外食費用)
こちらはカテゴリーによって異なりますので一概に言えません。この場合の比較はラーメン・立ち食いそば・定食その他の「B級グルメ」です。前述の牛丼もそうですがこれらの料金は圧倒的に日本の方が安くてお腹一杯になります。
コロンビアにおけるB級グルメは例えば「アヒアコ」「バンデハパイサ」「サンコチョ」などがあります。これらは店によって金額が全く異なりますので一概に言えませんが昨今の物価高の影響もあり昔ほど安いという感覚ではなくなってきたように思います。とは言えアメリカやヨーロッパと比較すれば格段に安くお腹一杯食べる事が出来ます。
それにも増して安い・美味しいのが日本のB級グルメです。特に魚に関しては当たり前ですがコロンビアで日本並みの金額+鮮度で食べる事はまず不可能です。コロンビアでの外食費用は前述の通りアメリカ・ヨーロッパ等の先進国に比べればまだまだ破格の安さですが、こと日本と比較すると決して激安ではなくなってきたように思います。その分、今回の一時帰国で一杯のそば・牛丼などの安さと有難さを実感しました。

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観光面からみる南米コロンビアの成長性

2024年1月から3月までの第一四半期における日本人観光客受け入れ件数・人数・手配取扱金額はいずれも好調で、ついにコロナ禍前を上回りました。それに伴い私のガイド業務日数も四半期としては過去最も多い日数になりました。南米コロンビアという国はもはや「怖いだけの国」というよりも「怖いけど行ってみよう」という国に変わってきている事を明らかに実感しています。
特筆されるのは、観光でコロンビアを訪れた日本人の方々で当社ご案内分に関していわゆる団体ツアー・パッケージツアー利用でのケースはゼロ、全てが個人・御夫妻・親しい仲間のグループ等の「個人旅行」でした。目的や観光希望地等は様々ですがいずれも「ここは是非とも見たい」「こんな体験をしたい」という確たる希望があり、それに応える形での「オーダーメイド旅行」が100%です。

私はかれこれ27年コロンビアに住んでおり、長年にわたりこの国を端的に紹介する言葉として「未知の国・コロンビア」と表現しています。抽象的な表現ではありますが未知の国とはどんな所なのだろうかという想像心を沸かせ、コロンビアを観光国として紹介する為に表現し続けており、団体ツアー・パッケージツアーを販売する旅行会社向けの"B2B"よりも対個人・実際コロンビアを旅行される方々向けに各SNSを駆使した"B2C"(対顧客直接マーケティング)を重視しています。自分で言うのも何ですがその努力が少しずつではありますがはっきりと、ようやく実を結んできています。
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2024年第一四半期は「女子旅」が複数あった事も特筆されます。こちらは社会人の方々です。コロンビアアマゾンエリアを満喫されました。コロンビアは「鳥」「蝶」の種類と数では世界トップレベルです。ただ日本人の方々にこれらの点をアピールしても反応が今一つである事は事実で、鳥や蝶に余程興味がある方でなければその為にコロンビアへ来られる方は稀です。それよりも画像のようにリスザルに直接触れたりアマゾン川イルカやピラニアその他の動物を至近距離で見る事が出来る、その方がインパクトが強いのではないかと思います。
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こちらは同じ女子旅でも「大学卒業旅行」三人組様です。コロンビアは今や卒業旅行の行先に選定されるほどの観光地になったのだと感慨深く感じたケースでした。皆さんは南米周遊旅行の過程でコロンビアを最初の訪問国にされ、観光したのは首都ボゴタと近郊にあるシパキラ岩塩坑道でした。滞在日数は僅かでしたがコロンビアのイメージについて好印象を持たれたようです。
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こちらはコロンビア国内各地の温泉巡りツアーの一コマです。コロンビア国内に多くの温泉地がある事を殆どの日本人の皆さんはご存知ないと思います。特にコーヒー地帯にある活火山・ルイス山の周辺にはとても多くの温泉地があり、中には底から湧き出る温泉がそのまま川になっている所もあります。温泉好きの日本人の方にはたまらない観光地・それもコロンビアにはあります。
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観光でコロンビアを訪れる日本人個人客の方々の全てが数日滞在という事ではなく、国際線乗り継ぎの合間の「トランジット観光」のケースもあります。コロンビア政府観光機関はこの国際線トランジット観光について全く注目・PRをしていません。数時間の乗り継ぎでも入国するのであれば観光国コロンビアをご案内するとても良い機会です。私が把握している限り、日本語ガイドによる国際線乗り継ぎ観光ツアーを催行しているのは中南米各国の中ではコロンビアとメキシコだけかと思います。
こちらのご夫妻は早朝に首都ボゴタへ到着・午後の便でアメリカへ発たれるまでの数時間でしたがコロンビアの地を踏まれ、ボゴタ旧市街地区などをご案内しました。日本の旅行会社を通すと旅行業法により移動手段に公共交通機関を使用する事は出来ないとされているようですが、私がご案内したのは首都ボゴタを網羅する公共交通機関「トランスミレニオ」利用のツアーでした。味気ない車利用のツアーよりも大抵の方がこのパターンについて「楽しめた」と高評価を頂きます(但し車内でのスリ等の被害は自己責任ですと事前に承諾して頂きます)
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「週末国外旅行」というケースもありました。こちらはブラジル・マナウスにある日系企業駐在員の方向けに催行したツアーです。マナウスからボゴタまでは直行便で片道約3時間。4時間かけて大都市サンパウロへ行くよりも航空運賃・時間・旅行費用全てが安いという事で、土曜日未明の便でマナウスを発たれ週末のコロンビア・ボゴタ及び近郊を観光、日曜日夜の便でボゴタを発たれ翌日月曜未明にマナウス着・その日から仕事というまさに「週末コロンビア旅行」が実現しました。首都ボゴタでは日本食材各種もマナウスに比べて豊富・且つ割安ですので今後食材買い出し目的も兼ねての週末コロンビア旅行の需要が増えるのではないかと期待しています。
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コロンビアを訪れる日本人個人観光客が飛躍的に増えてきている理由の一つ、これは確たる証拠はありませんが旅行費用(ホテル・食事他)が割安である事が挙げられるかもしれません。
昨今の円安で日本からの海外旅行は費用面でかなり厳しい事を承知しています。その中でコロンビアは独立以来一貫して自国通貨ペソ(以下COP)経済を続けており、過去一度も経済破綻・ハイパーインフレを経験していない国です。その為ホテル宿泊費やレストランでの食事などは自国通貨COP建てが原則であり、COPも日本円もドルに対して例えば円安になってもCOPも同様になる為、この所対ドルレートで円安の度合いがCOP安よりも大きいので以前よりJPY-COPのレートが若干悪くなっていますが(2024年3月現在1JPY=約COP25前後)それでも米ドルやユーロ建ての国々を観光するよりは割安な旅行が出来ます。

4月以降も日本人個人観光客の方々を続々とお迎えします。コロンビアは「あれが見たい」「こんな事体験をしてみたい」「こんな変わった場所に行ってみたい」という願いを叶えてくれそうな「未知の国」です。御来訪お待ちします。

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ラテンアメリカトップレベルの大型クルーズ船寄港地コロンビア・カルタヘナ

先日二週にわたり世界遺産の古都であるカルタヘナに同行ガイドとして出張しました。それぞれの訪問目的は微妙に異なりましたがコロンビア国内随一の国際観光都市カルタヘナには外国人観光客がまさに「押し掛けている」そんな力強い印象を持ちました。
カルタヘナは年間を通じて大型クルーズ船が寄港するラテンアメリカ有数の国際港湾都市でもあります。いわゆる「クルーズ年度」というものがありこれは毎年7月から翌年6月までですが、2023年7月から2024年6月までのクルーズ年度には188隻・最大総乗客数392,000人がカルタヘナ港へ寄港する事になっています。
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カルタヘナに寄港せず世界一周クルーズを語ることなかれ、とは申しませんがもはやカルタヘナ港は世界有数のクルーズ船寄港地として絶対的地位を確立しており、その存在感はますます高まっています。寄港地としてのカルタヘナの魅力は複数あります。まずは「受け入れ力」。先日カルタヘナ港は一日で大小6隻のクルーズ船が一時寄港し、上陸観光をした乗客数は13,142名に及びました。これは新記録であり、中南米各国で一日にこれだけの数を受け入れる事が出来る港湾都市はカルタヘナしかありません。
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カルタヘナ港客船ターミナルエリアには土産物店があり、カルタヘナ市内へ出ず港に留まる乗客も買物を楽しめるよう充実した品揃えになっています。また、同じエリアには何と動物園まであり、コロンビアが世界に誇る鳥類や小型の動物類が園内にいます。クルーズ船乗客の為にここまで設備が整った港はなかなかありません。
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そしてカルタヘナがクルーズ船寄港地・そして国際観光としてラテンアメリカ各国トップレベルである最大の理由が、乗客が楽しめる観光スポットについてカルタヘナ港から世界文化遺産の旧市街地区までの距離がとても近い事です。客船ターミナルから旧市街地区までタクシーを利用して約5km・所要時間僅か15-20分程度です。他国の港は周辺に数千人が一度に押し寄せる事も可能な観光スポットが殆どありませんが、カルタヘナは世界遺産の街並みがいつでも乗客を待ち受けています。
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世界遺産・旧市街地区では徒歩観光だけではなく様々なツアーにも参加出来ます。その一つがこの「旧市街の小道をクラシックカーで巡るツアー」です。先年までこれは観光馬車を利用して行っていましたが、炎天下の中での馬車移動は馬にとって過酷な条件である事から動物虐待にあたるという指摘を受け、代わって登場したのがこのクラシックカーでの小道巡りツアーです。
クラシックカーと旧市街地区の組み合わせはキューバ・ハバナが有名ですが、カルタヘナは旧市街地区の保存状態が概ね良好で景観が素晴らしい事、そして何よりクラシックカー自体が新車にも劣らない程ピカピカに整備されている点です。
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クルーズ船乗客向けのツアー、カルタヘナで体験出来るのは旧市街地区観光だけではありません。カルタヘナ港から片道約1.5時間の場所にある画像の「トトゥモ泥火山」温泉としての効能もあるこの泥の層の深さは何と推定2,300mにも及ぶもので、泥の中に埋まっても体が沈む事はなくプカプカと浮く事が出来ます。
こちらは先日の同行ガイド出張時に撮影したものでコロンビア国内の「温泉巡り」が主目的でした。このトトゥモ泥火山に滞在したほぼ同じタイミングでこの日寄港した大型クルーズ船乗客を乗せたツアーバスが到着し、瞬く間に泥火山への「登山道」は乗客の列で一杯になりました。
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この他、カルタヘナ港からボートでたったの10分程度にあるティエラボンバ島の白砂の海岸で過ごすなど、カルタヘナでは実に多くの上陸ツアーの選択肢があります。
もしも世界一周クルーズなどでカルタヘナに寄港される機会がありましたら、世界遺産の街並みその他多くのツアーが催行される筈ですので是非とも体験してみて下さい。

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アマゾンらしさを気軽に体験出来るコロンビアアマゾンエリア

新年2024年最初の投稿となります。
一時のコロナ禍から大分復活してきた感があり、昨年後半あたりから日本人観光客の方々をお迎えするケースが顕著に増えてきました。その中で昨年末から観光で当地を訪問された「女子旅」四人組様からコロンビアアマゾンツアーご参加時の画像を頂戴しましたのでこの場で掲載させて頂きます。
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コロンビアアマゾン観光の拠点となる県都レティシアへは首都ボゴタから空路約2時間。アマゾンエリア旅行に際して黄熱病予防接種証明書(イエローカード)の所持及び提示は不要です(2024年1月現在)飛行中の機内からは大河アマゾン川の流れを見る事も出来ます。
レティシア空港から市内(というよりも小さな町レベル)までは車で約10分程度。小さな町の外れはもうアマゾン川です。コロンビアアマゾンエリアへのアクセスが極めて容易であるのが何よりの特徴です。とは言え開発が進んでいる訳でもなく、先住民族の人々も普通に暮らしていてアマゾン川沿いには未だ高床式の伝統家屋も多数存在しています。
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昨年後半、ブラジルアマゾンエリアでは大河アマゾン川支流の水が干上がりアマゾン川イルカが多数死亡、現地の生活にも致命的な影響が出ていると世界中に報じられた事もあり、コロンビアアマゾンエリアの状況がとても気掛かりでした。しかしながらその心配は無用でした。
コロンビアエリアのアマゾン川の水量は文句なし、大河アマゾンの流れそのものでした。女子旅四人組様のツアーも全く問題なく催行し、途中アマゾン川イルカに遭遇したり、生きたピラニアや世界最大級の淡水魚・ピラルクの姿も見られたようです(ある場所の敷地内でしたが)また、アマゾンオオハス群生地も水の状態は全く問題なく、リス猿群生地でも楽しく過ごされ画像の記念写真を撮る事も出来ました。
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レティシアの町のいわゆる観光スポットは徒歩で全て巡る事が出来るとても小さな町です。晴れた日の夕方にはアマゾン川に落ちる夕陽を見る事が出来、市内にあるレストランではアマゾンの川魚を味と見た目的に上手にアレンジした各種料理や、現地独特のフルーツを使ったジュースを楽しむ事も出来ます。
また、コロンビア側のレティシアとブラジル側の町タバティンガとは一本道で繋がっていてパスポートチェック等一切なく「二国間」を行き来する事が出来る珍しいエリアでもあります。アマゾンツアーではペルー領にも一時立ち入る為、一度の旅行で三か国の地を踏む事が出来る貴重な体験も可能です。是非ともコロンビアアマゾンエリアでアマゾンらしい体験を。


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首都ボゴタの中の「イギリス」的な街並み・テウサキージョ(Teusaquillo)地区

首都ボゴタにある名門・ハベリアナ大学へ約一年間留学される女子学生さんの為に長期滞在用の学生向けアパートを探す仕事を請け負いました。親御さんと場所の選定を続けていた中で一つ候補に挙がっていたのがテウサキージョ(Teusaquillo)地区でした。
私自身テウサキージョ地区は一度だけ行った事がありますがそれも一部であり、今まで一度もくまなく歩いた事がなかったのですが、以前から建物の景観が美しい地区だという話は聞いていました。その為私自身が実際歩いてこの地区を見て回った所、この地区はまさに「古き良きイギリスの街並み」を思わせる素晴らしい場所である事を改めて知りました。
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テウサキージョ地区自体はボゴタがまだ小さな町だった頃には北部の外れにある最高級住宅街として整備された経緯があります。現在のテウサキージョ地区の位置付けはどちらかというと旧市街・中心地区に近い方になっていて、人口1,000万人の大都会ボゴタの街並みはそこから更に北へ延伸しています。その中にあってここは別世界・前述の通りレンガ造りの建物の外観はまさにイギリスそのもの、それもその筈で昔は当時の大統領の別邸があったほどです。その名残を今に残しています。
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地区内には複数の教会や学校があります。それらはいずれも他の地区ではあまり見かけない様式の建物です。このエリアを歩いていると、ここが南米・コロンビアとはとても思えません。ここだけ別の国にいるような錯覚を覚えます。
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長期滞在用の宿舎について具体的な場所の言及は避けますが無事契約に至り、1月から入居する運びとなりました。そこは元々三軒だった洋館(という呼び方にふさわしい建物)を大改修して一つに繋げて学生向け長期滞在用アパートに仕立てたもので、場所と言い内部の素晴らしさと言い、これ以上の物件はないと断言できる素晴らしい所です。私自身が自ら管理会社と連絡を取り、LINEビデオチャット機能を駆使して日本にいらっしゃる御本人・親御さんと共に実際内覧をして決めたもので世の中便利になったものです。日本側のお二人は当地に出向く事なく、私がスマホのカメラ機能で内部の様子などをライブ配信する状態をご覧頂き、その場にいるような感覚で部屋をご覧頂けました。
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現在の北部最高級住宅街地区の街並みはこのテウサキージョ地区とは全く異なる景観です。その中にあってこのテウサキージョ地区の景観・建物のデザインは後世まで残したい素晴らしいものです。それは旧市街・コロニアル地区の景観とも全く異なるものです。
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このテウサキージョ地区で特筆されるもう一つの特徴にお洒落なカフェが多い事が挙げられます。これにも驚きました。新市街地区にあるモダンな造りのカフェとは異なる、洋館をそのまま利用したレトロ風のカフェはとても落ち着いた空間である事を感じます。
画像のこのカフェは徒歩散策中に偶然見つけた場所で、結果として首都ボゴタでもトップレベルの焙煎エリア付きカフェでした。こ子も素晴らしかったです。
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私が何気にこの場所に入った時は偶然でしたが英語ガイドによる外国人ツアー団体がここを訪れていました。ここはどちらかというとコーヒー豆を焙煎する「ロースター」さんで、併設している10人も入れない小さなカフェはおまけのような場所でした。その中にあってコーヒー豆をガンガン焼いていて焼き上がった豆を卸売り&直売している専門業者でした。加えて二階部分には昔から現在に至るまでのコーヒーメーカー各種が展示されていて、アカデミーとして焙煎業者を養成する教室もあったりしました。
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更に驚いたのがここで取り扱っているコーヒー豆の種類です。国内各地の良質の豆の他、ボルボンSidra・Chiroso、ゲイシャ(Gesha)やHidronaturalなどの希少種&スペシャリティコーヒー豆を取り扱っていて、その価格の安さにも驚きました。
私はここにたどり着くまでに既にコーヒーを二杯飲んでいましたが、試しに一杯2,500コロンビアペソ(約90円)の7Ozサイズ・アメリカーノを飲んだところ苦みがないすっきりした味で、あっという間に飲み切ってしまいました。さすが焙煎業者直営のカフェ、加えて豆自体の質の良さを改めて知る事が出来ました。
お土産として右画像・黒い袋のSierra Nevada(コロンビア国内最北部に近い山間)産の豆(500g入りで28,000コロンビアペソ・約1,000円)を買って帰りました。基本は豆の状態で袋に入っていて、頼むと裏の焙煎エリアで挽いてくれます。挽いた直後の豆ですので袋から漂う香りが半端ではなく、良いものを手に入れました。実際飲んでみると苦み・酸味は殆ど感じず、逆にフルーツを思わせるような味わいでした。この価格でこのクオリティ、お値打ち感大でした。

テウサキージョ地区の素敵な一角とモダンな外観の建物群を徒歩で散策。ガイドブックには載っていない一角ですが特に建築関係に興味がおありの方々には是非ともお勧めしたい場所です。

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コロンビア民芸品博覧会2023・質の高い伝統工芸品を紹介

毎年12月に開催される「コロンビア民芸品博覧会」には国内各地で作られている様々な伝統工芸品が一堂に会します。首都ボゴタでは滅多に見かけない逸品もあり、私自身この機会を毎年楽しみにしています。
他国の伝統工芸品の全てを知っている訳ではないので確たる証拠は何もありませんが、コロンビアの民芸品・手工芸品は他国と比較して単なる観光土産のレベルを超えた実用品として十分使えるものが多く、質の良さと作り手の手先の器用さは群を抜いているのではないかと思っています。
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毎年開催されるこの民芸品博覧会を楽しみにしている人は多いと思います。例え買わずともコロンビア国内各地にどれだけの民芸品・手工芸品が存在し、その伝統技術が継承されているかを知る良い機会でもあります。私も仕事柄コロンビアを訪れるお客様に「お土産」としてどのようなものがあるのか知っておく良い機会でもあります。
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こちらは昨今日本人女性の間で人気が高まっている、国内北部に住むワユー族の女性が一つ一つ手編みで作り上げる手提げバッグです。カラフルな色合いが特徴で、幾何学模様の一つ一つにはワユー族独特の象形文字的な意味があります。美しいデザインはまさに女性受けするものですね。このコロンビア民芸品博覧会で数多く出店している伝統工芸品の中でもひときわ目立つ存在です。
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こちらのワユーバッグは通常サイズの二倍以上の大きさで、実用品として買い物バッグなどに使える大型のもので、まさに逸品です。但し全て手編みですので値段もそれなりにするもので、日本円換算で約25,000円程度します。ワユーバッグ自体は無数に出回っていますがこの位の大きさは記憶では初めて見たように思います。
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こちらもほぼ同じ大型サイズのバッグです。隣に並んでいる通常サイズと比較して大きいのが分かります。柄が分かりやすいよう折りたたんだ状態で撮影しましたが実際は円柱状のバッグです。こちらもやはり日本円で2万円以上する逸品です。
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対してこちらはモノクロ色のアルアコ族が編み実用品として使用している肩掛けバッグです。ワユーバッグの方は木綿糸を使用しているのに対し、アルアコバッグの方は羊毛を使用している為ごわごわした手触り感です。ワユー族は国内最北の砂漠地帯に多く住んでいるのに対し、アルアコ族は南米大陸最北の雪山・クリストバル・コロン山の麓に住んでいる事から気候帯の違いもあり、その事もあって色使いも異なるのかもしれません。
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こちらはコロンビア国内に数多くある伝統工芸品の中でも最高傑作品の一つと言える「モパモパ」細工です。モパモパ細工とは国内南部・ナリーニョ県だけに自生している「モパモパの木」の樹液を煮詰め染料を加えて色付けし、冷ました所で口と手を使い大きく広げて薄く延ばした後、カッターで細かく切って黒地の素材(木材)に貼り付けたものです。カラフルな異なる色の部分は塗ったのではなく全て色付けしたモパモパの樹液を貼り合わせたものです。日本で言えば金箔工芸品に若干似ているかもしれません。細かく且つ芸術的にカットする事が出来る職人の数が減少し、且つモパモパの木自体もこの数を大きく減らしています。将来的には技術の伝承も含め絶滅の危機にあります。
画像の二点ですが、手前の壺は日本円で約5万円、奥の皿に至っては何と約12万円もします。
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これらは首都ボゴタの北隣にあるボヤカ県やその他各地に伝わる伝統工芸品です。葦の茎を細かく裂いて編み上げたものなど素材は様々ですが基本的にはがっちり編み上げている為丈夫であり、且つデザイン的にも優れたものです。実用品として全くそん色なく使用出来るものです。異なる色の素材を器用に編んでいて芸術的価値のある逸品でもあります。値段的には数千円から数万円するものまであり、単なる民芸品の域を超えた品々です。

この場で紹介するものは全工芸品の中でもほんの僅かです。この他にも逸品は数多くありとても掲載し切れません。コロンビアを訪れる事がありましたら是非ともこれらの民芸品・伝統工芸品をお求めになられる事をお勧めします。

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«回復傾向が顕著な日本人観光客のコロンビア訪問数